四季の中で秋が一番好きです。私ごとですが10月は自分の誕生日もあるし、外飲みにちょうど良いし、寒くもない。とんでもなく寒いのとか、クッソ暑いのとかすっ飛ばしてずっと秋だったらいいのにと願わんばかり。

さて今回は、現在『SUITS/スーツ』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~)に出演中の中島裕翔さんについて。ここ数年のドラマ出演率が非常に高いうえに、演技においてずーっと気になる存在だったんですよね。なぜそんなに中年女子(私)の心を掴んでしまったのか。その存在について秋の夜長にドラマを見返しながら考えてみました。

■高視聴率発進の『SUITS/スーツ』に1つだけ注文をつけるなら

敏腕弁護士・甲斐正午(織田裕二)は、違法行為スレスレのやり方で次々に事件を解決。彼がひょんなきっかけで出会い、アソシエイツとして雇うことになったのが完全記憶力を持ち、六法全書もすべて記憶する鈴木大貴(中島裕翔)。このふたりがタッグを組み、あらゆる事件を解決していく。

織田裕二さんと鈴木保奈美さん(甲斐の勤務する弁護士事務所の所長・幸村チカ役)が月9で25年ぶりに共演することが話題になった『SUITS/スーツ』。プロモーションの一環としてふたりが共演した『東京ラブストーリー』(フジテレビ系、1991年)は夕方に再放送され、放送前からじわりじわりと視聴者の心を突いてきた。私も録画をして改めて視聴したけれど、赤名リカ(鈴木)のストレートすぎる愛情表現が現代にはやや痛々しかったような……。25年間という時間の流れの重さを感じてしまった。

しかし満を持して放送された本作品はひと言、ストーリーの展開が軽快で面白かった。エリート弁護士とずば抜けた記憶力を持つ青年。頭脳明晰同士がコンビを組んで事件を解決していくのは、なんとも爽快なのだ。

これがただ悪巧みをテーマにした話になると、愛だの情だのが絡んできてややこしい。それが面白かったりするパターンもあるけれど、織田さんに関しては『踊る大捜査線』(フジテレビ系、1997年)の青島刑事役で存分に熱さを発揮してくれたので今回はテンポ良く! で進んで欲しい。アメリカで爆発的ヒットを飛ばしている原作では、企業買収や司法取引といった大きな事件を取り扱っているので、本作品も期待したいところ。

■“ほどよいナヨ感”が魅力的な25歳が草なぎ剛を超える日も近い

さて本作品に話を戻そう。今回はスマートに甲斐を演じている織田さん。でもやはり存在感がデカすぎるのか熱さがジンジンとこちらに伝わって来る。その熱さを緩和するかのように、甲斐とタッグを組んで大貴役を演じているのが中島さんだ。さすがHey!Say!JUMPというアイドルグループの一員とあって、安定の爽やかさを醸し出している。

中島さんが世間にドカンと名前が知られたのは社会現象にもなった『半沢直樹』(TBS系、2013年)の中西英治役。半沢(堺雅人)の部下の真面目な銀行員役として登場した。当時21歳だった中島さんの着慣れていない感じが伝わって来るスーツ姿が可愛らしく「あれ? この人ジャニーズの……」と思ったことを記憶している。もちろんあの甘顔も記憶植え付けを後押ししたけれど。

その後も『デート〜恋とはどんなものかしら~』(フジテレビ系、2015年)で月9出演。剣道を得意とするまた真面目な好青年役を演じた。主演作の『HOPE〜期待ゼロの新入社員〜』(フジテレビ系、2016年)では、プロ囲碁棋士に夢破れて会社員として出直す、努力家の青年役に。『母になる』(日本テレビ系、2017年)では、実直で周囲から信頼のある児童福祉司役を演じあげた。

もちろん彼の出演作は挙げた以外にも多数ある。でもトータルして考えると真面目、優しい、努力家といったワードが浮かんでくる好青年役が多い。読んで字のごとくだけれど、彼氏や旦那にしたい条件とも言える。同イメージで“いい人”の役はかつて草なぎ剛さんの専売特許だったけれど、また違うベクトルの魅力が中島さんからは伝わって来るのだ。

