金子大地、深すぎるダウンタウン愛を吐露「好きすぎて…」【連載PERSON vol.37】

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON~人生を変えたテレビ番組」vol.37は、Huluオリジナル『未来世紀SHIBUYA』(全6話一挙独占配信)で主演を務める金子大地さんが登場します。

『アミューズオーディションフェス2014』俳優・モデル部門受賞をきっかけにデビューした金子さん。ドラマ『おっさんずラブ』『チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください』などに出演したほか、『腐女子、うっかりゲイに告る。』では主役を熱演。映画『私はいったい、何と闘っているのか』(2021年12月17日公開)、『Pure Japanese』(2022年1月28日公開)などの公開も控えています。

『未来世紀SHIBUYA』は、金子さんの新境地とも言える作品。舞台は、AI、脳内記憶操作、空飛ぶクルマなどデジタル化が進んだ西暦2036年の“シブヤ”――。ミツル(金子)、カケル(醍醐虎汰朗)、カメラマンの田中(篠原悠伸)からなる3人の動画配信ユニット(WeTuber)「正義マン」は、人生の大逆転を夢見て、今日も動画を配信。あることがきっかけで、視聴者から依頼が届くようになるが……という物語です。

金子さんに、本作のことはもちろん、大好きな人気芸人や尊敬する役者についてお話を伺いました。

印象的なシーンは“36ページを1カット”で!?
印象的なシーンは“36ページを1カット”で!?

――作品の設定はデジタル化社会になった15年後のお話です。この世界観について思ったことや、オファーを受けた際の率直な感想を教えてください。

“どうなるんだろう?”と思いました。白石(晃士)監督の作品は攻めたものが多いので楽しみだったんですが、台本を読んだときはビックリしました(笑)。“なんだこれは!”と……。特に台詞の量に驚きましたね。

あと、自分の口から出たことのない言い回しが多かったり、僕はミツルほど明るくないので、撮影の度にギアを上げる作業がすごく新鮮で……。体力はいりましたが、演じ終えたあとに見えるものがあるのではないかと思っていました。

――動画配信シーンはYouTuberのようにカメラに向かって喋ります。大変だったことや気をつけたことは?

カメラを意識して芝居することがあまりないので、そこが難しかったですね。スマートフォンで撮ったのですが、ワンカット長回しで撮らなければいけないシーンは、緊張感もあって……。一発OKだったら予定より4時間くらい早く帰れることもあったので、“新しいことをやってるな”と思いました。役柄も含めて刺激的で“攻めてるな”と。

――動画配信者の役を通して、ご自身がYouTubeチャンネルを持ち、活動できる自信はつきましたか?

つかなかったですね(笑)。(自分は)絶対にYouTuberとして人気が出ないだろうなと思いました。

――ミツルは金子さんと違う性格とのことですが、どんな役づくりをされたんですか?

衣装合わせの際に「いろいろな個性が尊重される世の中になっていると思う」という話が出たこともあって今回のビジュアルになったので、食事制限をしました。(量を)食べると(体型が)男っぽくなる気がするので、そのあたりは意識しました。あとは少年に戻るような気持ちで、真っ直ぐに、純粋に、明るく、というのを心がけました。

――ミツルの中性的な要素は、金子さんがキャスティングされたことで加わったと聞きました。

メイクやカラコンで頑張ってみたんですが、なかなか(中性的には)ならなかったですね(笑)。

――そんなことないです(笑)。醍醐さんとのやりとりはいかがでしたか?

虎汰朗くんがいてくれたおかげで、助けられた部分も多かったので、本当に尊敬しています。

――ミツルとカケルの魅力はどんなところにあると思いますか?

