佐野史郎、狂気の老人役に「冬彦さんの10倍ひどい」

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オトナの土ドラ第14作目『限界団地』(東海テレビ・フジテレビ系、6月2日よりスタート、毎週土曜23:40~24:35)の1話試写・制作発表会見が29日に都内で行われ、主演の佐野史郎をはじめ、共演の足立梨花迫田孝也山崎樹範が出席した。

佐野演じる、優しいが思い込みが激しい“最狂の老人”寺内誠司(62歳)が、廃れ果てた団地を、古き良き団地へと導こうと画策する様を描く本作。

佐野は『ずっとあなたが好きだった』(TBS系、1992年)での“冬彦さん”を彷彿とさせる演技で狂気の老人役を熱演。感想を問われると、「それを期待されているのもわかりますが、かつてのマザコン男は自分が悪いとは思っていない。ある意味で犠牲者だった。でも、この人はその折り合いのつかない社会に逆に打って出る。冬彦さんより一枚上手なんです。やることも10倍ひどい。あの若い男とは違って攻撃的」と紹介した。また、「俳優はその役の弁護士みたいなもの。犯罪者であれ善人であれ、その人の言い分を何とか弁護してあげようという気持ちがあるんですけど、この人は弁護できないところもたくさんあって……」と苦笑い。

63歳にして連続ドラマ初主演となる今回のオファーついて、「鳩が豆鉄砲をくらったような顔をしていたと思います。マネージャーからは深夜のドラマやるからってくらいしか聞いていなくて……。準備稿をもらっておかしいなって。やけに出番が多いぞって。そうしたら主演だった。えらいことになったぞって」とため息をついてみせる。「連続ドラマの主演をやりたいと思ったこともないんです。連続ドラマを引っ張っていく重圧はわかっているので。でも引き受けた以上はやるしかないって気を入れなおしました」とコメントした。

佐野と初共演となる足立は、佐野の実の娘と同い年。佐野は「最初は娘と同い年だと思って接していましたけど、今は隣の団地妻にしか見えない」と述べてニヤリ。足立が生まれた年に放映されたのも『ずっとあなたが好きだった』であったが、足立は「私の世代は知らないんです。でも、冬彦さんに対する皆さんの反応を見ていると日本中ですごい現象が起きたドラマだったんだなってわかります」と述べ、「だから今回、この『限界団地』こそが佐野さんの代名詞になるよう、私も力添えできたら嬉しい」と意気込んだ。

佐野は主演の大変さについて「朝から晩までずっと、撮っても撮っても終わらないっていうのが正直な感想。走るし、太極拳もあって意外な運動量。太極拳は健康にもいいし、おすすめですよ」と明かす。そんな寺内役に、やりがいを感じている様子で「ここ10年で一番楽しいシーンもありました」と笑顔で話していた。

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