好青年役は難しいと思う。ただ優しさ満点な様子を画面いっぱいに魅せるだけでは視聴者の印象に残らない。いや、残るまでに時間がかかるし、エキセントリックな役のほうがよっぽど爪痕が残せる。

それでも自分の残り香を中島さんが残している理由のひとつに178㎝(ウイキペディア調べ)という高身長があるのではないかというのが、スナイパー小林予測。俳優で高身長というと、共演者との絡みを懸念するといった理由からネックになることが見受けられる。主演より目立ってしまったら、それこそ公開処刑にもなりかねない。

中島さんはさすがジャニーズだけあって、高身長でもスリム。ドラマでも適度に気配が消しているのか、消えているのかは分からないけれど悪目立ちはしていない。実際に見たことはないのだけれど、ファッション雑誌のモデルもしているというスタイルの良さだ。加えてあの甘顔があれば目に留まってしまう。そんな存在の俳優が演じる好青年役なら、人気が急上昇するのもうなずける。

加えて時流もある。最近、取材を受けた中で現代女性の恋愛傾向についての調査資料を読んだ。SNSの普及などもあって人間関係が希薄化し、パートナーとの関係性に癒しを求める傾向が強くなる一方だそう。引っ張って行ってくれる男らしさよりも、ほどよいナヨ感のあるほんわか男子のほうがダントツ人気というではないか。

ビジュアルも含めてそれらの素養を持っているのが、中島さんだと思う。これからさまざまな役を経験していくと思うけれど、帰結するところは好青年役であってほしい。演技力ももちろん含めて彼にはすごく似合っているのだから。

さて『SUITS/スーツ』。第1話で普段強気な発言のない大貴が

「あなたより法律に詳しい」

と、甲斐を挑発するかのようなシーンにニヤッとした。来週も絶対に見る。

(文・スナイパー小林)

■10月15日放送『SUITS/スーツ』第2話あらすじ
甲斐正午(織田)は、クライアントである「いろは銀行」の佐橋哲平(米村亮太朗)から内部告発を受ける。部長の谷川好昭(長谷川公彦)が預金を不正流用し水商売の女性に貢いでいるというのだ。

同じころ、鈴木大輔(中島)は、甲斐に命じられ、プロボノ=無料法律相談会の仕事に取り組んでいた。そこで大輔は、勤めていた病院の院長から愛人にならないかと誘われたが、それを断ったせいで解雇されたという看護師・河瀬今日子(関めぐみ)の相談を受ける。今日子に同情した大輔は、法廷で闘うべきだと彼女に告げると、甲斐にもその旨を伝えた。甲斐は、クライアントに同情するなと言って一度は反対した。だが、相手が東都医科大学病院院長の海部政継(中村育二)だと知ると、すぐに先方に連絡するよう命じる。海部は日本医師協会の次期会長候補。スキャンダルを嫌って示談に応じるはず、という甲斐の読みだった。

海部の代理人弁護士・館林憲次(小須田康人)は、甲斐の予想通り、大輔が提示した金額での示談に応じる。交渉成功を喜ぶ大輔。だが、甲斐の秘書・玉井伽耶子(中村アン)は、物事が上手くいきすぎているときは必ず不吉なことが起こる、と大輔に告げる。その予言通り、大輔は、アソシエイトを監督する立場でもある蟹江貢(小手伸也)から、仕事に関しては逐一報告書を提出するよう命じられる。さらに、海部のセクハラ疑惑を報じるネットニュースが流れてしまい……。

この記事のライター

スナイパー小林

出版社2社を経てフリーランスのライター、編集者に。書いて何かを発信できるならば媒体は問わず、エンタメ、カルチャーを中心に暗躍中して制作した単行本は100冊越え。自称・テレビヲタ、ドラマに関しては小学生のとき初めて見た『毎度おさわがせします』から毎クール、全作品をチェック。恋愛ドラマが好きすぎる。愛酒家、静岡県浜松市出身、戸籍も子宮もきれいな正々堂々の独身。

女優の藤山直美が、2020年1月に放送されるテレビ東京開局55周年特別企画 新春ドラマスペシャル『最後のオンナ』(テレビ東京系)で、主演を務めることがわかった。藤山は、スナック「ビーナス」のママ・山田美奈子役で登場する。

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