真矢ミキ「明智小五郎みたいな人」渡部篤郎との共演で感じたこと

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江戸川乱歩誕生120周年、没後50年を記念して、不朽の名作『黒蜥蜴』をドラマ化。関西テレビ・フジテレビ系で12月22日(火)21時より放送する。主演の真矢ミキが取材に応じ、ドラマの見どころや共演した渡部との撮影エピソードを語った。

『黒蜥蜴』は、財宝から軍事機密まで、金になるありとあらゆる“美しいもの”を盗み出す謎の女怪盗・黒蜥蜴と警視庁副総監・明智小五郎が繰り広げる頭脳戦を描いた物語。黒蜥蜴役の真矢ミキ、明智小五郎役に渡部篤郎、明智の部下で右腕の刑事・小林芳雄役の竜星涼、事件の鍵を握る令嬢・岩瀬早苗役に剛力彩芽、そして、黒蜥蜴の忠実な部下役に里見浩太朗といった豪華メンバーが集結する。

真矢は、江戸川乱歩作品は小さい頃から親しみがあったと言い、「小学生の頃、兄の部屋にあった江戸川乱歩全集を盗み読みしていたんです。その頃はゲームもありませんでしたから、文字から来る不思議で奥行きのある世界観は、非日常への入り口でした」とコメント。『黒蜥蜴』を初めて読んだ当時の感想を聞くと「幼少期の私にとって乱歩作品のトリックは本当に恐怖でしたよね。家の中でも何かあるんじゃないかと思いましたし、『黒蜥蜴』を読んでも、皆の顔がもう一枚めくれて、本当は違う人なんじゃないかと考えることもありました。それくらいリアリティを感じていましたね」と振り返り、本作への出演については「あれ以来読んでないですが、大人になって改めて読んだらどんな感覚なのだろうということに興味を持ちました」と語った。

そして、大人になった今、新たに映像化される『黒蜥蜴』については「台本を読んで、想像していたものを覆す世界観がありました」と語り、演じた黒蜥蜴については「見どころのひとつにゴージャスな世界観と衣装があるのですが、衣装はきらびやかに宝飾が施されているとかではなくて、無機質なんです。美しいものを剥製にして残したい、美しい宝石を集めたい、美しい国を集めたい……。すべてを揃えた時、人はどうなるのだろうと監督が考えていくと、“無機質”に行き着いたそうです。もちろん、絵画やオークションに出ないような盗品が並ぶ部屋もあるのですが、すべてを集めた先に見えるのは空虚しかない。その考えは振り切れていて面白いと思いました」とコメント。役作りについては「私も“この人は何を恋うのだろう?”と考えて、きっとぬくもりとか愛を恋う人なんだろうなって。江戸川乱歩の原作ですが、温故知新の世界を意識した、2015年版の『黒蜥蜴』になっていると思います」と明かした。

また、明智を演じる渡部との共演について聞くと、真矢は自分がセリフを間違えた際のエピソードを明かし、「とても呆れられた表情をされたんです(笑) でも、私そういうのが嫌いじゃないんですよ。その場のフォローは完璧なんだけど裏で何を言っているかわからない人よりも、“お前、集中しろよ!”ってピリッとした空気を流されると“そうですよね”って思えるじゃないですか。マネージャーさんとも“敵対するところから撮影に入るから、敢えてそういう態度をとったのかもしれないね”って話していました。何て言うのかな……。本当に明智小五郎みたいな人でした。熱いのにすごくクールだし、厳しいのにすごく優しいし。両極のすべてを持っている。現場に来ると“早く終わらせよう”って言うんだけどすごくこだわっていて。非常に面白かったです(笑) 撮影が終わる頃に思ったのは、渡部さんは、長くダラダラと考えてやるものじゃない。感性で“バンッ”てぶつかった時に化学反応が起きるものだと考えているのかなと思いました」と話した。

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