中川大志「泣いちゃうよ…」まる子の言葉に感動『映画ちびまる子ちゃん』収録秘話

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テレビシリーズとはひと味違う“映画”ならではの感動
テレビシリーズとはひと味違う“映画”ならではの感動
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――続いて、物語についてお伺いします。今回の映画は、普段のテレビシリーズとはひと味違った感動作に仕上がっていますよね?

いつも通りのまるちゃん、いつも通りのさくら家、いつも通りのクラスメートがそこにいて、確かにいつも通りの『ちびまる子ちゃん』でありながら、いつもとは違った一面も描かれています。クラスメートのみんなはホームステイを受け入れて、彼らと過ごす10日間の中で、国境を越えた友情が生まれる。いつもの清水の街に、外国人のお友達がやってくるという普段の生活の延長線上にある出来事なのですが、初めて台本を読んだ時はちょっと泣いちゃいました(笑) 感動するというか心が浄化されるというか……。本当に素敵なお話だと思います。

――公開されているスポット映像だけでも感動が伝わってきました。

灯籠流しや空港のお別れのシーンですよね。本当、最後の方は「まるちゃんそんなこと言ったら泣いちゃうよ。いつもそんなガラじゃないじゃん」と思いましたし、まるちゃんとアンドレアの思いが通じ合う、切なくて甘酸っぱい姿は、映画ならではの見どころだと思います。

――恋とはまだ違うのかもしれないですが、かけがえのない友情というのか、まる子とアンドレアの等身大の思いが凝縮されていますよね。

“恋”とか“好き”という気持ちって、小学生の時にあまり気付かないじゃないですか。10日間の中で徐々に関係が深まっていき、それでお別れする時がやってくる。この時の感情を言葉にするのは難しいですが、きっと恋とは少し違うと思うんです。男女だからとか、イタリア人と日本人とか関係なく、この10日間で二人の間に人として絆が生まれたのかなって。もしかしたら、まるちゃんとアンドレアが大人になった時に「あの時、好きだったのかな……」って振り返るのかもしれない。僕たちはどうしても恋という風に考えてしまいがちですが、とても自然な、純粋でピュアな二人の姿を見てあげてほしいなと思います。

――今回の『映画ちびまる子ちゃん』の他にも、今年の10月期にはドラマ「監獄学園」「南くんの恋人」で主演、来年は映画「四月は君の嘘」の出演が控えています。漫画やアニメが原作の作品に立て続けに出演されていますが、原作ファンの期待に応えるという部分で考えることはありますか?

もちろんあります。アンドレアは映画のオリジナルキャラクターなので、自由に作らせてもらえる部分が大きかったのですが、それでも、この世界観に入った時に『ちびまる子ちゃん』ならではのテンポや空気を壊すことは絶対にしちゃいけないと思いました。一方で、オリジナルキャラクターとして登場するからには、新しい風も吹かせなければいけない。そこを楽しみにされているファンのことをとても考えました。

漫画原作を実写化する時も原作ファンの方は必ず意識します。漫画って、10人いたら10人が思い描くキャラクターが、それぞれの中に生きているわけじゃないですか。それをなるべく多くの方に受け入れてもらえるように映像化するというのは難しいことだと思うのですが、原作を愛しているファンの方々に失礼にならないように、僕らも本気でその原作に対して愛と敬意を持ってやらせていただく。そうすることで僕らの思いも伝わると思います。

――最後に、中川さんが生まれる前に公開された23年前の『映画ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』を観たことはありますか? DVD化もされておらず、現在観るのは難しいのですが感動作として語られる作品です。僕も子どもの頃に観て感動した記憶があります。ある意味で、前作はライバルになると思うのですが、意識することはありますか?

『映画ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』はインターネット調べて少しだけ知っているのですが、残念ながら観たことはありません。僕自身が前作と比較することはできないので何とも言えないですが、今回の作品は、“外国の友達との友情”をテーマに描かれていて、外国の方がたくさん日本に来て、オリンピックが2020年に東京で行われる現代にマッチした『ちびまる子ちゃん』なのかなと思っています。25年間変わらない楽しい掛け合いもあって、そして映画ならではの感動の物語になっています。いつもの魅力と新しい魅力が合わさった作品になっていると思いますので、劇場で楽しんでいただけたら嬉しいです。

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