アニメ50周年記念『サザエさん』誕生秘話と作者・長谷川町子の素顔に迫る

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10月5日(土)15時30分から『サザエさんアニメ50周年記念 誕生秘話に迫る“サザエさんと町子さん”』(フジテレビ系)が放送される。

1969年10月5日に放送を開始した『サザエさん』は、ちょうど50年の日を迎える。その記念すべき日に、サザエさんの生みの親である長谷川町子の素顔をひもとくと共に、アニメ50年の歴史をたどるドキュメンタリー番組をオンエア。子供からお年寄りまで、誰からも愛される国民的アニメが誕生するまでの経緯と、その歴史に隠された驚きのエピソードが明らかになる。

番組冒頭には1969年に始まった第一回の放送「75点の天才!」の貴重な映像が登場。カツオが珍しく学校から75点のテストを家に持ち帰る。“たいしたもんだ! そりゃなんと言っても私の弟だもん!”と褒め、親戚に自慢するも後から0点のテストが次々と出てきてサザエさん一家はてんやわんやの大騒動になるという話。絵のタッチや、大きく派手な動きが今のサザエさんとは少し違う雰囲気の映像だが、サザエさんの声は当時から今も変わらず加藤みどりが担当しており、カツオのキャラクターや登場人物の服装は今とほとんどかわっていない。この50年で変わった事、変わらない事など、その変化を貴重な第一回の放送から垣間見ることができる。

『サザエさん』が初めて世に出たのは実はアニメ放送が開始されたさらに23年前の1946年4月22日。福岡の新聞に掲載された4コマ漫画が始まりだという。その連載第1回の貴重な原画も番組には登場する。その原画を書いていたのが、当時26歳で日本初の女性漫画家・長谷川だ。1920年に生まれた長谷川は、幼い頃から絵を書くことが大好きで、14歳の頃、愛読していた『のらくろ』の作者の田河水泡に弟子入りする。そしてなんとその翌年、15歳の若さで早くもプロ漫画家デビューしたのだ。連載が始まったのは長谷川が26歳の頃だが、当時は戦後間もない混乱の時代で、人々にとってはユーモアあふれる『サザエさん』の4コマ漫画は生活を楽しくする数少ない大切な娯楽の一つだったという。その後28年間もの長期にわたって続いた連載だが、その間にも息が詰まった長谷川が“もう辞める!”と宣言し、筆や原稿用紙などだいじな道具を燃やしたり、海外渡航の自由化で1か月ヨーロッパ旅行へ旅立ち、サザエさん一家が長谷川を見送る4コマ漫画で休載宣言をしたりしたこともあったという。

さらに、今まであまり表に出ていなかったアニメの制作の裏側にも迫る。実は毎週放送される『サザエさん』のすべてのエピソードのどこかに必ず長谷川の原作が使われているのだという。1度使った原作は、それから2年間は使用しないことが決まりになっているそうで、原作の良さを受け継ぎながらも視聴者がいつでも番組を新鮮な気持ちで見ることができるように工夫がされているそうだ。また、他にもアニメに登場する家具や景色、衣装など細部にわたってこだわり抜かれたアニメ制作の裏側も紹介。時代を超えて愛され続けている『サザエさん』の魅力をたっぷり伝える。

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