戸次重幸のポロリを回避… モザイク要らずの特撮“小山フィンガー”誕生秘話

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昨年結成20周年を迎えたチームナックス。北海学園大学演劇研究会出身の5人(森崎博之安田顕戸次重幸大泉洋音尾琢真)で結成され、今や日本一公演チケットが取れない劇団として絶大な人気を集めている。そんな彼らが全国で唯一総出演する北海道ローカルの冠バラエティの全国特番第3弾『ハナタレナックスEX(特別編)』が、2月12日(日)13時55分から放送。

これに合わせ、放送日当日を含め、5日にわたって連載企画を今年も実施。昨年の企画では、杉山順一プロデューサー(編成局総合制作部)に彼ら5人の“生態”について語っていただいたが、今回は、彼らと長年番組制作に関わってきたスタッフを直撃。北海道テレビ東京支社の会議室から北海道の本社をオンラインで繋ぎ、「チームナックス」の素顔を存分に語っていただいた。

「チームナックスとの思い出のエピソードといえば、伝説となった“小山フィンガー”ですね」

そう明かすのは、今回の全国放送第3弾で何度か画面にも登場するカメラマンの小山康範氏。音声の松澤聡氏からも「自分の話じゃねえかよ(笑)」とツッコまれていたが、この“小山フィンガー”は“ハナタレ”ファンの間では有名な話だ。

「シゲ(戸次)が、小山さんと田舎の露天風呂にロケに行った時の話ですが、股間を隠すものが何もないまま、お風呂にバッと入ってしまったんです。もちろんヤバイってなり、とっさに生まれたのが通称“小山フィンガー”です。小山さんが撮影しながらカメラに指を出して、動きまわるシゲの股間を隠しながら撮影。それが面白くて、それから何度かシゲの体を張った“珍”レポートはありましたね」(松澤)

「おかげさまで高視聴率が取れました! 僕はやっぱり“ハナタレ”にいないといけない存在だなと思いましたね(笑)」(小山)

「おかげさまでじゃねえし、その指のせいじゃねえよ!!!(笑)」(松澤)

これぞ“ハナタレ”スタッフといわんばかりのやり取りが繰り広げられたが、それ以外にも“ハナタレ”の現場では、放送できないような下ネタが沢山飛び交っている模様。

「僕は『ハナタレナックス』の第1回目の収録から参加していまして、思い出エピソードは沢山ありますが、個人的に好きなのは、収録が始まる前のちょっとした時間です。メンバーにマイクをつけて本番がスタートするまで、5人がとても放送できないような下ネタとかを話していて、それがとんでもなく面白い。視聴者の皆さまにはとてもお聞かせできるような内容ではないのですが、その時間が一番好きな時間です。リラックスしすぎな、あの感じがうまく視聴者の皆さまに伝わったらいいなと思いながらやっています」(松澤)

この『ハナタレナックス』は、2003年1月31日に『いばらのもり』という番組をリニューアルする形でスタート。この番組タイトルが決まった背景について杉山プロデューサーに聞いてみると、

「僕は2代目になるので、初代のプロデューサーがつけた名前になります。聞いているのは、はなたれ小僧の“ハナタレ”というわかりやすい意味もありますが、まだ彼らが駆け出しだった時代に番組が始まっていますので、“世に放(はな)たれる”とか、当時はまだ華がなかったので(笑)、華(はな)のないタレントの略。いろんな意味がそこに込められているようですが、一番最初に思いついた時のワードとしては、はなたれ小僧たちということで、小僧をナックスに変えて付けられたようです。ちなみに、メンバー5人ともこのタイトルには反対だったようですが、でも彼らの意見はまったく反映されず、気がついたら決まっていたという。これは、伝聞ですけどね」(杉山)

杉山氏は、2代目プロデューサーとは言っているが、チームナックスの5人とは、20年以上の付き合い。そんな彼らのことを知り尽くす杉山氏に、全国放送第3弾での5人について聞いてみると、

「普段、リーダーの森崎さんは、“リーダー然”としてしっかりしているところがあるのですが、今回はそういった意味では非常にダメなところもありました(笑)。しかし、普段はとてもおとなしい“末っ子”の音尾さんが逆にしっかりしたところを見せてくれまして……。ダメな人がいれば、助ける人がいる。5人の危なっかしい絶妙なバランスが上手く成り立っている感じが出ていましたので、相変わらず面白いなと思いました」(杉山)

それぞれの個性が異なり、それが絶妙な関係性で成り立つチームナックス。彼らの言葉から、スタッフとの関係性も絶妙なバランスで成り立っているのが伺える。この番組の宣伝を担当する秋山桃子氏からは、

「今回、オープニング撮影の時に、久々に“ハナタレ”の現場に復活したスタッフさんがいたんですね。すると戸次さんが、“久しぶりじゃん! 戻ってきたの~。いや嬉しいわ~”って喜んでいたのが凄く印象に残っています。スタッフのことを気にかけ、顔も覚え、久々に現場に来たのもわかり、そして“嬉しい”って言えるってやっぱり凄いなと。スタッフと演者、関係無く付き合っている戸次さんの人柄の良さを垣間見たような気がします」(秋山)

スタッフのコメントからも出演者とスタッフ間の垣根がなく番組が作られていることがわかり、連載企画1回目でカメラマンの小山氏が「(チームナックスの5人は)番組のスタッフという感覚の方が強い」と言っていたのも頷ける。

そして、この信頼関係があるからこそ、加納潤哉チーフディレクターと柳田アナは次のように語っている。

「ロケは、“もう自由にやってください”というのが基本です。“これをやって、これはやらないで欲しい”とお願いしたところで、言うことは聞いてくれませんので(笑)。このスタイルは、昔からなんら変わりないです。そこがこの番組の魅力です」(加納)

「5人がそれぞれ役者として活躍されている姿が、ある意味“表”だとしたら、“裏”というか役者の表情ではない“本来の部分”を見られるのが、この番組の魅力ではないでしょうか」(柳田)

今回の全国放送第3弾は北海道の東に位置する世界遺産の秘境・知床が舞台。チームナックスのメンバー5人が一泊二日のドライブに出発し、知床を“よりディープに”楽しむために用意された「看板探し」ゲームを通して、知床ならではの大自然や絶景、希少な魚や肉をはじめ海の幸から山の恵みまでが揃うご当地グルメ、そして地元の人々とのふれあいを満喫する。

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