池上彰、拉致被害者・蓮池薫さんと緊急対談

公開: 更新:

池上彰が日本や世界の重要なニュースをわかりやすく解説する好評シリーズ『池上彰緊急スペシャル 激動の朝鮮半島!どうなる拉致問題!平成の宿題 徹底解説』(フジテレビ系)が、4月29日(日)19時から3時間にわたって放送される。

平成が始まって今年で30年。一年後の4月30日、天皇陛下は退位され、平成という時代が終わる。そこで今回は、平成30年史に起こったさまざまな事件、災害などのニュースを振り返りながら、残りあと1年、この時代に解決すべき「平成の宿題」を、3つのテーマに分けて池上が徹底解説する。

まずは「平成の日朝関係」について。平成と言えば、日朝首脳会談が行われ、5人の拉致被害者が帰国することができたが、まだ帰国していない人もいるほか、調査も進展していない状況だ。そんな中、北朝鮮の金正恩委員長の電撃訪中、今後もおよそ10年ぶりに行われる南北首脳会談、さらに米朝首脳会談へと進んでいこうとしている。昨年11月までは、弾道ミサイルの発射実験や核実験など、力で威嚇していた北朝鮮が、今は“力から対話へ”と移行。番組では、この“力と対話”が繰り返されてきた歴史を振り返りつつ、日本と北朝鮮の平成30年の関係を解説。そして拉致問題はどうなるのか? 池上と、拉致被害者・蓮池薫さんとの緊急対談も行い、「残された拉致問題」を、平成に残された宿題として詳しく解説する。

続いては「平成の災害」。数々の災害が起こった平成、それは、地震予知の限界を突き付けられた時代でもあった。今後の地震予知の行方は? 全国各地で取り組みが始まった防災&減災を取り入れた街を取材する。

そして最後のテーマは「平成の快挙」。平成では19人もの研究者がノーベル賞を受賞しており、これまでの受賞者数のランキングでも世界上位に入っている日本。しかし、10年後には日本のノーベル賞受賞者が激減するかもしれないと、池上は危機感を訴える。将来にノーベル賞受賞者となる研究者の危機をどう救うか? 日本人に突き付けられた宿題とは?

収録後、池上は「平成の事件やスポーツを振り返ることなどは、いろんな番組がやっていますが、この番組はただ振り返るだけでなく、さまざまなテーマを“宿題”という形にし、今度に繋げる課題を提示、視聴者の皆さんと考えていくのが新しいと思います」と見どころをコメント。

平成について聞かれると、「いろいろとありましたね。バブルがはじけてから、東西冷戦が終わってからの平成です。今から思えば、東西冷戦時代は世界の秩序がわかりやすかったんです。二大大国が対立しているという構図。平成に入り、二大大国もなくなり、何でもありで、テロが起きてくるということになった。バブルがはじけた後のデフレ状態、その中で新しいビジネスが誕生したりはじけたり、日本国内で試行錯誤が続いてきた激動の時代だと思います」と振り返る。

自身について「実はキャスターになったのが平成になってからなんです。16年間の記者生活では、よその記者に負けないように、みんなが驚く特ダネを書くことばかり考えていたのが、平成元年から、突然キャスターになれと言われて。初めて、他の記者の書いた原稿を読むことになって“NHKのニュースって、なんてわかりにくいんだろう!”って。“面白い話を何でこんなにつまらなくするんだろう”って愕然としました。そこから“このつまらないニュースをみんなにわかりやすくできるのか?”を考え始めたわけです。それを5年間やってみたら、次は“池上、こどもニュースをやれ”って言われたんです。ニュースを読み始めた時、経済の原稿があって“こんなのわからないですよ!”と言ったら、経済部デスクから“わからないのはお前がばかだからだ!”と言われましたから。“私がばかかもしれないけれど、わからないまま読んだら、視聴者はもっとわからないですよ!”と、毎日が闘いでした」と回顧した。

そして「とにかくわかりやすく、わかりやすく、とやってきたのですが、今思うとわかりやすくやるだけで良いのかなと、ここにきて反省があります。本当は、ニュースをわかりやすく理解してもらって、私たちはどうしたらいいのかなと、その先に一歩行ってもらいたくて伝えてきたんです。でもかなり多くの方が“あ! そうなんだぁ”ってわかって、納得しておしまい。それってどうかなと思っていて。今、悩んでおります」とさらなる課題を語っていた。

PICK UP