竹内涼真、玉山鉄二との共演で熱さを体感「同じ志でいてくださる」

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竹内涼真さんが主演を務めるHuluオリジナル『君と世界が終わる日に』 Season3が、2月25日よりHuluにて独占配信されています。

ゴーレムと呼ばれるゾンビに占拠された死と隣り合わせの“終末世界”を舞台に、主人公・間宮響(竹内)と恋人・小笠原来美(中条あやみ)らが、生き残りを懸けた闘いに身を投じる極限のゾンビサバイバル。

Season3となる今回は、ゴーレム・ウイルスに感染しながらも響との子供を身ごもった来美が、謎の集団“X”のカイ(キム・ジェヒョン)と共に姿を消して10か月後の物語。響と三原結月(横溝菜帆)は、来美が生きていると信じ、その行方を追う中で、宗教団体「光の紋章」と出会う。教祖・ワンティーティ(玉山鉄二)は、ゴーレムに噛まれても感染しないと言うが……。

シーズンを重ねるごとに進化を遂げ、日本ドラマ界の新たな指標となる本作に挑む竹内さんは、現在、どんな心境でいるのか、撮影中の竹内さんにインタビューを行いました。どんな質問に対しても真摯に答える彼の回答には、魂がこもっていて、作品にかける熱き思いを感じられました。

――2021年より響を演じていらっしゃいます。役づくりとして心がけていることは?

Season3の台本を読んで、間宮響の目的は何かということを考えました。今回、結月と旅に出ますが、結局、来美を追い求める日々になるわけで……。人に裏切られたり、離ればなれになったりする中、“なぜそこまでして彼女にこだわるのか”という思いで台本を読んだとき、彼は幼少期に間宮響という人間を形成するうえで、母親を亡くし、父親もいなくなって、(両親から)しっかり愛情をもらったっていう感覚が薄いんだと思うんです。小さい時に経験したことやトラウマが大人になっても残ってしまうことがあるように、彼は、“愛してもらうため”に来美を追い続けているのかなという解釈に至りました。

――確かに響が来美にこだわる理由はそこかもしれませんね。

彼女に愛してもらうことで、自分の存在価値・存在意義が見出されると思っているんでしょうね。だからこそ、あそこまで彼女に優しくできるし、彼女を追うことができる。もちろん“生きたい”という気持ちはあるけど「生きてどうしたいの?」って言われたら、来美に会って愛してもらいたい。そのために本能的に動いているのだという考えに至りました。

――Season1、2通して印象に残っているシーンを教えてください。

Season2の1話で、ゴーレムの発作が起きた来美が「あなたは逃げていいから」と言うシーンがあるんですけど、僕はあのシーンがすごく好きで。

そのシーンの撮影中、中条さんが自分の中でしっくりきていなかったらしいんです。何回かトライしたあとOKが出たんですけど、中条さんが「もう1回やらせてください」と言ったんですね。その貪欲さを見たときにすごく嬉しくなって。もちろんシーン的には成立していたんですけど、いざもう1回やってみたら、もっといいものができて……。ああいった瞬間に立ち会えたのは嬉しかったです。

Season3で響の前に立ちはだかるのは、玉山鉄二さん演じる噛まれても感染しないという宗教団体教祖
Season3で響の前に立ちはだかるのは、玉山鉄二さん演じる噛まれても感染しないという宗教団体教祖

――今回Season3に突入ですが、現在の心境は?

この前、舞台をやったときに稽古期間の大事さに気付かされたというか。1、2のときも、もっと時間をかけて監督やプロデューサーのみなさんと相談しながら準備をすれば、よりよくなったんじゃないかと思ったんです。どの仕事もそうですが、準備万端でいると、いろいろなハプニングにも対応できますよね。

ただ、2までやっていると(共演者やスタッフの)会話のテンポや言葉のニュアンスなどもだんだん分かってくるじゃないですか。現場での相談事もスムーズですし、それを共有できるスピードも早い。だからこそ難しいシーンもみんなの力で乗り越えられているんだと思います。

今回、新キャストとして参加してくださった玉山さんも同じ志でいてくださったので、すごく実りのある撮影現場でした。1、2よりもしっかり準備できている分、楽しめましたね。

――よりこだわって作っていらっしゃるんですね。

1〜3の中にある曲線をゴールまで美しく描くための作業ってものすごく繊細で、そういうことを日々、スタッフ、監督、キャストのみなさんと細かくすり合わせることで気づくこともたくさんあるんです。あと『きみセカ』のアクションって、“カッコよくやろう”と思ったことがほぼなくて。

――いえいえ、カッコいいです!

でも、もし自分がゾンビの世界にいたとして、カッコよく倒そうとは思わないじゃないですか(笑)。ただ、その必死な泥臭さがカッコよく見えることもあるのかな、とは思います。

たとえばゴーレム3体が目の前にいて、どう倒すのか……。ゴーレムを“倒す”ことが目的ではなくて、“生き延びること”が目的なんですよ。そういった気持ちでやっていると、倒し方も変わってくると思います。

“(登場人物は)このシーンで何を目的としているのか”ということを常日頃から考えることは、アクションや過酷なシーンの撮影においてすごく重要なことだと僕は思っていて。どのドラマもそうですが、貪欲にやっていないと、世界観が壊れてしまうんです。

――「難しいシーンをみんなで乗り越えた」というのもそういう気持ちがあるから?

