佐久間宣行が企画を作り続ける理由「“見せたい”より“見たい”」【わたしのTVerマイリスト第1回】

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自分の好きな番組を、好きな時、好きな場所、好きなデバイス(PC、スマホ、タブレット)で自由に視聴できる民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」。見逃したドラマや、もう一度見たいバラエティなど、番組放送終了後から約7日間無料で見放題ということもあり、多くの人に利用されています。

そんなTVerで「利便性が高い!」と注目されているのが「マイリスト機能」です。番組アイコン上にあるハートマークをタップorクリックするだけで、自身のお気に入り番組が登録されてリスト化。最新回が「配信中」欄に表示されるため、見逃しを防ぎます。また、途中で視聴をやめた番組も「視聴中」欄から閲覧可能、さらに番組ページに掲載されている好きな出演者をマイリスト登録(ハートマークを押す)しておけば、「番組情報」にその出演者が出演している番組が表示されるなど、「マイリスト機能」を駆使すれば、便利にTVerを使いこなすことができるのです。

本インタビュー連載では、日ごろからTVerを利用している著名人の「マイリスト」を見せてもらい、どんな番組を楽しんでいるのか、見どころや評価のポイントを尋ねます。

記念すべき第1回目はテレビプロデューサーの佐久間宣行さん。1999年にテレビ東京に入社後、番組の演出家・プロデューサーとして『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『考えすぎちゃん』(Paravi)などを担当、さらには『佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)』(ニッポン放送)でラジオパーソナリティにも挑戦し、話題を集めました。今年4月には同社を退社。フリーランスとなると、『ハライチのYAMi』(smash.)や、7月にはYouTubeで新チャンネル『佐久間宣行のnobrock TV』を立ち上げるなど、多方面で活躍しています。

自身のSNSでは、テレビ、映画、舞台と、さまざまなコンテンツを視聴していると明かしている佐久間さん。そんな彼の「マイリスト」には、どんな番組が登録されているのでしょうか? 佐久間さんならではの目線でTVerを語っていただくのはもちろん、仕事への信念や、担当する番組への思いについても迫りました。

<佐久間さんの主なマイリスト一覧>

■『有吉の壁』(日本テレビ系、毎週水曜19:00~)
有吉弘行が、芸人たちの「壁」となって立ちはだかる純度100%の新時代お笑い番組。出演芸人は、さまざまなシチュエーションで芸を披露し、有吉が判定を行う。本番組の企画「ブレイク芸人選手権」では、TT兄弟(チョコレートプラネット)やKOUGU維新(きつね)など、人気キャラを多数生み出した。

【佐久間さんコメント】
スピンオフでYouTubeをやっているなど、いろいろなコンテンツが出ているので、好みで見ています。あとは、同じ発注を芸人さんにするわけにはいかないので、たまに見ておかないと、企画が被ってしまうことがあるんです。僕がやっている『ゴッドタン』や『あちこちオードリー』ではあまり被ることはないんですけど、それでもネタ系の番組は見ておくという感じですね。

■『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』(中京テレビ、毎週月曜深夜/日本テレビ、毎週木曜深夜)
オードリー(若林正恭春日俊彰)が、視聴者から寄せられた気になるクチコミを選出し、実際にスタジオに呼んでトークを行う。特技披露、悩み、自慢したいことなど、視聴者とオードリーとのやりとりが爆笑を生むバラエティ。

【佐久間さんコメント】
もともと地方の番組で録画できなかったので(2019年より日本テレビでも放送開始)TVerで見ています。一般の方に対するオードリーのイジりが好きなんです。

■『探偵!ナイトスクープ』(ABCテレビ、毎週金曜23:17~)
視聴者から寄せられた依頼に基づき、ダウンタウン松本人志探偵局長が部下の探偵を派遣。依頼主である視聴者とともに調査した結果をスタジオで見守る。関西で30年以上続く人気番組で、時を経て今なお語り継がれる名作VTRも多い。

【佐久間さんコメント】
TOKYO MXで見ることが多かったんですが、配信されるようになってからは、TVerで見ています。相変わらずVTRのクオリティは高いので楽しんで見ていますね。リアルタイムで見ることができない分、忙しいと見逃してしまうんですが、ネットで「今回の3本目だけは見た方がいい」とか感想が出ていると、“それだけでも見てみよう”って感じで見ています。

■『テレビ千鳥』(テレビ朝日系、毎週日曜22:25~)
千鳥(大悟ノブ)が、毎週“濃い”企画に挑戦するバラエティ。収録中に企画が生み出されることも多く、2人でしかできない笑いを生み出している。深夜時代から人気を博しており、傑作回が収録されたDVDも発売中。

