あの熱い山下真司が再びラグビー部の監督に就任!日野自動車『ヒノノニトン』はなぜ新CMになったのか?

公開: 更新: 読みテレ
あの熱い山下真司が再びラグビー部の監督に就任!日野自動車『ヒノノニトン』はなぜ新CMになったのか?

トントントントン、ヒノノニトン
トントントントン、ヒノノニトン

この印象的なフレーズでおなじみの日野自動車『日野デュトロ』のテレビCMが4月から新しくなっている。

出演は4年以上続いた堤真一さんとリリー・フランキーさんのコンビから一新! ラグビー部の監督に扮した山下真司さんが、試合中の選手たちに「トントン拍子だ!」などとゲキを飛ばす。すると、見事勝利をおさめたチームが『日野デュトロ』を中心に歓喜の輪をつくる……という、いつも通りのシュールな展開だ(笑)。

YouTube (2677)日野デュトロ(小型)|「ヒノノニトン/ラグビー篇」

そこでテレビのことなら何でも気になる「読みテレ編集部」、今回は新しくなったこのCMに「トントントン」と迫ってみたい。答えてくれたのは日野自動車・国内事業部の加野晴也さん。

--堤真一さんとリリー・フランキーさんがご出演されていた今までのCMとは、かなり雰囲気が変わった印象です。反響はいかがですか?

「お2人には4年強にわたってご出演いただきましたので、楽しみにしている方も多く、『残念だ』というご意見も多くいただきました。しかしその反面、『インパクトがあり、斬新で良い』というご意見も多数いただいております」

--どうして変更することに?

「この4月に弊社の小型トラック『日野デュトロ』を一新しまして、その発売タイミングに合わせてCMもリニューアルしました。そして今年は日本でラグビーワールドカップが開催されますので、その相乗効果も狙い、弊社のラグビーチーム『日野レッドドルフィンズ』の実際のメンバーにも登場してもらいました」

--ラグビー部の監督と言えば、ドラマ『スクール・ウォーズ』世代には山下真司さん以外考えられませんが、やはりそれが起用の理由?

「そうですね。制作サイドもいろいろ悩んだようですが、最終的には『やはりラグビー部の監督は山下真司さん以外いない』と。ラグビーとの親和性の高さがご出演をお願いした決め手です」

©ytv (2682)

--ラグビー部の皆さんはあまり撮影に慣れていないと思いますが、順調に進みましたか?

「私たちもそれを心配し、撮影日を1日余分に確保していたのですが、山下さんのリーダーシップと演技指導のおかげで大変スムーズに撮影が進みました」

--さすが山下さん。イメージ通りの方なんですね。

「そうですね。山下さんが現場入りした直後から、本物の監督のように選手たちをまとめてくださったおかげで、予定よりずいぶん早く撮影が終了しました。ただ、選手の皆さんが少しでもカメラに映りたかったのか、ボールを持った選手への当たりが普段より厳しかったようです」

--へぇ(笑)。そういう目でCMを見直してみるとおもしろいですね。一方でこれまで通り、「トントントントン、ヒノノニトン」というフレーズは使用されています。やはりこれはハズせませんか?

「そもそもこのCMは、小型トラックを運送業としてではなく、自家用として使用されている商工自営のお客様に向けて、『日野デュトロ』の認知を拡大することにありました。そういった意味もあって、女性からお子様までを含めた幅広い層を狙ってつくったテレビCMなのです」

--なるほど。

「そこで、『日野に2トン車があることの認知を拡大したい』と広告代理店に伝えたところ、制作チームが考えくれたのがこのフレーズです。おかげで『うちの子供がトントントンって言ってるよ』『学校のプールで流行ってるらしいよ』など、お子様を起点とした拡散と認知拡大が進み、弊社の認知度も上がりましたから、やはり重要なフレーズと考えています」

--どうしていつもシュールな内容なのですか?

「当初は年2本のペースでCM制作をしており、『トントントン』の“リズム篇”とちょっとブラックな“ユーモア篇”の2方向がありました。しかし、お客様や販売会社の意見を聞くと、どうやら“リズム篇”の方が広く認知が得やすいようだと。そこで3年目からリズム篇のみの構成となりました。広告代理店には『安全機能やハイブリッドなどの環境性能も訴求して欲しい』とお願いしていると同時に、『その中でちょっとおもしろく、記憶に残るアイデアを』とお願いしております」

--会社内にはどういう反応があったんですか?

「それなりにインパクトのあるCMですから、やはり最初は賛否両論がありました。『クルマの性能がまったく伝わらない』『そもそもクルマがほとんど出てこない』など否定的な意見もありましたが、認知の拡大と共にそういった意見は減少していきました。現在は『ヒノノニトン』というブランドとして好意的に受け入れられています」

--ラグビーワールドカップの日本開催が近づくにつれ、これから国内のラグビー熱はどんどん上がっていくと思うのですが、今後も山下真司さんとラグビー部のシリーズは制作されるんですか?

「そのあたりは現在のところ、まったくの未定です。でも、これからも皆さんに気にしていただける、ユニークなCMをつくっていきたいと思います」

【文:井出 尚志】

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