槇原敬之、不安に襲われた… “遊川ドラマ”の主題歌づくりに奮闘

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尾野真千子江口洋介が初の夫婦役共演で挑むドラマ『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系列、7月14日スタート 毎週木曜21:00~)の主題歌が、槇原敬之の47枚目シングル「理由(読み:りゆう)」に決定。槇原は「聴いてくださる人の新しい考え方のきっかけになってもらえたら」とコメントを寄せている。

『家政婦のミタ』(日本テレビ系)をはじめ、多くの問題・話題作を世に送り出している遊川和彦が脚本を務める本作では、過酷な条件が課せられる特殊な養子制度を題材に「本当の家族とは何か」という普遍的なテーマが取り上げられる。本作で尾野と江口が演じるのは、挫折続きのピアニスト妻と、自他ともに認めるお人好し夫。結婚10年だが、ある理由から二人の間には子どもはいないが、「特別養子縁組」によって5歳児の親に。子どものいない夫婦が、親に捨てられた見ず知らずの5歳の男の子を自分たちの子どもにしようと決断し、“本当の家族”になろうと奮闘する6カ月の物語になっている。

そんな重厚なテーマのドラマに対して、槇原が書き下ろしたのは軽快でダンサブルなナンバー。今作は特に一つの詞に対して4パターンものメロディーを試作したというプロセスを踏んだことで、一聴しただけで頭から離れないメロディーが完成。槇原独特のメロディーに乗せることで、テーマに沿った詞もすんなりと入りやすく、POPsの醍醐味を感じさせる楽曲に仕上がっている。

この曲について、槇原は「お話をいただいたときに、脚本の遊川和彦さんと直接お話しさせてもらう機会をいただきました。遊川さんのその志というか目指しているものが、僭越ながら自分が考えているところにとても近く、初めて心からフォローアップできる方と出会えたなという喜びを感じたんですが、一方で“遊川さんの作品に求められているもの”プラス“自分らしさを織り込んだもの”がはたして作れるのだろうかという不安に襲われました」と明かしている。また、「曲をつけるのは早い僕も、今回は4つまったく違うメロディーのサビを作るほど慎重になってしまったのですが、ああいうメロディーにすればよかったと後悔しないように試行錯誤を繰り返しました。結局最初に作ったメロディーにもどって、自分の中でも腑に落ちた感じがしましたが……」と笑顔を見せながらも、作品作りの大変さについても言及した。

詞に関しては、「世の中には“何かを信じてがんばる”というような、がんばるほうにフォーカスをあてた曲が多いように感じているのですが、今回は“信じるということこそ努力が必要で、じつは一番大変なんだ”という思いを歌詞に込めました。実態のないものを信じることの難しさを表現しています」と。曲全体については、「サウンド自体は楽しいんですけど、よく聴くと少し暗いというか、信じることについて考えを巡らしたくなるような歌になっていると思います」と語っている。

そんな槇原の曲を聞いた尾野は、「槇原敬之さんらしい素敵な音楽だなあと思いました。この音楽と私達のドラマがどんなふうに交わるのか楽しみです。早く交わったドラマが見たいです」。江口は「夏の暑さも吹き飛ばす、頑張る人たちへのエネルギッシュな応援歌です! このドラマを盛り上げてくれる主題歌として心強く思います」とそれぞれコメントを寄せている。

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