ドラマ版に「面白くて嫉妬した」伊藤理佐×浜野謙太スペシャル対談

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吉田鋼太郎が主演を務める土ドラ『おいハンサム!!』(東海テレビ・フジテレビ系、毎週土曜23:40~)の最終話が2月26日に放送される。最終話を前に、原作者・伊藤理佐×大森利夫役・浜野謙太のスペシャル対談が行われた。

本作は、恋×家族×ゴハンをテーマにしたコメディドラマ。伊藤原作の漫画『おいピータン!!』(講談社)他複数の伊藤作品をミックスして作られ、原作漫画の主人公・ピータンこと大森役を浜野が演じている。改めて振り返る大森の魅力や印象的なシーンなどを2人に聞いた。

<伊藤×浜野スペシャル対談>
―― まずは伊藤さん、ドラマを見た感想はいかがでしたか?

伊藤:すごい面白くて嫉妬してしまいました。漫画原作でドラマ化になると「原作の方が面白い」という評価がある事もあるんですけど「今回それはねーな」みたいな(笑)。例え話で言うと、私は酪農家で美味しい牛乳を作ってはいるが「これをチーズにさせてください」と言う人が出てきて、チーズを作ってそれがめちゃ売れした、みたいな。すっごい美味いじゃん、けど私はチーズを作ってないんだけど牛乳を作っているぜ! みたいな感覚ですね。チーズが売れると嬉しい。でも牛乳がないと作れないだろ? でもチーズの方が売れそうだなぁみたいな。すごい嬉しいし、このチーズ、美味いです!

――家族や友人など周囲からの反応は、いかがでしたか?

伊藤:「録画して2回見た」という感想が多いのにビックリしています。うちの旦那は「オマエの感想を聞きたくない」って言うんで別々のテレビで見ています。ちょっと緊張しながら見て「面白い、面白い」と言っていましたが、多分旦那も嫉妬していると思うんです。漫画がドラマになってより面白くなっているから。

浜野:うちの妻は本当にドラマを見ないんですよ。でも先日、妻の妹と会った時に「ドラマ見た? 何あれ面白いんだけど」って言われて。妹から「反芻度が高いし自分の家族とか見つめ直せるし、旨味がどこにあるのか分かんないけど旨い」みたいな感想を聞いた妻が「あ、そうなんだぁ」っていつもとは違う反応をしていて。妻が一番信用している妹から逆輸入みたいな感じで、“他のドラマとちょっと違う”というのは伝わったようなので、「ほら見た事か!」とちょっとスカッとしましたね(笑)。

――大森役が浜野さんに決まったと聞いた時の感想は?

浜野:それ聞くの、怖いですね~。

伊藤:意外ではなくスポッとハマる感じでしたね。実際、撮影現場を見学させてもらった時に、「にっ!」て笑ったホッペにシワができるのを見て、私はそういう風に描いた事はないけど「大森さんぽいなぁ」って思ったのと、あとは“動き”ですかね。大森さんて、ガタイが大きくないというのを浜野さんの立ち姿を見て改めて気づいたというか、後ろ姿がもう大森さんだったんですよね。あと“もちクチャ”っとした皮膚の感じがイメージ通りでしたね。

――ドラマや原作漫画での印象的なシーンは?

伊藤:私は第2話で伊藤家をピンポンダッシュして酔った由香(木南晴夏)を届けた後、一緒にいた部下の女性に「飲み直す?」って言った時の顔! ちょっとエッチな気持ちが入ったあの顔に「大森さんて、実はそういうキャラだった!」とハッとしました。

浜野:僕は原作を全部読み、大森さんの最初のほうの印象を大事にしているんですけど、後ろのほうになるとラブリーで天使みたいな印象もありますよね。そのシーンの脚本を読むと監督は“ちょっと下心がある大森さん”を描きたいのかなと思って。あそこは“旨い物を食べる”と“女性と行く”という2つの下心の塩梅が面白いシーンですよね。

伊藤理佐、浜野謙太
伊藤理佐、浜野謙太

伊藤:その前のシーンで女性に1回断られているのにね。「大森さんにそういう感情一切無いですし」ってハッキリ言われているのに……。

浜野:何とかなると思っている!(笑)。

伊藤:あの口ごもり方が本当に面白かった! ほかにも“罠か!?”って思うようなシーンがあって“居酒屋で大森の箸置きが箸袋を折って蟹の形になっている”とか“胸騒ぎシーンのシイナさんは何故か夕陽バック”とか「胸触り?」とか“気になる一言が追加されている”とかすごい面白くて、「私あんな台詞書いてない」って嫉妬しちゃいました。

浜野:ホント、罠がいっぱい(笑)。僕は第7話の“料理には2種類ある”って話が大好きで。大森さんの元カノ、ドラマで言うと由香が大森さんぽい、ちょっとふくよかな人と付き合いだして、その人が作る料理は美味しいんだけど幻滅しちゃう事があって……みたいな時に、大森さんが由香に「料理は2種類あるから気を付けろよ。相手の事を考えた料理か、考えていない料理か」って言う、あの指摘はすごいですよ!

――最終話に向けて視聴者へのメッセージをお願いします。

伊藤:すごい楽しみですし、もちろん録画もして見ます! 何回か見ると「ここはこうだったのか!」と面白い罠があるので、そこを発見したいです!

浜野:多分、編集で監督がまとめるのが大変なぐらい最終話には愛が詰まっています。僕は最初“大森さんちにお邪魔する”みたいな感覚だったんですけど、監督やキャスト、スタッフのみんながもう大森になっているから「これはもう“大森のつもり”でやらないとダメだな!」って途中で意識が変わりましたから。

伊藤:あ! 大森さんは三兄弟なので伊藤三姉妹の本作とは別に「大森三兄弟のスピンオフ」はどう? って妄想が激しすぎるか……でも本当にコレが最後な気がしないんです!

浜野:僕ももうちょっと続けたいんですよね。大森という役をもうちょっと広げたい!

伊藤:ぜひぜひ! 私も見たいです!!

浜野謙太、伊藤理佐
浜野謙太、伊藤理佐

<第8話(最終話)あらすじ>
伊藤家で以前買った宝くじのことを思い出した源太郎(吉田)。妻・千鶴(MEGUMI)と確認した宝くじの結果は!? 大森利夫(浜野)は部下の渡辺(太田莉菜)がおでんを注文する作法に運命を感じる。次女・里香(佐久間由衣)は古書店から待っていた連絡を受け、三女・美香(武田玲奈)は大倉学(高杉真宙)との直接対決を終え、さらにユウジ(須藤蓮)を訪ねるがすれ違ってしまう。最終回も恋と家族とゴハンの物語は止まらない! 源太郎は最後に何を語るのか!?

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