インタビュアーが恐れる「樹木希林方式の返答」

公開: 更新:

漫画家・久保ミツロウ、エッセイスト・能町みね子、音楽プロデューサー・ヒャダインの“こじらせ系”クリエーター3人が、毒舌&妄想&本音トークを繰り広げる一風変わった文化的おしゃべりバラエティ番組『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系列、毎週土曜深夜)。7月22日の放送では「樹木希林方式のインタビューの返し方」で盛り上がった。

出演者の近況を報告する「久保みねヒャダ近況まとめ」で、能町による「インタビューの返しを全部、樹木希林方式にしたい」というツイートを紹介。能町は、女優の樹木希林による、淡白で“つれない”インタビューの返し方に、感銘を受けたそうで、自身もそのインタビューの返し方を真似したいと力説した。

能町によれば、樹木希林はプレゼントを人からもらう時にも「包装を破いて捨てて、ダンボールを束ねてが面倒くさいから、いらないって言っているのよ」と返すらしく、その社交辞令や適当な愛想でごまかさないリアクションに魅力を感じるという。能町は、樹木希林が意地悪や何か意図があって、そのような返し方をしているわけではなく、「たぶん、本当に素直に言っているだけだと思う」と指摘。それゆえに、「生半可な質問をすると、10倍くらいになって返ってくる」と解説した。

樹木希林のように、くだらない質問には毅然とした態度で臨みたいという能町が、実際にヒャダインをインタビュアーにして、受け答えを実践。まずはヒャダインが能町の趣味の相撲について、「相撲の魅力を教えてもらってよろしいですか?」と質問。すると、能町は、「別にあなたに教える必要ないし。そんなに興味のない人にまで面白がってもらおうと思わない」と、見事、樹木希林方式の“返し”をやってみせるのだった。これには、久保とヒャダインも爆笑。

さらに、久保もインタビュアーになりきって、「結婚するなら、どのお相撲さんと結婚したいですか?」という、くだらない質問を投げかけると、能町は、「仮定と申しましても、実際にはありえないことですから……」とムスッとした表情で返し、樹木希林方式の返し方を完全に自分のものにしていた。

「(樹木希林方式の返し方は)気持ちいい!」という能町に対し、久保も、「でもね、何も間違ったこと言ってないんだよ」と、この樹木希林方式が質問の答え方として正しいことを指摘。さらに、「ちょっと待って、私も……」と、久保も樹木希林方式を実践してみることに。インタビュアーに扮した能町が、「いろんな作品をお描きになってきたと思うんですけど、一番思い入れのある作品はどの作品になりますでしょうか?」と質問すると、「そんなの忘れますよね」と早速、つれない返事をする久保。

「今、私の記憶の一番上にあるのは、新しいから上なわけであって、大事なものを部屋の奥で大事にしまっておくと、それがなかなか引き出せないから忘れちゃう。でも、それが大事じゃないかっていったら、そうじゃないでしょ? 散らかっているどうでもいい野菜ジュースの紙パックとか、そういうのが目に入っていて……」と畳み掛けると、「……どうもありがとうございました」と、インタビュアーである能町のほうが途中で打ち切ってしまう事態に。これには、全員が爆笑。質問に流されず、毅然とした態度で応じる樹木希林方式の返し方が、改めて有用(?)であることを証明してみせた。

番組では、この他に、納得のいかない駅名を検証して勝手に直す「駅名ソムリエール」や、
視聴者から募集した「体育への恨みつらみ川柳」のコーナーなどで盛り上がった。

PICK UP