「こじらせ」生みの親・雨宮まみのエピソードで涙『久保みねヒャダ』最終回

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漫画家・久保ミツロウ、エッセイスト・能町みね子、音楽プロデューサー・ヒャダインの“こじらせ系”クリエーター3人が、毒舌&妄想&本音トークを繰り広げる一風変わった文化的おしゃべりバラエティ番組『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系列、毎週土曜深夜)。9月23日は、地上波グランドフィナーレ(最終回)となるスペシャル版が放送された。

最終回ではあるものの、番組はいつも通りにスタート。あまりの普通さに、「そんな始まり方ですか」と異議を唱える久保。能町が「最終回感出します?」と尋ねると、「もうちょっとエモい感じ」とリクエスト。一方で、ヒャダインは「最初から(EDテーマの)『愛はおしゃれじゃない』がかかるとかじゃないですか」と提案。これには2人も「あーきますね」と納得していた。

今回は番組放送開始時の2012年から2017年まで、約5年間の放送を振り返り、その中で最もこじらせた瞬間を「こじらせた大賞」として表彰することに。特別ゲストの千葉雄大を迎え、放送第1回の久保とヒャダインの出会いから振り返っていく4人。番組キャラクター・はっちゃんの初登場シーンや、「久保みね女子旅」で一般人のおじさんに叱られたシーンなど、次々と流れる思い出の場面に、久保は「全体的にいろいろ笑えて泣けてきた」と目を潤ませるのだった。

さらに、「こじらせライブ」や「千葉ヒャダ旅」など、スタジオを飛び出して繰り広げられた名場面の数々に、ヒャダインは「20分番組とは思えないですね」と語り、久保も「めちゃくちゃ、いろんなことやってますね」と感慨深げ。また、能町は「私、この番組で本当にいいことできたなと思ったのは、この2人(ヒャダインと千葉)に会話をさせたことですよ」と、ヒャダインと千葉の間で展開される“なりきり芸”について振り返った。「この番組で、もしかしたら一番いいことだったかもしれない」と語る能町。最終回ということもあり、その場で、ヒャダインと千葉に、「バーでモテないのを嘆く客と、その客を慰めるが、自分はモテるので嫌味が漏れてしまう若い客のなりきり」をリクエスト。そして、この難しいシチュエーションを見事こなした2人に、深く感心する久保と能町だった。

ノミネートされた全ての名場面を見終えた4人。審査員の「TVBros.」記者の選定によって「こじらせた大賞」に輝いたのは、「WE ARE THE ひとり」だった。番組ではお馴染みのスキ間ソングの一つであり、正月を1人で過ごす人への応援歌として作られたこの曲。能町は「番組全体のテーマソングみたいな感じもありましたね」と評し、久保は「ネタ出しを私がした気がするんだけど……」と振り返った。また、その際に「こじらせ」の生みの親であり、2016年11月に逝去した作家・雨宮まみ氏とのやり取りを思い出し、涙を流す一幕も。

最後は「WE ARE THE ひとり」の最新バージョンを全員で聴くことに。撮り下ろされたミュージックビデオには、元フィギュアスケート選手の小塚崇彦や、タレントのベッキーなど、番組にゆかりのある人達が総登場。曲の終わりには、2014年夏の「久保みね女子旅」で出会った「とびない旅館」の主人・飛内さんがスタジオに参上。番組への思いをしたためた手紙を飛内さんが読むと、ヒャダインは目を真っ赤にして号泣。久保と能町も「ナマ飛内さんからの手紙はいいもんですな」「本当にうれしいです」と感謝を伝えていた。そして、ヒャダインが「とりあえず地上波はこれでお別れでございます」と番組終了を宣言。「5年間ありがとうございました。何かしらやるからよろしくね」と締めくくった。

番組ではこの他に、ヒャダインと千葉が沖縄の石垣島を巡る最新の「千葉ヒャダ旅」や、古坂大魔王と作った多国籍ソング「AKIRA」のミュージックビデオ撮影の模様なども放送。最終回ならではの盛り上がりをみせた。

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