左から吉田宗洋、竹財輝之助、猪塚健太

フジテレビの動画配信サービス「FOD」にて昨年放送され、大きな反響を呼んだ丸木戸マキの人気ボーイズラブコミックを実写ドラマ化した『ポルノグラファー』。

制作当初は、パッケージ化の予定もなかったというが、ファンからの熱い後押しにより、ブルーレイ&DVD化はもちろん、過去編となる『ポルノグラファー~インディゴの気分~』の放送が決定。FODで2月28日より配信がスタートした(毎週水曜24:00~最新話配信)。

『インディゴの気分』では、小説家の木島理生と、編集者である城戸士郎の出会いなど、前作の時間軸からさかのぼったエピソードが中心に描かれている。このほど竹財輝之助さん(木島理生役)、吉田宗洋さん(城戸士郎役)、猪塚健太さん(久住春彦役)がインタビューに応じ、新作の見どころや、互いの印象などを大いに語ってくれました。

――いよいよ続編となる『インディゴの気分』の配信が始まりました。まずお話を聞いたとき、どんなお気持ちでしたか?

竹財:すごく嬉しいと思う反面、正直怖い気持ちもありました。僕はこれまで、時間を空けて同じ役を演じた経験がなかったんです。今回、続編が制作されることになったのは、間違いなくファンの熱意が大人たちを動かしてくれたと思っています。その意味で、前作を超えなくてはいけないというプレッシャーみたいなものはありました。撮影初日を迎えるまではすごく怖かったです。

吉田:作品を盛り上げていただいた方たちのおかげで、続編が出来たと思っているので、その期待に応えなければというプレッシャーはありました。でもやっぱりものすごく嬉しかったです。

猪塚:僕も続編を撮影することが出来ると聞いてすごく嬉しかったです。いまの時代は皆さんの応援が直に届くようになった世の中。応援していただいた方への感謝の気持ちでいっぱいでした。

――それぞれのキャラクターも、ファンには周知されているなか、どんな意識で続編に臨んだのでしょうか?

竹財:前作は翻弄する側で、かなり作り込んで入ったのですが、今回は受ける側だったので、現場で出た会話や出来事に素直に反応することを大切に臨みました。あとは20代後半から30代に差し掛かる年齢を演じているのですが、そのころって男が一番変わる時期なのかなと思ったので、前作との変化は意識しました。『ポルノグラファー』では、間をとってゆっくりしゃべり、湿度感を大事にしたのですが、今回はテンポが落ちすぎないように心掛けました。

吉田:男同士の恋愛を描いているボーイズラブ作品ではあるのですが、あまりそういう部分は意識しないほうがいいなと思ったので、1人の社会人の男性が感覚として味わうものを、そのまま出そうと思って演じました。

猪塚:『ポルノグラファー』の続編だと思ってやっているので、春彦という役については、以前の感覚を維持しつつ、その先を想像してもらえるようなアプローチ方法をとりました。ただ作品としては前作よりも、さらにチャレンジングな出来になっています。すごく攻めていますね(笑)。

――そんなに攻めているのですか?

吉田:こんなこと言うのもなんですが(ラブシーンについては)抵抗なかったですね(笑)。あまり重きを置き過ぎず、男女関係なく物語の1つとしてラブシーンは特別なことではないと思うので。今回は男同士ですが、あまり意識することなく、おじけづくこともなかったです。

竹財:僕らは求められればやるだけで、どこまで放送出来るかは監督のさじ加減ですからね。前作も放送されていないシーンはたくさんあったんです。

――前作では、竹財さんが猪塚さんとのキスシーンの前に「先に舌を入れるから」と宣言していたとのことですが、今回もそういうやりとりはあったのですか?

竹財:今回はなにもやっていません。前回の芝居をみて、なにも言わなくても(吉田が)やってくるんだろうなと思っていたので(笑)。

吉田:終わったあとに気になったのは、女性でもそうだと思いますが、男性の髭って絶対痛いじゃないですか。竹財さんにも「痛かった?」って聞いちゃいましたよ。

竹財:痛かったよ! 二度とやりたくないよ(笑)。

――三木康一郎監督はどんな演出を?

