なにわ男子・大西流星、ファンと大倉忠義に誓う俳優としての成長「ちょっとでも恩返しになれば」『夢中さ、きみに。』インタビュー

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大西流星さん(なにわ男子関西ジャニーズJr.)が主演するドラマ特区『夢中さ、きみに。』(MBS、毎週木曜24:59~ tvk、毎週木曜23:00~他)が、2021年1月7日よりスタートします。

原作は、和山やまの大人気コミック。一見無駄と思われる行為を愛し、ミステリアスな魅力を持つ林美良(大西)と、中学校のときにモテすぎた反動で、平穏な日常を求めて“逆・高校デビュー”を果たした二階堂明(高橋文哉)を中心に、高校生の淡々とした日常を描く異色の青春群像劇です。

大西さんが演じる林は、誰もがなぜか“夢中”になってしまう不思議な魅力を持つキャラクター。ふだんアイドルとして活躍する大西さんが、キラキラを封印して挑む本作への思いとは? ドラマ単独初主演となる本作への意気込み、そして演じることの魅力を語ってくれました。

――原作と台本を読んだ印象はいかがでしたか?

題名を聞いて「甘酸っぱい青春物語なんかな」と想像していたんですよ。“夢中さ、きみに!”みたいな。でも、実際に原作を読んでみたら、なんともいえない独特の世界観で(笑)。堂々とボケるというよりは、クスッと笑える、狙いにいっていない笑いが散りばめられていて、めちゃくちゃおもしろい作品だなと思いました。

――今回はグループではなく、単独主演ですね。

ここ数日メンバーと会っていないだけで、違和感があったり、寂しかったりもするんですよ。でも、今までにやったことのない役柄や現場なので、ワクワク感もすごくて。主演ですけど、キャストのみなさんも同世代の子たちが多いので、本当のクラスメイトのように休憩中はわちゃわちゃしたりしています。まだ撮影3日目(取材当時)なんですけど、みなさんに支えられて、これからがんばっていけそうだなと思っています。

メンバーもすごく応援してくれているので、放送を楽しみにしてほしいなと思いますね。「恋愛のシーンとかあるん?」って、めっちゃ聞いてきたんですよ。大橋(和也)くんとか、大ちゃん(西畑大吾)とか(笑)。「ハグとかするん?」と聞かれて、「まぁまぁまぁ」って濁したらニヤニヤしてたので、いい意味で裏切れるかなっていう(笑)。反応も楽しみですね。

――主演ということについて、メンバーから何か言われましたか?

この作品のお話を聞いたのは、メンバーと一緒にいるタイミングだったんです。なにわ男子の配信コンサート前日かな? 通し稽古の前に、大倉(忠義)くんから「打ち合わせ」と言われて集められて、いろんな話をしている中で、企画書をみんなの前で渡してもらって。その時に自分も初めて知りました。なにわ男子主演の『メンズ校』(テレビ東京系)に続いて演技に挑戦できるっていうのが、すごく嬉しかったですね。メンバーも「おめでとう」と言ってくれたし、励みになりました。

――林という人物をどう捉えて役作りをしていますか?

本当に変わった子で、今までに林くんみたいな子は見たことがないんです(笑)。高校生なのにずば抜けて大人な感じで、目が据わってるというか、(原作の表紙を眺めながら)いい意味で変わらないんですよね。アイドルの時にはキラキラさせようと思ってるんですど(笑)、しっかりオフにして目の力を抜いています。それに、そんな無表情のシーンがあるからこそ、クスッと笑ったシーンとかが映えてくると思うんです。そういう場面ではしっかりテンションをあげて、引き立つように考えました。

(役作りについては)等身大の気持ちでいきたかったけど、自分と重なる部分があまりないので、本当にゼロから作り上げていく感じでした。「こういう風にしよう!」と思いすぎると“作っている感じ”が出ちゃうので、台詞の言い回しとかは“ナチュラル”を意識しました。

――ふだんのご自身を役に活かせる部分はありそうですか?

メンバーがわちゃわちゃしてるのを俯瞰で見て笑っていることも多いので、落ち着きぶりとか、一歩引いてる感じは、“林くんみ”があるのかなと思います。ただ、林くんは本当にあざとくないんですよ。ある意味、自分に自信があって、嫌われてもいいと思っている。でも、嫌いにはなれないような存在なので、尊敬しちゃいますね……アイドルとしては(笑)。林くんから吸収して、いいところはアイドルにも活かしたいなと思います(笑)。

――俳優は、アイドルとアプローチの仕方が違うと思います。そのあたりはどう感じていますか?

めちゃくちゃ楽しいですね。私生活では怒られるようなことでも、役を通してなら「いいね」と言われたり、ふだんできないことに挑戦できたりという面では、めちゃくちゃワクワクします。アイドルの仕事も楽しんでいますけど、「どうやったら1ミリでもキラキラできるか」と考えるので、(俳優とアイドルは)本当に別ですね。演技のお仕事も、もっともっとやりたいなと思います。

――キラキラは封印するのですか?

