紅白で話題に PPAPと『シン・ゴジラ』コラボの裏話

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漫画家・久保ミツロウ、エッセイスト・能町みね子、音楽プロデューサー・ヒャダインの“こじらせ系”クリエーター3人が、毒舌&妄想&本音トークを繰り広げる一風変わった文化的おしゃべりバラエティ番組『久保みねヒャダ こじらせナイト』(フジテレビ系列、毎週土曜深夜)。2月25日の放送では、先週に引き続き、ピコ太郎のプロデューサー・古坂大魔王をゲストに迎え、紅白歌合戦の裏側に関するトークや、出演者一同での曲作りなどで盛り上がった。

昨年末のNHK紅白歌合戦に初出場したピコ太郎。古坂は、「目標に紅白とサマソニというのがあって……」と、ピコ太郎の当初の目標として紅白を設定していたそうで、さらに、「最近増えたのが、グラミー賞と東京オリンピック」と、このブレイクによって新たな目標が増えたと語った。

ピコ太郎は紅白で、第九のメロディーに合わせ、合唱団と共に大ヒット中の「PPAP」を披露。第九と「PPAP」のコラボは、もともと第九とハレルヤをテクノと混ぜられないかと考えていた古坂からの発案で、今回、思いが実現した形となった。NHK側からは、「(紅白で)シン・ゴジラと対決してほしい」というオファーを受けたそうで、すぐに快諾したという。古坂は、「ちょうどいいと思って。庵野監督といえば、エヴァでの第九じゃないですか」と説明。『シン・ゴジラ』庵野秀明総監督の代表作である『新世紀エヴァンゲリオン』の劇中でクラシックの第九が使われていたことから、「これは“庵野繋がり”でいける!」と考えたという。

実際に紅白を見たヒャダインは「かっこよかった。(第九と)混ぜやすいんですね」と感心。古坂も「あれはもう、すごい経験をピコ太郎を通じてさせてもらったな、と」と感慨深げに振り返った。

さらに、3月6日には日本武道館での公演が控えているピコ太郎。古坂は「これもう、無謀なんですけど、本当に」と前置きしつつも、「(今は)お祭り状態なので、お祭りだから、パーティーやらなきゃということで、行ける限り、世界の人に見てもらえる方向で作ります」と宣言した。

番組ではこの他に、古坂と、ヒット曲のすき間を狙った「すき間ソング」を作ることに。久保は「ヒットさせなきゃというプレッシャーはゼロなんで」と笑わせ、さらに、「せっかくこの面子なら、初の全部、英語詞で。英語レベルの低い日本人に合わせた、簡単な……」と曲の方向性を提案。さらに、「世界に向けてなら英語じゃなくてもいいと思う」という久保のひと言で、出演者それぞれが知る様々な国の言葉を入れていくことに。

能町が「エクスキューズミー」を提案すると、久保は「イルコントペルファボーレ」という、イタリア語で会計してくださいという意味の言葉を挙げ、さらに、タイ語で「はーい」という意味の「チャーイ」を追加。ヒャダインはロシア語でおばあちゃんという意味の「バブーシュカ」を推した。

それぞれが挙げた言葉を繋いで、ヒャダインと古坂がメロディーとリズムを付ける。想像以上に格好良くなったこの曲に対し、古坂は「やっべ、超最高。ピコ太郎に欲しいな」と絶賛。さらに、「いいね、AKIRAとかCOBRAの世界みたい」と近未来を描いた2つのコミックに例えた。これに共感した3人の意見により、サビに「アキラ」と「コブラ」を入れることになり、曲名も「AKIRA」に決定。こうして出来上がった多国籍ソング「AKIRA」を、最後は全員で熱唱し、番組初のパーティーソングが完成した。「すき間ソング」の中では珍しいアッパー系のこの曲を歌い終えた久保は、「初めて、作り終わって息が切れてます」と語っていた。

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