山之内すず

浅川梨奈さん、飯島寛騎さんがW主演を務めるHuluオリジナル『悪魔とラブソング』(全8話)が、現在Huluで全話一挙独占配信中。同作で、友達の顔色をうかがいながら生活している気弱な女子高生・甲坂友世役を演じているのが、山之内すずさんです。

ドラマは、集英社の少女マンガ誌「マーガレット」とHuluがタッグを組んだ恋愛ドラマシリーズ「マーガレット Love Stories」の第2弾。美しい歌声と美貌を持ちながらも、言葉を飾らず常に本音を話してしまうがゆえに、周囲から孤立する主人公・可愛マリア(浅川)が、自分とも友達とも本気で向き合うことを避けてきた同級生たちの日常をぶち壊し、絆を築いていく青春群像劇です。

マリアとの出会いをきっかけに自分自身と向き合い、成長していく友世をどのような思いで演じたのか。「幸せな現場だった」と笑顔をこぼす山之内さんに、撮影の日々を振り返っていただきました。

――友世の人物像をどのように捉えて、どう演じられましたか?

友世の性格は自分に似ているところがあって、共感できるキャラクターでした。なので、友世の内面について考えるのは難しくなかったんですけど、友世はどのキャラクターよりも起伏が激しいというか。いじめられているところから始まって、自分の感情を爆発させて、そのあと、なぜか毒舌を吐くキャラになるっていう(笑)。すごくおもしろい子だと思うし、原作を読ませていただいた時に、一番好きなキャラクターでもありました。

ふだんは自分の“陰”の部分をあまりメディアでは出していないからこそ、共感できる“陰”の部分を友世として表現できたことが楽しかったですね。それに何より、みなさんがすごく優しくて。わからないことがたくさんあって、監督にも共演者の方にも、いろいろと教えてもらいながら撮影していたんですけど、友世として本当に学園生活を送っているような感覚でした。高校の3年間を、撮影の2か月にギュッとした、みたいな(笑)。本当に濃い時間を過ごせたなと思います。

――第1話、第2話では、とくに陰の部分を意識する芝居になったかと思います。演じる際に、気持ちが引っ張られるようなことも?

それが、逆にすごくスッキリしました。私自身、ちょっと不安な部分もあったんです。無理をしてヘラヘラしているようなキャラクターなんですけど、自分もそこに通ずるところがあるので、どうだろう……って。でも、とくに第2話のマリアに感情を爆発させるシーンは、全体の撮影を通しても一番楽しく表現できました。自分の感情を一緒に出すことができて、気持ちよかったです。

――マリアとの出会いを機に、友世の生活は大きく変わります。友世にとって、マリアはどんな存在だと思いますか?

それまでの友世は、自分が本心で人と向き合っていないからこそ、周りの人たちも本心で向き合ってくれなかったんだと思います。マリアは、そういう友世の足りなかった部分を埋めてくれる存在で、友世のことを思っていろいろなことを言ってくれる。友世みたいな子にマリアは必要だし、友世を通して、自分自身に言われているような気もしました。その瞬間に出会うべくして出会った二人だと思いますし、私も、あのタイミングで(マリアを演じる浅川)梨奈さんに出会えてよかったなと。友世にとっても、私自身にとっても、絶対に必要だった素敵な出会いだと思います。

――なかでも、とくに響いた台詞があれば教えてください。

第3話で、神田(奥野壮)が仲間はずれにされるようなシーンで、マリアがクラスメイトにかけた言葉です。自分が悪者になってでも、友達の関係を埋めようとしてあげるマリアの不器用な優しさがあって、そこでマリアが誰より優しい子なんだと感じました。マリアは、本当に的を射たことしか言わないので、目黒(飯島)にかける言葉も、神田にかける言葉も、友世にかける言葉も全部、誰かの胸に届くと思います。

――ちなみに山之内さんが、もし実際にマリアのように物事をストレートに言ってくれる人に出会ったら?