封印しました(笑)。狙いにいくキラキラじゃなくて、つい出ちゃう言動とか、おっちょこちょいな部分の可愛さが林くんの良いところでもあるので、狙わない、欲しがらない。キラキラには、しっかりとフタをしました(笑)。

――印象的だったシーンはありますか?

焼き芋を食べるシーンです。最近めちゃくちゃ焼き芋にハマってるんですけど(笑)、いいところの焼き芋をお取り寄せしてくださったみたいで。本当にホクホクの温かい焼き芋を無邪気にバクバク食べるシーンは、幸せでしかない時間でした。そこは素が出ていると思います(笑)。その日が撮影初日だったので、めちゃくちゃ素敵なクランクインを飾らせていただきました。1日で4本くらい食べたんですよ。その日はお弁当もありましたけど、サツマイモのために控えました(笑)。

――監督は、『アンナチュラル』や『グランメゾン東京』(ともにTBS系)などを手掛けた塚原あゆ子さんです。

本読みの時から本当に的確なアドバイスをくださって、「もっとこうしないといけないな」と、良い意味で課題が残りました。撮影の時も、毎回毎回モニター前から走ってきて「今のよかったよ」とか「もうちょっとここ詰めて」とか、しっかり言ってくださるんですよね。本当にワンシーンワンシーン、一言一言、塚原さんから勉強させていただいています。“できる大人”みたいな雰囲気もプンプンしているので、背中を見ながらすごくかっこいいな、と思っています。

――林は一見無駄だと思われることを楽しむ人ですが、大西さんは無駄なことをするタイプですか?

今日は9時入りだったんですけど、起きたのが出発20分前。普通は、そこから髪の毛を濡らして、ドライヤーして……って始まるじゃないですか。なのに、謎の余裕でパックを始めて(笑)。寝ぼけていたのかもしれないですけど、スチーマーまでしていたんですよ。めっちゃゆっくり過ごしていて、5分前になって「あっ、やばいやばいやばい」と(苦笑)。無駄ではないかもしれないけど、「今せんでいいやろ」ということをしてしまうことが多いです。1時間前とかに起きても、ゆったり過ごして結局10分前とかに焦り出すパターン。追い込まれたほうが、力を発揮できる感じがします(笑)。

――ドラマでは林のささやかな幸せが描かれますが、大西さんにとってのささやかな幸せは何ですか?

もちろんドラマの撮影現場で素敵なキャストさんと演技させていただくことは一番の幸せですけど、小さな幸せかぁ……あ、たまに家族から送られてくる猫ちゃんの画像です。

僕のベッドの枕で寝てくれている画像が送られてくると、「忘れないでくれているんだな」って毎日眺めちゃいますね。これまでは大阪で仕事をしたら、兵庫の家に帰ってギューッとしていたんです。今はその時間がなくなってしまったけど、これまでに撮った動画とか、送られてきた画像でしっかり癒やされて、快眠です。名前はひらがなで“とき”くん。3歳のスコティッシュフォールド。折れ耳の猫ちゃんです。

――ドラマを通して、成長ぶりを見てもらいたい方はいますか?

ファンのみなさんが第一です。初めてドラマに出させていただいて以降、ミュージカルやいろんなことを経験させていただいて、今回初主演。ファンの方も喜んでくださったし、反響も大きかったので、ちょっとでも恩返しになればいいなって。「もっともっと大西くんを知りたいな」と思ってもらえるように、本当に夢中になっていただけるように、一個一個のシーンを大事に撮っていきたいと思います。

あとは大倉さんですかね。なにわ男子をプロデュースしてくださっていて、「頑張ってね」などたくさんメールをくれるのでがんばりたいなと思います!

(取材:勝浦阿津希)

<第1話あらすじ>
都内の名門女子高に通う松屋めぐみ(福本莉子)は読書が趣味で、本の世界に浸っているときが何よりも幸せを感じる「小説オタク」。SNSのオタク用アカウントの読書感想の投稿に、「仮釈放」というアカウントから返事がくる。しかし、そのアカウントに投稿されているのは、拾い文字を集めた単語の画像のみ。投稿内容はくだらないが、何故か心が惹かれ……。そして、同じ街に住んでいることに気づいた松屋は少し心が躍るのだった。ある日、街で偶然にも「仮釈放」さんを発見……その人物こそが、林美良(大西)だった。

関わると必ず不吉な目に合うと、学園で都市伝説化されている二階堂明(高橋)。席替えで、そんな二階堂の前の席になってしまった目高優一(坂東龍汰)は、事もあろうか掃除当番まで二階堂とペアになってしまう。吹っ切れた目高は、恐る恐る話しかけてみることに。そしてある日、小学校の同級生・佐藤みのる(横田真悠)と再会し、二階堂にまつわる、ある事実を聞かされるのだった。

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