日本人って客観視して周りの目を気にして生きていると思っていて。でも、(現代の)YouTuberの人たちはさらけ出して戦っている。ミツルとカケルも、周りの目を気にせずに好きなことをやっていて、素晴らしいと思います。

――マネキンおじさん役の宇野祥平さんや、カリスマWeTuberキリタ役の藤森慎吾さんの役どころも強烈です。

宇野さんと共演するのが楽しみだったんですが、とにかくすごかったですね……。1話でがっつりお芝居させていただいたときは、とても刺激的でしたし、想像を超えたお芝居をされていたので、すごく楽しかったです。

藤森さんはハマり役だと思いました。絶対的に怪しい役ということもありましたしので、とにかく最高でしたね。

――印象に残っている撮影シーンを教えてください。

全部強烈でした。中でも36ページを1カットでやると聞いたときはビックリしました。白石監督にニコニコしながら“覚えてきてくださいね!”と言われて、“舞台じゃん!”と思いました(笑)。1回でも台詞を噛んだら最初からですし、“できた!”と思っても「ごめんなさい。カメラが……」ということもありましたね。結果的にはカットを割る(分ける)ことになりましたが、みんなで助け合いながらやりました。

金子大地さん、ダウンタウン愛を語る!
金子大地さん、ダウンタウン愛を語る!

――続いて、金子さんのパーソナルな部分についてお聞きしたいです。影響を受けたテレビ番組を教えてください。

ダウンタウンさんの番組はずっと好きで、昔だと『爆笑!大日本アカン警察』を見ていました。特に「アカン飯」とか、ダウンタウンさんが尖っていた若い頃をVTRで振り返る企画をよく覚えています。

――いま、好きなテレビ番組は?

やっぱりダウンタウンさんが出演されているバラエティ番組ですね。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』『水曜日のダウンタウン』『人志松本の酒のツマミになる話』は必ず録画して見ています。

――TVer含め、配信系の作品はご覧になるんですか?

松本人志さんが出演されている『福岡人志、松本×黒瀬アドリブドライブ』(Hulu)は全部見ましたし、『庵野秀明+松本人志 対談』(Amazon Prime)も見ました。

最近だと、TVerでも何度も見たのは『水ダウ』の『「ラヴィット!」の女性ゲストを大喜利芸人軍団が遠隔操作すればレギュラーメンバーより笑い取れる説』(※)。あれはものすごく面白かったです(笑)。

笑い飯・西田(幸治)さんの「ほぐした赤LARK」、霜降り明星粗品さんの「チーソーの赤い部分」とか腹を抱えて笑いました(笑)。

(※)番組にゲスト出演したあのさんに遠隔で答えを指示。彼らが伝えた答えを『ラヴィット!』本番中に披露した。

――ドラマや映画はいかがですか?

最近だとFODで『北の国から』を連続ドラマからスペシャルまで全部見ました。ドラマって蓄積があった方が面白いと思っていて。そんな中で『北の国から』は、歳を重ねて変わっていく黒板家を追っているからこそ最後に重みがあるというか。

――影響を受けたエンターテインメント界の人を教えてください。

(北海道から上京した)東京での一人暮らしで孤独を感じずにいられたのは、ダウンタウンさんのおかげです。

俳優さんで尊敬している人はたくさんいて、先ほど触れた『北の国から』に出演されていた吉岡秀隆さんをすごく尊敬していますし、田中邦衛さんにもお会いしてみたかったです。それこそ(脚本の)倉本聰さんにしか書けない世界があると思うので、倉本さんの作品にはずっと出たいと思っています。お会いできるかは分からないですが、今度、(倉本さんが住んでいる)富良野に行ってみようかと思っているくらいです。

――吉岡さんとは共演されたんですか?

この間、ある作品で一緒にお芝居することができて、本当に嬉しかったです。宝物のような時間でした。

――ダウンタウンさん愛を語っていただいていますが、お二人とお会いしたいですか?

お会いしたくないかもしれないです……。テレビの中の人でいてほしいですし、廊下ですれ違うのも嫌です(笑)。

――たとえば番組ゲストのオファーがあったらどうされるんですか?

絶対平常心を保てなくなります(笑)。それほどお2人が好きなんです。

――そんなに!(笑)。最後に役者をするにあたって大切にしている軸を教えてください。

誰かに寄り添える役者になりたいです。台詞で表現するのもいいですが、そこではない心の声みたいなものが表情だったり、間だったりで伝えられたらいいなと。今はまだまだなので、もっとがんばります。

(取材・文・写真:浜瀬将樹)

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