そうですね。作品の意図、俳優がやりたいこと、監督が求めるものが完璧に揃うことは難しいことだと思います。でも、そこでいろいろ相談しあって、確認する作業が今の現場ではすごくうまくいっている気がして。特にSeason3では、誰も予想していなかった結末になることが頻繁に起きているので楽しいですね。

――例えば、“この曲がり角の先にゴーレムがきたら?”など、プライベートでもこの世界観が影響していると感じる瞬間はありますか?

街中でもし出てきたら、“まずこの椅子を使って……”とかよく考えますよ(笑)。クセになっているとは思います。

――Season3では、響が結月と行動を共にします。彼女との関係で心がけていることは?

この世界では、彼女を大人の人間として扱うことがすごく大事だなと思います。そうすることによって、響と結月の会話のテンポや、やりとりがスムーズになるし、結月はすごく達観した子に見えるというか……。

彼女は親を殺され、そこで覚悟ができて僕についてきているので、響が結月を過保護にしすぎてもよくない。響は来美を求めているし、彼女は親を殺した“X”に復讐心がある。もちろん結月が大変だったら助けるし、僕がピンチだったら結月は僕のことを助けるけど、その関係に依存はしていないんです。人生という旅を生きる仲間・パートナーという関係に近いのかもしれないです。

――宗教団体「光の紋章」や謎の集団“X”とのやりとりも見どころのSeason3。これまでとは毛色が違った新たな物語としても楽しめそうです。

ゾンビがはびこる世界になって、食料やライフラインなどがなくなり、行動がシンプルになるからこそぶつかるし、だからこそ戦争に近い戦いになると思うんです。本来だったら全部話し合いで決着をつければいいんですけど、こういう世界だとそれができなくなってしまうんです。

――「光の紋章」のセットはいかがでしたか?

ライティングも映えてましたし、気持ち悪くて不気味な世界観で、魅力的なセットになっていると思います。教団の設定とかお芝居のテンションも、毎回玉山さんや制作のみなさんと相談しているので、確実な世界観ができあがっていると思います。

――謎めいていて興味深い団体ですよね。

今回、マインドコントロールや洗脳みたいなものもテーマになってくるんですけど、“人ってこういうふうにマインドコントロールされていくんだろうな”ということを感じながらお芝居できました。

――先輩俳優でもある玉山さんとの撮影はいかがですか?

玉山さんが演じられた「光の紋章」の教祖・ワンティーティはすごく魅力的で、楽しかったです。響は彼に反発するので、僕から発信することが多いんですけど、反発したあとに返ってくるものが、台本の流れ的にも響に刺さるので、その状況がすごく面白いなと思います。

――玉山さんも熱い方だとお聞きしました。

常に“シーンを面白くしよう”と考えてくださる方なんです。僕も相談しますし、制作のみなさんと話し合いをする時間も多かったですね。

――そのほか、桜井日奈子さん、須賀健太さん、和田正人さんら新しいキャストも加わります。

みなさんがいろいろかき乱してくれるので、Season3がパワーアップしています。特に、桜井日奈子ちゃん演じる宮木伊織がすっごく面白いんです。日奈子ちゃんが、僕らが思っている以上のことを考えて現場に来てくれたので、すごく面白いシーンになっていますね。そうして、新メンバーのみなさんがかき乱せばかき乱すほど、前からいる僕らは揺さぶられる……。いいやりとりができていました。

――カイ役のキム・ジェヒョンさんもSeason3続投です。

嬉しいですね。彼も純粋に、素直に、現場に取り組むし、日本語の上達具合も撮影前後で全然違うんですよ。勉強熱心で、知りたい欲求が強い分、その気持ちが伝わるので、本当に楽しい現場でした。

(撮影・取材・文:浜瀬将樹)

ヘアメイク:佐藤友勝
スタイリスト:徳永貴士

Huluオリジナル『君と世界が終わる日に』Season3
2月25日(金)からHuluにて独占配信

<Season3あらすじ>
ある日突然、ゴーレムと呼ばれるゾンビに占拠された終末世界。

ゴーレムウイルスに感染しながらも、間宮響(竹内)の子を身篭った小笠原来美(中条)が“謎の男”カイ(キム・ジェヒョン)と姿を消して10か月。響と三原結月(横溝)は、食料を強奪し殺戮を繰り返す集団“X”のもとで来美が生きていると信じ、行方を追っていた。そんな中、響はかつてゴーレムから助けたことがあるシンジ(須賀)と遭遇し、“ゴーレムに噛まれても死なない男”の噂を聞く。そんな矢先、響たちは“ゴーレムの死体”を集める謎の宗教団体「光の紋章」と鉢合わせて……。

生存者の伊織(桜井)、梶浦(和田)と共に光の紋章に保護された響たちは、教団の聖地=サリートへ。なぜか豊富な食料が揃う教団で、謎の儀式が行われる中、響は教祖・ワンティーティ(玉山)がゴーレムに襲われ噛まれるも感染しないという信じられない姿を目の当たりにする……! さらに、サリートで等々力比呂(笠松)と柊木佳奈恵(飯豊)に再会。酷さを増すゴーレムの惨禍で、響たちに待ち受ける運命とは――?

『君と世界が終わる日に』Season1(全10話)、Season2(全6話)Hulu にて独占配信中。

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