大谷亮平

俳優の大谷亮平さんが主演を務めるFODオリジナル連続ドラマ『GHOSTTOWN』が現在配信中だ。同作は大谷さんが地質学の教授・山本太陽を演じるホラーサスペンスで、山本と彼のゼミ生が、GHQが日本から接収したとされる“M資金”の噂を確かめるため、フィールドワークを兼ねて樹海へ足を踏み入れた後に起こる様々な出来事を、ミステリアスなタッチで描く。

山本の妻・夕夏役で星野真里さんが出演するほか、ゼミ生役で尾上寛之さん、田辺桃子さん、大地さん、水石亜飛夢さん、菅谷哲也さん、水上京香さん、中川可菜さんら若手俳優が出演。3月にフジテレビでエピソード1から7まで放送され、ノーカット完全版が毎週土曜24時にFODで配信されている(4月16日現在、エピソード3まで配信中)。大谷さんにとっては地上波初主演ドラマ。新境地となる同作の見どころを大谷さんにインタビュー。

――地上波放送ドラマでは初主演作となります。ドラマのオファーが来た時の心境を教えてください。

今まで日本でやらせてもらってきたどのドラマとも全く違ったテイストを持った作品という印象です。役のキャラクターもそうだし、シナリオも新鮮で、どういうふうに演じたらいいのか、自分ならどういうふうに演じられるかということを考えながら脚本を読むうちに作品の魅力に自然とはまっていきました。最後は無意識に涙が出てしまって……。涙が出るということはその時点で作品に心を動かされたということなんですかね。ぜひ参加したいって素直に思いました。

――こういったホラーテイストの作品へ以前から参加してみたいという願望はあったんですか。

僕はどちらかというと、リアリティのある作品に目がいく方なんです。人間味のある作品や、家族愛や情のあるもの、恋愛ものだったりとか。好きなジャンルのなかでこういう役をやりたいという願望を持つことが多いんですけど、これはまったくその枠から離れた話で、この作品に出ること自体、正直想像もつかなかったです。でも、お話を聞いた時はやってみたいという気持ちに自然と駆られました。実際、挑戦することですごく自分の演技の幅が広がったと思います。演じていて、すごく面白かったです。

――撮影は3月に3週間というタイトなスケジュールで行われたと聞きました。

自分としてはこの作品はゆったり撮るものでもないなと思っていたんです。樹海の中に入っていって、自分自身でも経験したことのないような出来事が次々に起こるというストーリー。練ってこうしようというより、インスピレーションや直感のようなものを大切に演じていくことが重要だと思っていたんです。だから、そのぐらいのスパンで撮影をしてもらう方が自分としてはむしろやりやすかったです。僕自身も直感的な演技に前向きにトライしていこうって思える作品でした。見ている側もきっと僕らがどういうリアクションをとったかを楽しめる内容になっていると思います。

――周囲は若いキャストばかり。現場での雰囲気はどんな感じだったのですか。

この役を演じるにあたって、山本はあんまり学生たちとの関係をうまくこなすタイプでもないので、僕は学生たちの間には少し距離感があった方がいいなって思っていました。ゼミ生を演じる俳優はみんな、仲がいいからキャスティングされたのかなっていうくらい、仲のよさが出来上がって、わいわいしていて、その中で僕は少し引いた感じでいるようにしていました。僕はそもそも現場に呼ばれるまでに、役の雰囲気を作っておくタイプなんです。周囲がそうだからといって、そんなに騒ぐこともしないんです。演技が散漫になってしまうので。

――現場でムードメーカーのような存在になっていたのは誰だったのですか。

尾上さんが一番そうじゃないですか。ゼミ生といっても本人は30代。しっかりしていましたし、キャリアも演技力も長けた存在だったので、学生たちをまとめて引っ張っている感じがありました。とても頼もしい存在でした。

――地上波のラストは大谷さんの叫び声で終わってしまっていましたが、クライマックスに向けて完全版ではどんな部分が見どころになるのでしょう。

完全オリジナルな作品で、ホラーサスペンス要素の強い作品。人間は追い込まれたらこんなものが出てくるのかというところが、このドラマの大きなポイントだと思っているんです。ゼミ生の人たちも、極限状態に追い込まれたら、助け合わないといけないけど、嫉妬心が芽生えたりして、様々な展開が待ちうけている。そういう、学生ならではの若さゆえの部分が随所に出てくる部分もすごく面白いところだと思っています。

――ただのホラーという感じでなく、人間ドラマも濃厚に描かれていますね。

例えば腕が動かなくなるというシーンがあるんですけど、そういう非現実的な出来事もあれば、ものすごくリアリティのある人間ドラマも存在する。そういった側面もこのドラマの面白さだと思っています。

――“俳優・大谷亮平”についてお聞きします。理想とする俳優像について教えてください。

存在感のある俳優になりたいと思っています。インパクトというか、もちろん演技力や技術的なスキルも大切なのですが、それ以前にパッと画面に現れるだけで映えるような、そういう存在でありたいなって。かっこよくとか、そういうことではないんです。いろいろ味のある俳優さんがいるじゃないですか。見ていると、「いいなあ、この人」って思えるような俳優さん。僕はそっちにすごく惹かれるんです。役がいいのか、その人がいいのか探ってしまう、ルックス含め、立ち振る舞い、雰囲気に存在感を持たせるような、そんな俳優であれたらいいなと思っています。自分ももう、これくらいの歳なので、老けて行くのか、むしろそういう意味で長けていくのか、そこが俳優としての分岐点になっていくと思っています。

――連続テレビ小説『まんぷく』にも出演されてご活躍されています。大谷さんの存在に注目が集まったころは“逆輸入俳優”というキャッチコピーがメディアで強調されていたように思いますが、最近はそんなイメージも懐かしく思えるほどの活躍ぶりです。俳優としてもすごくやりやすい環境が整ってきたといっていい時期なのではないでしょうか。

僕自身は実はあんまりそういうことは気にしないタイプなんです。それこそ「海外から逆輸入された」とか、「第二の〜」とか、言われることが多かった時期がありましたが、ああいうことも、周りから「嫌じゃないですか?」と言われることが多かったんですけど、別に嫌ではなかったです。僕は海外でやっている人をたくさん知っているんです。その人たちが日本を目指しているみたいな事例もたくさん知っていて、「第二の〜」って言われても、「いいじゃん」って。「オリンピックで銀メダルとりました」ってなっても「残念ですね」とは言われないですよね。そんな気持ちなんです。「第二の」「第三の」になりたくてやっている海外の人がいっぱいいるんですよ。確かに僕自身は独特のルートで来ましたけど、そう言われても気にしないし、むしろいい方に捉えています。

――俳優・大谷亮平の今後の活動、そして『GHOSTTOWN』の展開を楽しみにしている視聴者にメッセージを。

今回のドラマは筋書きが見えないまま、ラストに向かっていきます。絶対読めない展開の物語だけど、後半に向けて謎も少しずつ解けていく。ぜひ、ラストに注目して見てください。

(取材・文:名鹿祥史)

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