実は、もう出会ったんですよ。私も「適当にしてれば、その場を乗り越えられる」と思っちゃうタイプで、それによって自分自身が辛くなることもあったし、みんなみたいに上手に感情を出せないって悩むこともあったんです。でも、マリアほどストレートな言葉じゃないけど、今まで言ってもらえなかったような視点から、ド直球で私の悪いところといいところを伝えてもらったことで、今の自分のいいところ、悪いところを認められるようになりました。

――それはいつ頃の出来事ですか?

本当に最近のことで、18歳の頃ですかね。考え方がガラッと変わりました。根本を変えられたから、そこに基づく全部が変わったというか。物事を前向きに考えられるようになりました。自分が本気になっていないから、諦められないことってたくさんあると思うんですよ。「自分が何もしていないから仕方ない」って、逃げがあるじゃないですか。でも、向き合うことですごくスッキリするし、そのほうがやっぱり人生が楽しそうだなって。このドラマを通して、改めて私も自分がやってきたことは間違いじゃなかったと思えたし、友世とリンクすることは本当にたくさんありましたね。

――先日行われた配信イベントの冒頭で、浅川さんが「お仕事の都合で来られなかった山之内すずちゃんの分まで、楽しんでいけたら」とお話されていて、その一言でいい現場だったんだなと伝わってきました。

そうなんですよー、本当にいろいろなことを話しました。マリアという役柄もあって、最初、梨奈さんは一人でいたんです。それは、しっかりと役作りされているからなんでしょうけど、すごくクールな方だと思っていました。でも、二人のシーンがあったことをきっかけにお話するようになったら、「すず、すず~!!」って呼んでくれて、犬みたいな方です(笑)。これまで、あまり現場で共演者の方と仲良くなることがなかったんですけど、この現場にはなんでも聞いてくれるお兄ちゃんとお姉ちゃんがたくさんいました。私が最年少だったので、プライベートのことも、作品のことも、たくさんお話して、みんなで川の字になって寝たりもしました(笑)。

――合宿所みたいな(笑)。

ほんとに(笑)。スタイリストさんがベンチコートで枕を作ってくれて、みんなで雑魚寝して、起きてお喋りして。何をするにも楽しかったですね。私はわりと周りに気を使っちゃうほうなんですけど、すごく自由に、ラクにいられました。それが、私の中ではすごく大きかったし、「恵まれた現場だな」とみんなが言っていました。作品自体も素晴らしいですし、環境も素晴らしすぎて、「みんな大好きだ!!」と思いながら撮影していました。

――たくさんのいい出会いがある現場だったんですね。

役柄との出会いもあるし、みなさんとの出会いもあるし、本当に幸せな現場でした。

――ありがとうございます。では最後に、ドラマの見どころをお願いします。

いろいろな視点で描かれているので、きっとみんなが誰かに共感できる、感情移入して見られる作品になっていると思います。友世がマリアと出会ったことがきっかけで変われたように、この作品に出会ったことで大きく変わる人がいる、と思えるくらいの素敵な言葉、そして音楽が詰まった作品です。今の時代だからこそある、ありふれた悩みが描かれているので、今、学生生活を送っている方にも、学生生活を終えた方にも、恋愛ものが得意じゃない方にも、幅広く響くヒューマンドラマになっていると思います。

(取材・撮影:nakamura omame)

この記事のライター

nakamura omame

制作会社、WEBサイト編集部、長めの専業主婦期を経てフリーライターに。仕事のモットーは“誰も傷つけない、愛のある原稿に仕上げること”。保育士資格を所有するも、自身の生活にはまったく活かせていない2児の母。滞りなく“テレビっ子”になりつつある小学生の息子たちとともに、日々成長中。

民放各局が制作した番組を中心に、常時約350コンテンツをすべて無料で配信している民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」では、7月19日(月)から8月29日(日)に「TVerフェス!SUMMER2021」を開催する。

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