東山紀之、中島健人と“清張“作品で初共演「巡ってくる役で人生が変わる」と期待

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東山紀之中島健人Sexy Zone)、柄本明が共演する、フジテレビ開局60周年ドラマ『砂の器』が、3月28日(木)19時57分から放送されることが明らかになった。1974年の映画化以降、映像化のたびに日本中の話題をさらってきた松本清張不朽の名作を、清張生誕110年でもある2019年、現代を舞台に全く新しい解釈でドラマ化する。

2018年、ハロウィーン当日の渋谷で、撲殺死体が発見され、捜査一課の刑事・今西栄太郎(東山)は独自捜査に乗り出す。手がかりは被害者の東北訛りと、“カメダ”という言葉で、それらを追跡していくと新たな謎が浮上する。犯人でもある天才作曲家の和賀英良(中島)は、周到かつ完璧な殺害後、協奏曲「宿命」の作曲に没頭していた。華やかな世界に約束された未来がある和賀の運命の歯車は確実に狂い出し、秘められた過去の秘密、父・本浦千代吉(柄本)との関係が暴かれそうになる。

主演の東山演じる鋭い観察眼を持つベテラン刑事と、中島演じる父との“宿命”を背負う天才作曲家の攻防、そしてその作曲家が幼い頃に生き別れた、柄本演じる父との複雑でせつない“絆”を軸に描かれる本作。

今回は、東京・渋谷を舞台に大胆にもアレンジ。また、犯人を推理していくのではなく、殺害したのは天才作曲家・和賀であることを序盤に明かしてから、今西の捜査と彼から見た和賀の日常を並行して描くスタイルになり、今まで映像化されてきた作品とは全く違う見せ方に挑戦するという。

東山は今回のオファーについて、「松本清張先生の作品にはいくつか出させていただいていますが、『砂の器』は名作中の名作ですから、自分もこういう役がめぐってくる年になったのだなと感慨深いです」と明かし、「今回は現代に置きかえて描くということですが、人間の芯をえぐり出すという清張先生の作品ですので、大変やりがいを感じています」を気合十分。

これまで丹波哲郎渡辺謙らが演じてきた今西という役については、「今作の今西はちょっとアプローチが違うと思っています。今西と犯人である和賀の育ってきた環境、培ってきたものがなんとなく似ている、同化している……という気がしていて、それを皆さんがどう感じていただけるのか、人生を考えさせられる清張先生ならではの“人間”を表現したい」と語り、「いつの時代も若者は同じ悩みを持ち、年を取るにつれ感じ方は違ってくるのですが、そのときは同じようなことを思っていたりします。多くの人が共感できる作品にしたいです」意気込む。

事務所の後輩となる中島とは初共演。「今の彼にしか出せない輝きや苦悩があると思うので、どう表現するのか僕も楽しみです。歌ったり踊ったりコメディをやるのとはちょっと違いますから、あぶり出される人間臭さを彼がどう出してくれるのか、期待しています」と共演を楽しみにしている様子。さらに「僕自身もそうですが、彼が俳優として目指すべき道が見えてくる作品になると思います。巡ってくる役で人生が変わる……いい意味で彼にとっての“光”が見えてくると思いますね」とメッセージをおくる。

原作の大ファンで、過去に映像化されてきた作品も何度も見てきたという中島は今回のオファーを受け、「感動しました。“平成最後の奇跡”だな、と。それくらいこの作品を好きだったので、命をかけてこの役を生きようと思っています。歴代、名優の方々、大先輩たちが演じられてきた和賀の役をいただいたのは、奇跡以上の“宿命”かもしれません」と感極まっている様子。

和賀という役については、「歴代の和賀英良を見てきましたが、時代背景がそれぞれ違います。今作では“平成最後”という舞台で和賀を演じさせていただく上で、現代感を大切にしつつ、今までの作品の素晴らしさを引き継ぎたい」と明かし、「うまく自分と『砂の器』の歴史を折衷させて、新しい和賀英良を作っていきたいと思っています」と気合十分。

東山との初共演も「宿命」といい、「僕が一番憧れている……いや崇拝している先輩なので一緒にひとつの作品を作り上げるというのが僕の夢でした。しかも『砂の器』で、というのが信じられなくて。香盤表を見ると、東山紀之と書いてある。一枚一枚捨てられないです」としみじみ。東山から「勝負しようぜ」と言われたそうで「そこは僕も全力で挑ませていただきたいと思います。現場では東山さんを敵だと思ってしっかり対決するのが、大事ですので」と決意を固めている。

柄本は「(1974年の)映画は、野村芳太郎さんが監督で、橋本忍さんと山田洋次さんが脚本の大名作。千代吉は加藤嘉さんがやっていらした役ですね。映画を見たときに感動したのを覚えています」と過去のエピソードを明かし、「その役をいただいたことに非常にうれしく感じております」感慨深い様子。また「今回は現代に置き換えたテレビ版としてどのような作品に仕上がるのか、楽しみに見て頂ければ幸いです」とアピールしている。

後藤博幸プロデューサーは「原作『砂の器』には、人々の関心が政治から経済へ大きくシフトする1960年という時代のさまざまな位相が詰め込まれていました。それから半世紀以上が経ち、人の価値観も変化し続け、今、平成から新しい時代へ変わろうとしています。このまさに時代の転換期だからこそ、人の心をわしづかみにする原作の普遍的要素は活かした上で、今この瞬間の社会的背景を踏まえた舞台設定に改変し、2019年のリアルをぎっしりと詰め込むことで、“宿命”をテーマにした新しい『砂の器』を作ってみたいと思いました」とコメント。初共演となる東山と中島、そして名優の柄本が松本清張不朽の名作をいかに演じていくのか、期待が高まる。

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