人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.22は、Huluで配信中のドラマ『マイルノビッチ』で、主演の木下まいる(桜井日奈子)と恋仲の高校生・工藤成太朗役を務める伊藤あさひさんが登場します。
伊藤さんは、2018年に放送された『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(テレビ朝日系)の主演・夜野魁利(ルパンレッド)で大ブレイク。その後も、『高嶺と花』(FOD)でイタリア人、『連続テレビ小説 エール』(NHK)では高校球児など、多種多様な役どころを演じています。
そして今回、『マイルノビッチ』で挑んでいるのが、爽やかなスポーツマン・成太朗。「ハツラツさを意識しています」というように、キラキラした男の子を快活に演じています。共演する桜井さんとも「サバサバしていて喋りやすい方」と息ぴったり。作品を通して「足踏みしている人の後押しができたら」と“意気込み”もバッチリです。
お話を聞いている最中も不思議な魅力が溢れでる伊藤さんに、好きなテレビ番組や“役者”としての信念について質問。注目度抜群の若手俳優の内面を紐解くと、そこには努力を惜しまないストイックな姿がありました。
――学生時代、よく見ていたテレビ番組は?
小学校高学年とか中学生になると、次の日話題にもなりますし、よくテレビは見ていました。その中でも『世界の果てまでイッテQ!』とか、旅番組、お笑い番組が好きでした。ドラマだと『マルモのおきて』や『ROOKIES』。特に野球をやっていたのもあって『ROOKIES』はバイブル的な作品です。
――今見ているテレビ番組はありますか?
『東野・岡村の旅猿~プライベートでごめんなさい~』ですね。肩の力を抜いてラクな気持ちで見られるところが好きです。もともと千鳥さんが好きなので、お二人が参加された「山梨県でグランピングの旅」も面白かったですし、満島ひかりさんが出られていた「高知・四万十川の旅」は景色がキレイで見惚れてしまいました。
――基本的にリラックスして見られる番組がお好きなんですね。
BSプレミアムでやっているような、世界の山々とか海の中をずっと映している映像が好きで見ちゃうんですね。“景色キレイだなぁ”“こんな動物いるんだ~”って(笑)。
――影響を受けたエンタメ業界の方はいらっしゃいますか?
人柄もそうですし、ドラマや映画で演じていらっしゃるのを見て、岡田将生さんに影響を受けました。
――役者をするにあたって大切にしている軸や信念を教えてください。
“何でもチャレンジだな”と思ってこの世界に入ったので、演じるときは振り切って、やれるところまでやってみようという気持ちはあります。足踏みしたってしょうがないので、できなくても、とりあえずやってみるのが大事だなって。
――たとえば、演じるのに困難な役が来たとしても受けてみると。
そうですね、やるしかないです(笑)。演じてみることで、自分との化学反応を楽しめるのが、面白いところだと思います。
――役者の中には楽しみながら演じている人と、苦悩しながら役と向き合う方がいらっしゃいますが、伊藤さんはどちらのタイプですか?
チャレンジ精神の部分にも繋がりますが、僕は楽しんでやっているタイプですね。
――実際俳優になって、イメージしていた役者像との違いはありましたか?
ちゃんと一歩ずつやっていかないといけない世界だなって思います。キラキラした場所だと思っている方もいるかもしれないですけど、甘くないところもあります。あまり夢を壊すようなことは言いたくないですけど(笑)。
――(笑)。悲観しているわけではなく、楽しくワクワクするところもありつつも、そういう側面もあるということですよね。
そうです(笑)。
――芸能界に入って数年が経ちましたが、心境の変化はありますか?
最近になって周りが就職やインターンをするようになって、“もうそんな年齢か”と思うようになりました。目まぐるしく状況が変わる中で、やりがいを持ってやれているので楽しいですし、同世代の方より、1年が短く感じているのかもしれません。マインド的には、もう後ろを向く必要はないのかなって。これからもチャレンジ精神をもってやっていきたいです。
――ご自身が考える“伊藤あさひの魅力”や個性はどんなところにあると思いますか?
努力できるところは努力して突き詰めたいと考えているので、そこを期待してくれる方がいればいいなって思います。
――野球をやられていたとおっしゃっていましたが、昔からコツコツ努力するタイプだったのですか?
“やったことは自分に返ってくる”という言葉を信じているタイプなので、何もしていなければ絶対に悪い方向に行っちゃうし、逆に正しくなくても何かのために頑張っていれば、いつかそれが返ってくるんじゃないかなって。そこを信じてやっています。
(取材・文:浜瀬将樹)