『第6回ドラマ甲子園』大賞は『受験ゾンビ』に決定「笑うしかない設定」と評価

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CS放送フジテレビONE/TWO/NEXTが、全国の高校生を対象に脚本を募集した、『第6回ドラマ甲子園』の大賞受賞作品に、愛知県小牧市在住の高校3年生・伊藤佑里香さん(18)が書いた『受験ゾンビ』に決定した。

演出家の才能発掘のため、2014年に立ち上がった『ドラマ甲子園』。年1回、全国の高校生に広く呼びかけ、1時間のドラマ脚本を募集。大賞に選ばれた脚本は、執筆者本人の演出で、プロのスタッフがサポートし、プロの俳優たちの出演で、テレビドラマとして制作。CS放送フジテレビTWO ドラマ・アニメ(フジテレビTWOsmartでも配信予定)にて放送される。

5日に行われた授賞式に出席した伊藤さんは、「今回はこのような素晴らしい賞に選んで頂きありがとうございます。高校2年の終わり、部活の大会も終わり受験モードに入り始めていた時、ドラマ甲子園に応募することを決めました。はじめは高校生らしくラブコメなんて書こうかなと思っていたのですが、思うように筆が進まず、締め切り延長をきっかけに一から書き直すことにしました。もうこの際、自分がとことん好きな作品にしよう、と思い書いた作品は想像以上に好き勝手な作品でスプラッター要素も含む過激なものでした」と執筆の経緯を説明。

それゆえ大賞に選ばれたと知った時は本当に驚いたといい、「正直まだ自分が監督としてスタッフや役者の方々に指示する姿は想像つきませんし不安です。ですがその不安を上回るワクワクを感じています。このような素晴らしい機会を与えてくださったフジテレビの方々に感謝し、悔いのない制作を行っていきたいと思います」と意気込んだ。

また、選考委員長の山口真氏(ニュース総局 報道局長)は「“真夜中に書いたラブレター”。わたくしの、この作品についての第一印象です。“受験のストレスでゾンビになる”という、笑うしかない設定。丑三つ時に書いたとしか思えない、終盤の狂気あふれる展開。平凡な“大人”だったら、翌朝の明るい日の光の中で、昨夜の自分のハイテンションを恥じつつ、書き直してしまうことでしょう。しかし、伊藤佑里香さんは、それを堂々とフジテレビへ送りました。まず、そのパワーを高く評価します」と話している。

<『受験ゾンビ』あらすじ>
受験勉強で忙しい夏休みの後半。文化祭の準備で学校に集まったあかり、玄、瀬那、匠。準備の最中、あかりと玄は医学部受験のため13浪している山本が屋上から飛び降りるのを目撃する。急いで先生を呼ぶ二人だが、校舎裏の山本の死体は消えていた。不安感を感じつつも、準備に戻るあかり達。その嫌な予感はあたり、山本はゾンビとなり、学校内の生徒、先生を襲い始める。パニックに包まれる学校。
仲間たちが一人、また一人とゾンビに襲われる中、徐々に明かされていく高校生たちのリアルな悩み、コンプレックス、秘密。それぞれが受験に対して抱えていた本当の思い。そして、ラストは玄が見たあかりの秘密によって全てが明かされる……。

なお、大賞のほか佳作として、彦坂美緒さん(18)の『花言葉は憧れ』と小野拓馬さん(18)の『針が重なり、ツバメ飛び立つ』の2作品が選ばれた。

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