深田恭子「人を笑顔にできる作品は今の時期だからこそ必要なものだと思います」『ルパンの娘』インタビュー

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深田恭子さんが主演を務める木曜劇場『ルパンの娘』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)の第3話が、10月29日に放送されます。深田さん演じる泥棒一家の娘・三雲華と、警察一家の息子・桜庭和馬(瀬戸康史)の“禁断の愛”を描くラブコメディで、昨年放送された同名ドラマの続編となる本作では、ついに結ばれた2人のその後が描かれています。

「Lの一族」の再始動や、再び訪れた和馬との別れ、そして華の妊娠・出産と、スピーディなストーリー展開も話題となっている続編について、深田さんにお話を聞きました。

――前作の撮影時から、「続編をやれたら」というお話があったそうですね。

「まだまだ続きそうなお話だよね」と、話していました。回を追うごとにどんどん夢中になって、加速し続けていった作品。あんなに“てんとう虫”を意識したこともなかったですし、毎回壮大なお話でびっくりします(笑)。お子さんから多くの反響があったのも、今までにはなかったことですね。

――続編が決定して、どのような準備から始めましたか?

前回のクランクアップ時に、「続編があるかもしれない」というお話を聞いていたので、すごく楽しみにしていました。私は、前作の収録が終わってから別の役に入らずこの作品にクランクインだったので、とてもやりやすかったと思います。いつも『ルパンの娘』という作品が、自分の胸にありました。

――キャストやスタッフと再集結ですね。

ほぼ同じスタッフのみなさんと再会出来たことが嬉しかったです。前回、差し入れで、私の顔写真が後ろに入った“ルパンの娘Tシャツ”を作ったんです。生まれて初めて自分の顔が入ったTシャツを作れたことも嬉しかったですし、それをみなさんが今回また着てくださっていて。捨てないで着てくれていたんだ、という嬉しさもありました。

約1年ぶりに泥棒スーツを着た感想は?
約1年ぶりに泥棒スーツを着た感想は?

――約1年ぶりに泥棒スーツを着た感想はいかがでしたか?

デザインが少し変わったというのはありますが、特別に作っていただいているものなので、とても愛着がありますし、着心地も良いです。華が妊婦さんの時は、洋服のままマスクだけ付けていたんですけど、それがすごく恥ずかしかったです(笑)。(右手で顔、左手で体を隠しながら)なんか変な感じ……みたいな。マスクもスーツも両方あればなりきれますが、マスクだけだとお手軽な仮装みたいで。でも、真面目にやりました(笑)。

――続編の手応えはいかがですか?

ちょっとシリアスな部分や、笑えるところももちろんあって、結構感情がかき乱されますね。笑っていたのに、「あれ? なんだか涙が出てきた」って。そういう心の揺さぶり方があるんだと、意表を突かれるようなシーンがたくさんあります。

――初共演となる「名探偵一家」の娘・北条美雲を演じる橋本環奈さんの印象はいかがですか?

すごく透明感があって、それなのにしっかりしていて、安心感のある頼もしい存在です。でも私は泥棒なので、あんまり絡んじゃうと物語が続かないんです(笑)。

前作よりパワーアップした部分とは?
前作よりパワーアップした部分とは?

――前作よりパワーアップしたところはどこでしょうか?

わかりやすく言うとメンバーですが、それに加えて「え!? この人が? この人が? この人が?」というくらいの人が歌い出します。

――ミュージカルシーンは、前回も話題でしたね。

もっと大々的にやりたいですね。街を歩いている人まで参加しちゃって、みんななぜか歌い出すとか、実は憧れがあるのでやってみたいです。楽しそうだし、そういうシーンがあったら嬉しいですね。

――華がママになるという展開を含め、ストーリーについてはどう思われましたか?

ママにはなるんですけど、このお話は年月とか季節とかも関係ない感じがまた、おもしろいなと思います。ツッコミどころが満載です。

――出産シーンはいかがでしたか?

すごく一生懸命やりました。でも、それはそれは神々しいシーンになっていて、ちょっとびっくりしました(笑)。撮影していたものが、編集されたり、音楽がついたりして出来上がると、想像以上のものになるんです。

――これまでの撮影で、特に驚いた台詞や演出などはありますか?

どれをお話していいかわからないくらいに、毎回びっくりします。美術品も、きらびやかに見せているだけのように思うかもしれませんが、本当に一つひとつが物凄いものばかりで、セットでは(ぶつけないように)あまり手を広げないようにしています。

――作られたものではなく、本当に高価なものが使われているんですね。それは緊張感がありそうです。

緊張感はありますが、高価な物を見過ぎておかしくなっているというか。今回セットで見つけたのは、私が大好きなマリー・アントワネットの肖像画。その前にお宝がありすぎて(肖像画まで)辿りつけなかったんですけど、本当はよく見てみたいなと思っています。

――本物が使われていることで、演技の気分も上がるのでは?

今回のお宝たちは、それぞれ主張が強いんです。「美術品とはこういうものだ!」と。家の中から大きな象が顔を出していたり、“鶴の恩返し”みたいなお人形がいたり……マリー・アントワネット以外は、あまり良く見ないようにしています(笑)。

――本作は、深田さんにとってチャレンジとも言える作品かと思います。深田さんが、女優業に求めるものを聞かせてください。

“人を笑顔にできる作品”は、特に今の時期だからこそ必要なものなんじゃないかなと思います。少しでも誰かの力になれたらいいなと思います。

深田恭子さんが思う『ルパンの娘』の魅力とは?
深田恭子さんが思う『ルパンの娘』の魅力とは?

――それは、女優を続ける上でひとつの軸にもなっていますか?

内容的に重い役を演じるのは、自分も辛かったりするんです。たとえば暗い役を演じると、私は暗さに引き込まれていっちゃう。香盤表や台本を見て、「明日は撮影シーンがいっぱいだな」とか「すごい台詞の量だな」と思うこともありますが、この物語はいざ現場に行ってみるとすごく楽しいですし、家族とのやりとりが居心地良いです。

――素敵な現場ですね。

尊(渡部篤郎)さんの、お宝を探しに行く前の“説明台詞”が大好きなんです。本番ではうんざりした顔をしているけど、毎回、リハーサルの時にはワクワクしています。尊さんと悦子(小沢真珠)さんとの掛け合いも大好きですし、最近は現場で“真珠さん観察”をするのが楽しみです(笑)。悦子さんの身振り手振りは、ハリウッドスターみたいで絶妙なおもしろさがあるので、そこも見どころだと思います。

――最後に、あらためてドラマの魅力を聞かせてください。

華と和馬の、嘘みたいにまっすぐで純情な愛だと思います。お互いの家族愛もすごく強いので、家訓を持っている両家がぶつかる中で、悩みながらも愛を貫き通す。言葉にすると恥ずかしくなるようなシーンや台詞がたくさんあるのに、なぜか見てしまう不思議なドラマだと思っています。

(取材・撮影:勝浦阿津希)

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