渡辺謙が“今年の漢字”を披露「サプライズがたくさんあった」

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脚本家の山田太一と俳優の渡辺謙がタッグを組み、東日本大震災をテーマに描くドラマスペシャル『五年目のひとり』(テレビ朝日系列、21:00~23:06)が、11月19日(土)に放送。これに先駆け14日、東京・港区のEXシアター六本木にてプレミア試写会が行われ、共演の蒔田彩珠、西畑大吾(関西ジャニーズJr.)らも出席する中、渡辺が“今年の漢字”を披露した。

この作品は、東日本大震災から5年が経過した東京のとある町を舞台に、孤独な中年男と少女の不思議な交流を通じ、震災の“その後”と“再生”を描いており、平成28年度文化庁芸術祭参加作品にもなっている。渡辺は、主人公の木崎秀次役で、共演者には高橋克実、柳葉敏郎、そして今回が渡辺と初顔合わせとなる市原悦子らベテランが参加。さらに、蒔田と西畑らフレッシュなキャストも名を連ねる。

試写会には放送が待ちきれない約400名の観客が詰めかけ、上映中はハンカチで涙をぬぐう人も多く、会場は大きな感動に包まれていた。その後、作品の余韻が残る会場に颯爽と現れた渡辺は、「被災された方々の心に寄り添ったドラマにするべきと思わされた脚本でした。素晴らしいキャストの皆さんと繊細にワンシーン、ワンシーンを積み重ねて撮影しました」と力強くあいさつ。秀次と交流を深める少女・松永亜美役を体当たりで熱演した蒔田も、「東日本大震災は私が小学2年生のときのことで、はっきりと覚えていなかったのですが、震災について改めて考え直すことができました」と、この作品に参加して自身が成長を遂げたことを報告した。

そんな亜美の兄・晋也を演じた西畑は、「あふれ出る色気、フランクさ……渡辺さんはうらやましいところばかり! 大人になったら渡辺さんのような人間になりたい!」と、渡辺との共演で大きな影響を受けたことを明かしていた。そして山田も、「渡辺謙さんには震災に遭われた方々の代表になってもらいたいと思っていましたが、謙さんの真面目さはすごいもので、脚本を本当によく読んで、考えて、ひとつひとつのシーンを演じてくださった。大変感謝しております」と渡辺に感謝の言葉を送っていました。

また、ステージでは試写を観た観客からのアンケートも紹介。「家族に会いたくなりました。久しぶりに涙がたくさん出ました」(10代・神奈川県在住、女性)、「命を大事にしなければ……。そして日常を当たり前と思わず、今の生活を大切にしようと思わされました」(20代・埼玉県在住、女性)などの感想が寄せられ、これには渡辺も感激。「実は、劇中で亜美におばあちゃんのことを語りかけるときは、かわいがってもらった母方の祖母のことを考えました」と心にしみるエピソードを披露する一幕も。

後半では、“年を表す漢字”をオーダーされ、渡辺は、約120センチ×140センチの巨大な紙に“驚”の一文字を披露。渡辺は、「私自身、1月に早期の胃がんが見つかって内視鏡手術を受けましたし、その後、妻・南果歩の乳がんも見つかったり、さまざまな天変地異もあって、本当に2016年はサプライズがたくさんありました。今年は、僕にとって驚きの年でした」と、この1年を振り返った。  

また、会場の観客全員に、自身の出身地・新潟県が開発したプレミアムなブランド米“新之助”をプレゼントし、「週末、このドラマを観た後に家族のことを思ってもらえたら。そんなふうに人生の1ページをめくるような素晴らしいドラマに参加させていただいたことをうれしく思います」と呼びかけ、試写会を締めくくっていた。

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