遠藤憲一、息子を殺した加害者の母と禁断の恋に…『それぞれの断崖』スタート

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遠藤憲一が主演を務めるオトナの土ドラ『それぞれの断崖』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週土曜23:40~)が、8月3日にスタートする。

原作は社会派ミステリーの名手として知られる小杉健治の同名小説で、物語は家庭内暴力をふるう不登校の中学生が殺害されるところからスタート。加害者は13歳の同級生だが、殺人を犯しても少年法で守られていて罪には問われない……。悲劇の夜、被害者の父である恭一郎(遠藤)は、酒に酔い、怪しげな店で遊んでいたことが発覚。妻の雪子(田中美佐子)や娘たちに恨まれ、警察からも疑いをかけられる。さらに、加害者少年への怒りを爆発させたことで、人でなし呼ばわりされ、世間から容赦ないバッシングを受ける。

そんな恭一郎が怒りの矛先を向けたのは、“加害者の母”である八巻はつみ(田中美里)。はつみは儚げな美しさを持つシングルマザーだった。恭一郎は、法律に守られた加害者少年の行方や、少年を育てた母親の動向を知るため近付いていくが、自分と同じ苦しみを見て、次第に心が揺さぶられていく……。

<第1話あらすじ>
「何が原因なんだ……」。物は飛び散り荒れ放題のリビングの惨状を前に、恭一郎(遠藤)は、妻・雪子(田中美佐子)に呆然と問いかけた――。コンピュータ会社の企画開発部長である志方の中学2年生の息子・恭介(渡邉蒼)が不登校になったのは、ほんの1か月前のことだった。それまでは素直でおとなしかった恭介が、別人のようにキレて暴力をふるうようになったのだ。志方夫妻も、長女の真弓(仁村紗和)、次女の真紀(永瀬莉子)も、訳が分からず途方に暮れるばかりだった。

「息子さんも悩んでいるんですよ」。得意先の葵電気の担当者・丹野(梨本謙次郎)の言葉は、苦しむ恭一郎の心を少し楽にしてくれた。丹野が社内の反対を押し切って調整に尽力してくれたおかげで、葵電気と大きな契約が成立したばかりだった。自身も子供の家庭内暴力に悩んだ経験がある丹野は、恭一郎のよき相談相手でもあった。自分の弱みを見せることで子供を理解できるかもしれないという丹野の言葉で、恭一郎は恭介と本音で向き合う決意をする。

恭一郎は、会社からの帰宅途中、恭介が別の少年ともみ合う場面に出会う。八巻満(清水大登)と名乗るその少年は、礼儀正しく挨拶して立ち去った。シングルマザー・八巻はつみ(田中美里)の一人息子である満は恭介の親友だという。怪訝に思いながらも恭一郎は、手に持った鯛焼きを思い出し、「恭介、鯛焼き食わないか?」と声をかける。

恭介と車で海へ向かった恭一郎は、海岸で自分の過去の恥部を語る。自分のことは話そうとしない恭介だったが、素直に恭一郎の言葉に耳を傾け、「生きていくのは辛いね……」とつぶやく。久しぶりに息子と心が通い合ったような気がしてほっとする恭一郎だった。

翌日、恭一郎を衝撃が襲う。会社の上層部が、強引に葵電気との契約を破棄したのだ。猛然と上司に抗議する恭一郎だったが、もはや決定事項であり覆せないところまで話は進んでいた。丹野を裏切ってしまった……恭一郎は謝罪に向かうが、窮地に立つ丹野はそれを受け入れる余裕もない状態だった。

落ち込む恭一郎はその夜、深酒したあげく部下に連れられていかがわしいデートクラブに行く。そのことが、後に自分自身を追いつめることになるとは夢にも思わず……。

酩酊して帰宅した恭一郎に、雪子が思いつめた顔で告げる。「恭介がまだ帰らないのよ」。一気に酔いが覚める恭一郎だったが、まだ事態を深刻にとらえてはいなかった。まもなく警察から、信じがたい知らせがもたらされる。「え……恭介が……?」。恭一郎の、悪夢の日々の始まりであった。

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