古舘伊知郎が、「忠臣蔵」の世界に入り、吉良邸討ち入りの様子を完全実況するという新撮ドラマ『古舘伊知郎トーキングヒストリー ~忠臣蔵、吉良邸討ち入り完全実況~』(テレビ朝日系列)が、12月放送予定であることがわかった。

日本人にはおなじみの年末の風物詩、赤穂浪士の討ち入りを描いた「忠臣蔵」。大石内蔵助率いる四十七士が主君の仇を討った歴史的事件は、300年以上が経過した平成の今でも日本人の心を魅了し続けているが、我々が抱く討ち入りのイメージは、後年の演劇化により作られたものも少なくない。はたして、47人もの武装した男たちはどのようにして誰にも知られることなく吉良邸までたどり着いたのか? 100人以上いたという吉良家臣を47人でどのように制圧したのか? サッカー場ほどもある広大な吉良邸で、限られた時間の中どのように吉良の居所を突き止めたのか? とさまざまな疑問が浮かんでくる。

この番組では、古舘の実況中継という斬新な手法で、そんな疑問の解明に挑戦。事件直前の江戸に潜入した古舘が、吉良邸討ち入りの裏側に舌鋒鋭く斬り込み、知られざる真実を明らかにしていく。また、この特番に先立ち、古舘は、第29回東京国際映画祭(10月25日~11月3日)で開催された特別上映イベント「歌舞伎座スペシャルナイト」(10月27日)に、“現代版弁士”として登場。プロレスやF1中継で培った鋭敏な語彙センスとボルテージの高さが魅力の“古舘節”を、後に赤穂浪士となった中山安兵衛(忠臣蔵では堀部安兵衛)の逸話を描いたサイレント映画『血煙高田の馬場』(1928年)で披露し、誰にも真似できない新境地の開拓に成功している。そんな古舘が、今回実況のみならず、ナレーション、司会・進行といった話し手の役割を一手に担当しており、歴史×ドラマ×実況という未知の方程式に挑む。

京都にて撮影が行われており、収録の合間に行われた囲み会見には、古館に加え、ドラマパートに出演している緒形直人(大石内蔵助役)、笹野高史(原惣右衛門役)らも出席。今回の企画について古館は、「最初は全然想像がつかなくて、名うての役者さんの中に時空を歪めて僕が入り込んだら、“うるさいだろうな~申し訳ないな~”という不安がありましたが、未知の分野だから“面白いかな”という好奇心があったのも正直なところです」と述べている。

古舘が時を超えた前代未聞の実況中継に挑む現場は、元禄15年(1702年)12月15日、未明の江戸。最新CGにより現れた当時の町並みや、東映京都撮影所に再現された吉良邸の豪華セットを舞台に、臨場感あふれる討ち入りの模様をつぶさに伝えていくのだが、収録を振り返り、「やっぱり、(演技している横で実況されると)“うるさいだろうな~。僕が役者だったら嫌だな(笑)”と思いながら、手さぐりでやっています」と笑顔で語っていた。また、時代劇が展開されている中、スーツを着た古館が実況をするという試みについて、「ひとつ言えることは、事実はこうだったんじゃないか? の実況。忠臣蔵とは言いますが、はたして忠義心だけで討ち入りをしたのかというと、そうではない複合要因があったような気がしています。忠臣蔵は、調べていくといろんな説に行き当たる。そこにスタジオ部分も含めて触れていって、一方向からの美談だったのかというところを探りたいと思います」と古館自身も期待を寄せている。

そして今回、ドラマ実況の“難しさ”も経験したようで、古館は「討ち入りに向け浪士たちが三々五々、闇夜の中やってくるシーンを小さな堀の反対側から実況したのですが、橋のたもとに緒形さん扮する町人風情の大石がパッと立った姿が、スッとして尋常じゃないオーラを放っていて、“これは闇夜に目立つぞ!”と実況してNGになりました(笑)。ひっそりと大石がやってきているのに、私が大騒ぎしてものすごく目立たせてしまうという……(笑)。基本的に実況は後手になるのですが、今回は先行しなきゃいけなかったり、シーンに合わせなければいけなかったり、そういう不自由感が難しくて面白いです」と新たな挑戦を楽しんでいる様子。

一方の緒方は、「僕はあくまでもドラマとして『忠臣蔵』の討ち入りのシーンをきちんと仕上げたいと思っています。大石を演じる上では、意地とか男の忠義を大事にしていますね」と話し、古館の実況については、「古舘さんはしゃべりの天才! “大石の入場であります!”ってやられると、ニヤニヤしちゃって平常心でいるのが大変です。なので、なるべく(古館さんの実況を)聞かないように演じています」と。笹野は「芝居を脇で流暢に説明してもらうと気持ちがいい(笑)。えも言われぬ恍惚感!」と、古舘との新しい共演の形を楽しんでいるようだ。

また、今回の挑戦を機に古館は、「これが成功したら味をしめて、アダルトビデオの実況中継をやってみたいですね。現場で楽しみながら。“私の下半身もかなり興奮してまいりました”みたいなのはどうかなと……」とジョークを飛ばし、記者陣を沸かせていた。

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