井浦新、這いつくばってでも生きる姿は美しい『ケンカツ』の魅力を語る

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いよいよ最終章に突入するドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』(カンテレ・フジテレビ系、毎週火曜21:00~)。劇中で、生活保護現場を長年経験してきたケースワーカーの半田明伸を演じる井浦新が、第9話の見どころを語った。

同ドラマは、主演の吉岡里帆が演じる新人のケースワーカーの義経えみるが、生活保護受給者と向き合う「生活課」に配属され、受給者たちの壮絶な人生に直面し、奮闘しながらも成長していく姿が描かれている。

9月11日放送の第9話では、えみるがずっと気にかけてきた高齢受給者の丸山幸子(小野和子)と孫のハルカ(永岡心花)の目の前に、娘を残して4年間も男と姿を消していたハルカの母・梓(松本まりか)が突如帰ってくるというエピソードが描かれる。梓は生活保護を受けたいと申し出るが、失踪した理由を尋ねると梓の態度が一変、攻撃的な一面を見せ始める……。えみるや半田(井浦)は、どう対応するのか?

第9話について、井浦は「第4話は、安達祐実さんが演じられた、育児によって疲弊していく母親とどう向き合ってサポートしていくかでした。一方、第9話で描かれる、色々な感情が欠落した状態で母になった梓のケースはもっと複雑」と分析。さらに今回は、半田の過去も描かれる。「どんなに繋がったと思っても、本当にその人の気持ちを全部分かってあげることは出来ない。完全に打ちのめされたときに、半田さんは自分のやり方で学んだのです。なので『えみるがそれに近いようなケースに向き合ったときに、どんな挫折をして、どうやって立ち向かっていくのか?』というところが大きな見どころ。“一生懸命さ”が通用しなさそうなケースに対して、ケースワーカーの仕事がどこまで届くのかというのが、9・10話の面白さなんです」と最終章の見どころをアピールした。

井浦は、「実際に自分の身体を動かしながらケースワーカーの仕事を見ていくと、“本当に大変な仕事”というのが身にしみました」とこれまでの収録を振り返る。さらに「このドラマを通して、『ケースワーカーという仕事を知ってほしい』『生活保護とは何なのかを知るきっかっけになればいい』と思う反面、ケースワーカーが頭を悩ますほどのケースを生む、受給者の生き様もちゃんと描かれています。生きることは大変。それでも這いつくばってでも生きる姿というのは、やっぱり美しいなと思うんです。それをこのドラマの受給者の姿から何度も感じさせてもらっていて。諦めてしまった方がラクなのに、最低限度の生活をサポートしてもらいながらも、生きるということは強いことだと思うのです。人間が生きていることって、どんなケースがあったとしても“小さな光がキラキラ輝いているなぁ”って。誰にでも可能性というものはあるんだなと感じるし、そういうものが世の中に広がっていけば幸いだなと思います」と締めくくった。

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