藤原竜也、鈴木京香と『人間の証明』で共演 大河ドラマ以来13年ぶり

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藤原竜也鈴木京香が大河ドラマ以来13年ぶりの共演で、昭和を代表する名作ミステリー『人間の証明』がドラマ化。今年春にテレビ朝日系列のドラマスペシャルで放送されることがわかった。

この作品は、日本を代表するミステリー作家の森村誠一が1976年に発表し、翌1977年には岡田茉莉子と松田優作の主演で映画が大ヒット。40年経った今、豪華キャストを迎えて復活。これまで設定等を変えドラマ化が幾度も重ねられてきたが、今回は原作に忠実に「終戦直後から1970年代の昭和」を背景として、普遍的な訴求力に富むストーリーの映像化に挑んでいる。

1977年に公開された映画で、劇中での「母さん、僕のあの帽子、どうしたでしょうね?」という西條八十の詩のインパクトが鮮烈に残っているが、森村氏もこの詩にインスパイアされ執筆を始めたと述べている通り、原作に通底している大きな核のひとつは「母性」であり、その「母性」への郷愁だ。そして主人公は、母親に捨てられた過去を持ち「母性」に対する不信を抱く棟居刑事と、家庭や地位、名声を守るために「母性」を捨てた美容家の八杉恭子。かつて映画で松田優作と岡田茉莉子が演じたこの役に、今回は藤原と鈴木が挑む。

2人の共演は、大河ドラマ『新選組!』(2004年)以来13年ぶり。今回の出演に藤原は「大変失礼な話ですが、僕は『人間の証明』の映画を観たことがなかったんです。その話を監督にしたら、“俺はこの先、一切観ずにこの作品を撮る。だから藤原も観るんじゃない”と言われました(笑)」と。作品については「観ていなくても西條八十の詩や松田優作さんの強烈なイメージは残っていますし、この作品が世間に与えた衝撃も良くわかっている。役にしても、本心を言えば非常に面倒くさい役です(笑)。これまで、たくさんの才能ある方たちがやられているわけですから、比較されることもあると思います。ただ今回は、役者を何年やっていても巡り合えないだろうと感じたほど、本当に欠点のない台本でしたので、それに忠実に、そして監督と共演者の皆さんと力を合わせていけば、また違った『人間の証明』という作品ができるんじゃないかなと思っています」と語っている。

久々の共演となる鈴木に対しては「台本を読んでいるときから、京香さんが演じる八杉恭子に会えるんだと、ずっとうれしかった」。一方の鈴木は、「この13年で藤原君のどういうところが変わったのか、お相撲のがっぷり四つのように、しっかり向き合ってお芝居したい」と、久しぶりの共演に意欲を見せている。

また、棟居と行動を共にするベテラン刑事に緒形直人、昔の恭子を知る老女役に草笛光子、捜査の全権を握る捜査一課キャップ役に宅麻伸など、重厚な作品にふさわしい実力派の役者が顔をそろえ、不朽の名作に新たな息吹を吹き込みながら、戦後の昭和を真摯に生きた人間の姿が骨太に描かれていく。

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