「バカの壁」養老孟司が語る“日本人ノイズ化現象”

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解剖学者で作家の養老孟司が、1月30日に放送された『トーキングフルーツ』(フジテレビ系、毎週火曜24:25~)にゲスト出演。日本の将来について、MCの古舘伊知郎と共に語り合った。

古舘とトークをする中で、養老は「日本の問題と言えば、2030年には4割が単身世帯になるということ。これはちょっと気になっている」とポツリ。「そうすると人とあまり付き合わないでしょ? それはもう(今の時点で)ハッキリ出ている。会社で同じフロアで働いているのに、用件はネット(やメール)で話しちゃう」と実例を出す。さらに「これね、どこから始まったのかというと、医療なんですよ。僕が現役だったのは20年前ですけどね、その頃患者さんに文句を言われたの。“先生は私の顔を見ないで、コンピューターを見ている”って」と苦笑した。

また、養老は銀行へ行った際のエピソードも披露。「手続きをすると、本人確認の身分証明書が必要でしょ。僕が“ない”って言うと、銀行の人は“困りましたね。(本人であることは)わかっているんですけどね”って言いやがったんですよ。腹は立たないけど、“はて、僕は何なんだ”って思ったんです」とこぼした。「2~3年考えてやっと答えが出たんですよ。俺は“ノイズ”なんだと……(銀行からすれば)本人はノイズなんですよ。銀行のシステムは、本人確認書があれば良いんだから。本人は余分(ノイズ)じゃないですか」と持論を展開。古舘は「そうか~」と感嘆の声をあげた。

さらに養老は「そう考えると、会社のシステムも納得がいくんですよ。メールにしたら、本人の顔色も匂いも何もないから(気を使うこともない)。だからそれで悩む人は“田舎行け”って思う。地方へ行ったら自分の価値に気が付くはずですよ。近所の人から“あの人だれ?”って関心持たれるでしょ?」とアドバイスしていた。

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