民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」では現在、「小栗旬ドラマ特集」と題して、『東京DOGS』(フジテレビ系/2009年)から、『BORDER 贖罪』(テレビ朝日系/2017年)まで小栗が過去に出演した作品を配信中。日本では5月公開の『ゴジラvsコング』でハリウッドデビューを果たし、2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主演も決まった小栗の演技を堪能できる6作品が揃っている。これらの出演ドラマを通じて、常に第一線で活躍し続ける小栗の俳優としての魅力を紐解いていく。

1998年に本格的な俳優デビューを果たした小栗は、ポップなラブコメディから重厚な時代劇まで、作品に合わせて変幻自在に役を演じることのできる実力派俳優としての地位を確固。年齢を重ねるごとに実年齢に則した大人の役も増え、映画『銀魂』の福田雄一が脚本を担当したドラマ『東京DOGS』では、父を殺した犯人を追うクールなNY市警のエリート刑事・高倉奏を好演。タブルのスーツで拳銃を構える小栗の佇まいはとても様になっており、水嶋ヒロ演じる無精髭でラフな相棒・工藤マルオとの対比も見どころとなっている。

金城一紀のオリジナル脚本が話題となった2014年の刑事ドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』(テレビ朝日系)では、演じた死者と対話する能力を身につけた刑事・石川安吾を演じた。金城が小栗を念頭に置いて生み出したキャラクターで、当時31歳の小栗の色気と相まって、深みのある人物に仕上がっている。

イリーガルな捜査もいとわず、情熱を内に秘めながらクレバーに犯人を追い詰めていく石川の物語は、“絶対的な悪”と対峙した最終話のラストシーンが大きな話題となり、2017年には続編となるスペシャルドラマ『BORDER 贖罪』も放送。最終話の続きがそのまま描かれ、“ボーダーライン”を超えてしまった石川の前に、新たな死者が現れて犯人の逮捕を訴える。

また、同年の『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(カンテレ・フジテレビ系)では、テロリストや軍事スパイといった国家を揺るがす危機に対応する公安機動捜査隊特捜班の稲見朗を演じ、西島秀俊演じる元公安の捜査員・田丸三郎とバディを組んだ。本作は『BORDER』と同じく金城が脚本を担当。ある出来事がきっかけで心の傷を負い、それ故に明るく務める稲見は、一夜を共にした女性の部屋から現場に直行するなど、女性関係に奔放で、『BORDER』の石川とはまた異なるキャラクターを魅力的に演じた。

さらに、小栗の演技の幅広さを示したのが2010年の『獣医ドリトル』(TBS系)だ。本作で小栗は、口が悪くて金には汚いが腕は確かな獣医の鳥取健一という癖のあるキャラクターを体現。トレードマークでもあるシルバーフレームのメガネをかけながら、自分の信念に基づいて動物たちの治療を行う鳥取と仲間たちの繰り広げるストーリーは、大きな感動を呼んだ。

そして、アクションが冴え渡る刑事ドラマや、見る者の心を打つ医療ドラマの他に、小栗の出演作の中で忘れてはならないのが、恋愛ドラマだ。これまで数多くの恋愛ドラマに出演してきた小栗だが、石原さとみと共演した2012年の『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)は特に注目を集め、2013年には続編となるスペシャルドラマ『リッチマン、プアウーマン in ニューヨーク』も制作された。本作も、本編同様にお仕事ドラマとしての要素を含んでおり、小栗演じるベンチャーIT企業の社長・日向徹がNYで仕事に奮闘する姿は、役者の枠を超えて幅広い活動を行っている現在の小栗本人を彷彿とさせる。

もちろん、石原演じる夏井真琴との恋物語も必見。2人のNYでのデートはこれ以上ないほど決まっており、雨の降る街中で抱きしめ合うシーンは序盤のハイライトの一つ。本作では様々な試練が2人を襲い、日向と真琴は経営者と労働者の立場から対立してしまう。後半では、紆余曲折あった2人の関係がどのように決着するのかに焦点が絞られていく。

見る者を引きつけ、同業者からも称賛される演技力を持つ小栗の魅力がいかんなく発揮されたこれらの6作品。いまこそ、日本を代表する俳優となりつつある彼の軌跡を辿ってみてはいかがだろう。

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