あけましておめでとうございます。ことしも、よろしくお付き合いください。

さて、1月4日にお仕事に出られた方もいれば、もっと早くから働いている方、「正月休みは、取れなかった」という方もいらっしゃると思いますが、私は1月7日が「仕事初め」でした。お陰様でゆっくりと、年末年始を過ごさせていただきました。

1月7日は、「七草」の日。お正月にご馳走を食べ過ぎて荒れた胃を休めるため(?)に「七草がゆ」を食べると、子どもの頃に教わりました。そして「七草」とは、「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草」というのも祖母から教わって、今でも覚えていますね。本当は、「一年の豊作と無病息災を願うため」に七草がゆを食べるのだそうですが。この「七草」は「ななくさ」と読むのであって、決して「しちぐさ」と読んではいけないことも、冗談交じりに教わりましたね。別の意味になってしまいますから。そういう「借金」は、したくありません。

ちなみに「七草」の「1月7日」は、「五節句」の一つ、「人日(じんじつ)」の節句。「人日」とは中国の古い風習で、新年の1月1日から6日までは「獣畜」を占い、7日は「人」を占う日であるところから、そう呼ぶんだそうです。わかったような、わからないような。
「五節句」の残りの4つは、
「3月3日」=上巳(じょうし)
「5月5日」=端午(たんご)
「7月7日」=七夕(しちせき)
「9月9日」=重陽(ちょうよう)
です。「3月3日」は「桃の節句」で「ひなまつり」として定着。「5月5日」は男の子の節句、国民の祝日で「こどもの日」。「7月7日」の「七夕」は「たなばた」と読むのが普通ですね。そして「9月9日」の「重陽」とは、中国の陰陽道で「奇数」は縁起の良い「陽」の数でその最大の数「9」が「重なる」ので「陽」が重なる=「重陽」となっているのですね。この日は「菊の節句」としても知られてはいますが、残りの4つの節句に比べると、影が薄い気がします。

さて、話は戻って「お正月」。
以前は「1月11日」の「鏡開き」が過ぎて、「もう、お正月も終わりだな」と感じ、「1月15日」(=「小正月」=「成人の日」が固定されていた)で「お正月」が完全に終了という気がしていました。「お年玉付き年賀はがき」の抽選も「1月15日」でしたし。しかし「ハッピーマンデー制度」が広がって「成人の日」が「1月の第2日曜の翌日の月曜日」になり、年によって日付が異なるようになった頃(2000年)から、「お正月が、いつまでなのか」というのが、分かりにくくなった気がします。

そしてよく耳にする、
「松の内」
は、いつまでなのか?
これの定義が、いろいろあるみたいなんです。辞書を引いてみたところ、
「元日から七日、または一五日まで」(明鏡国語辞典)
「元日から7日まで、また15日まで」(デジタル大辞泉)
「元日から七日まで。古くは十五日まで」(新潮現代国語辞典)
「半日から七日まで、あるいは十五日まで」(岩波国語辞典)
「元日から七日まで。十五日までの地方もある」(三省堂国語辞典)
「元日から七日、または一五日まで」(明鏡国語辞典)
「もと元日から一五日まで、現在は七日までともする」(広辞苑)
「元日から七日までの称。古くは上方では正月一五日までをいった」(精選版日本国語大辞典)
どうやら昔は「1月15日まで」だったものが徐々に短くなって、現代では「1月7日まで」になったのかもしれませんね。

そういえば、ことしは「1月7日が始業式」だった学校も多かったとニュースで流れていましたが、私たちが小学生の頃は「1月7日まで冬休み」で、「始業式は1月8日」と、これも固定だったんだけどなあ・・・。
制度や常識は、時代と共に変わるんですねえ、と改めて・・・。

(文:道浦 俊彦)

【執筆者プロフィール】
道浦 俊彦(みちうら・としひこ)
1961年三重県生まれ。1984年読売テレビにアナウンサーとして入社。現在は報道局専門部長で『情報ライブ ミヤネ屋』でテロップや原稿のチェックを担当するかたわら、98年から日本新聞協会新聞用語懇談会委員。著書に『「ことばの雑学」放送局』(PHP文庫)、『スープのさめない距離~辞書に載らない言い回し56』(小学館)、『最新!平成ことば事情』(ぎょうせい)など。『現代用語の基礎知識』(自由国民社)では2006年版から「日本語事情」の項目を執筆している。読売テレビのホームページ上でブログ「平成ことば事情」「道浦俊彦の読書日記」を連載中。趣味は男声合唱、読書、テニス、サッカー、飲酒(ワイン他)など。スペイン好き。

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