吉田:とにかく僕はいろいろなものを得ました。台本の読み込みが浅いのか、三木監督が欲するところまで表現できないところが多々あったんです。本来なら、一発で求められるものを出さなくてはいけないのですが、辛抱強く何度も付き合ってくださったのは感謝です。

竹財:前回ご一緒して、妥協しない監督だなとわかっていたので「いいんじゃない」って飄々と言っていても信じられました。

――ラブシーンの演出はどんな感じだったのですか?

竹財:映せない部分もあるので、技術的な指導はありますが、基本的には感情や動きなどは僕らに任せてくれました。前回も「ちょっと舌を入れるのが早い」とか「入れたいのはわかるけれど、もうちょっと我慢して」みたいなことは言われましたが、基本的に気持ちが出来るまでは待っていただける監督なので。

吉田:本当にありがたかったです。でも逆に気持ちが入っていない演技をすると、すぐにバレてしまうんです。

竹財:とにかく三木監督は視聴者目線なんです。例えば、自分でレールを引いて、長回しすると言っていても、途中で「城戸の顔のアップを見たくなった」と演出を変更出来る方。「そういう表情すると視聴者はついてこられない。意図がわからない」ということを言われます。感情を重ねていく芝居を大事にする方でした。

――前作からお互い「印象が変わったな」と感じたことはありましたか?

竹財:春彦に関しては、目を見ることが出来なかったです(笑)。『ポルノグラファー』を経た春彦がいてくれたので、悪いことをしてきたわけじゃないのですが、背徳感というか、浮気して帰ってきた男みたいな感覚があって……(笑)。

猪塚:僕もそういう感覚はありました。木島先生には、前作では感じることが出来なかった安心感がありました。『ポルノグラファー』では、振り回されて、いろいろな感情が目まぐるしく芽生えたのですが、それを経た今回は、役としてもそうですが、竹財さんとしても、安心感がありました。

竹財:城戸はとにかくとがっていましたね。『ポルノグラファー』のときは優しかったのに、なんでこいつこんなにとんがっているんだろうと思っていました。

吉田:『インディゴの気分』では城戸には奥さんも子供もいないんですよね。男って所帯を持つと余裕が生まれるのかなと感じていて、それがないぶん、すべての決定権が自分にある。わがままでもいいし、背負うものがないという表現が、そういうキャラクターづくりになったのかもしれません。

――撮影以外での3人はどんな関係性なのですか?

猪塚:吉田さんはイジられキャラというか、ムードメーカーですね。

吉田:天然な部分が出ちゃうんですかね。

猪塚:竹財さんはすごく男らしいというか、僕的にはすごく頼りになるお兄ちゃんという感じがします。

竹財:2人ともとても可愛いです。僕の好きなタイプの役者さん、役者バカなんです。芝居に対して真摯というか、まったく舐めた態度を見せません。それが当たり前なんですけど。キャリアはあまり変わらないのですが、この2人と芝居ができてよかったと思います。

――今作の見どころを教えてください。

竹財:僕は役者が感情を吐露する部分が好きなのですが、吉田さんが「みんなお前みたいに生きられるわけじゃないんだ」というセリフを発するときの顔がすごく良いんです。あとは“春くん”と呼びたくなるぐらい、温かく包んでくれた春彦にも注目です。もう1つ個人的には、蒲生田郁夫役の大石吾朗さんが、すごく良いのでぜひ期待してください!

吉田:ボーイズラブなので、男同士の場面が見どころとしてあると思いますが、すごく純粋なものとして観てほしいです。それだけではなく、蒲生田役の大石さんもそうですが、一人ひとりの人間ドラマがしっかり描かれているので、そこにも注目してほしい。木島と城戸たちに影響を与えた人たちの人生もすごく魅力的なので。

猪塚:『インディゴの気分』は続編ということですが、ある意味でまったく別の作品でもあるので、『ポルノグラファー』を経た3人が作り出したキャラクターと、三木監督の世界観を堪能してほしいです。

――前作ではラブシーン中にコーヒーが揺れるシーンが印象的でした。

竹財:今回はコーヒーどころかペットボトルが揺れます(笑)。あとはたばこの煙や、桜の花びらとか……。僕は三木監督の心理描写を表す映像が好きなので、今回も期待してもらって大丈夫だと思います。

(取材・文:磯部正和)

この記事のライター

磯部正和

雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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