【佐久間さんコメント】
(登録しているのは)単純に千鳥が好きだからですね。特に千鳥とオードリーの番組は(マイリストに)登録しています。『テレビ千鳥』は、意外に“お笑いお笑い”していない回が好きです。僕は千鳥とお笑い番組(『キングちゃん』テレビ東京系)をやっていたので、千鳥の“お笑い”の部分がどれだけ面白いのかは知っている。だから、そうではない、ゆるい回とか、千鳥の力量で面白くしている回は、僕のやらない引き出しなので、好きだなと思います。

■『マツコの知らない世界』(TBS系、毎週火曜20:57~)
マツコ・デラックスも“知らない世界”を、その道を愛してやまないスペシャリストが紹介していくバラエティ。ゲストごとに繰り広げられる独自の世界観と、自然体のマツコだからこそできる鋭いツッコミが見どころ。

【佐久間さんコメント】
情報番組としてすごくレベルが高いなと思います。もちろん、他の情報番組もしっかりやっているとは思いますが、ほかの番組よりも、1個の情報の深さと精度が『マツコの知らない世界』が抜けている感じがして。全部見ているわけではないですけど、TVerのサムネイルでネタを確認して、興味があれば見るという感じです。

■『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系、毎週火曜23:15~)
ロンドンブーツ1号2号田村淳田村亮)がMCを務める人気バラエティ。1999年から放送されており、ドッキリ、格付け、スポーツテスト、奇跡の1枚など数々の人気企画を生み出している。

【佐久間さんコメント】
昔から見ている番組ですからね。もともと録画して見る習慣があったので、録画の方を見ることもあります。

――基本的にどういうときにマイリストを使っていらっしゃいますか?

そのときに放送されている見たいドラマや、TVerでやっている過去の名作ドラマ特集に入っている作品を登録することが多いです。でも、ドラマの場合は、ランキングに上がってくることが多いので、そこからクリックして見る場合が多いです。マイリストに入れているのは、ランキングに上がってこなさそうだけど、僕が好きな番組(笑)。逆に、人気のバラエティで、TVerのランキングに上がってきそうな番組は、マイリストに入れなくても、TVerをのぞけば出てくるなとも思いますね。

――マイリストに登録した番組を外すことはありますか?

マイリストは数を絞っておきたいんです。YouTubeのチャンネル登録やTwitterのフォローもそういうタイプで、ある程度に収めておかないと把握できないタイプで……。マイリストも同じく、厳選して入れ替えたいので外します。自分のキャパがあって、それを超えると“もう無理だな”というのが、なんとなくあるんです。

――マイリストに挙げていただいた『探偵!ナイトスクープ』や『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。』など、普段見られない地方制作の番組も、TVerで見られる特権がありますよね。

そうですね。マイリストに登録しているわけではないですけど『ウラマヨ!』(関西テレビ/ブラックマヨネーズMCの番組)とかは見るかな。話題になった回はすぐに見られるのでいいかなと思います。

――そのほか気になる番組はございますか?

最近、TVerで『水曜日のダウンタウン』(TBS系)を見られるようになったのは嬉しいです。あと、単純に自分の番組を見返すときにTVerの方が楽なんです(笑)。『あちこちオードリー』をオンエアしたあと、感想を見ていて“そういうふうに受け取られているんだ”って思ったとき、TVerだと楽に見返せるんです。

――TVerでほかの番組を見る際、制作目線を持たれることはあるんですか?

まったくないです。僕の欲がないところかもしれないですけど、他人の番組を見て、勉強する気はさらさらなくて、本当に番組が好きで見ているだけなんです。“だから自分の番組に成長がないんじゃないか”って思います(笑)。

――佐久間さんは、TVerを含むコンテンツを移動時間などを駆使してご覧になっていると聞いたことがあります。

最近はリモートが増えたので、宿題がなければ、合間にパソコンで見ることはあります。あと、よっぽど追い込まれていない限りは、夜中の12時か1時で仕事を打ち切るようにしていて、(テレビや映画などを)3時まで見るって決めているんです。

収録やロケがあるときは別ですけど、会議は10時からしか入れないので、3時か4時の間に寝ると、6時間は眠れるからいいやって。だから、午前中は対面の会議を入れないようにしています(笑)。

(スケジュールとしては)9時半に起きて準備して、10時から会議して、お昼ご飯を挟んで外の仕事に行くという感じです。そういうのもあって、フリーになってもマネージメントを入れてないんです。なぜなら、勝手に仕事を入れられるから(笑)。だって「どうしても見たい映画があるから仕事したくない!」って言えないじゃないですか。公開が終わってしまう映画があったら仕事は入れたくないですから。

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