中村倫也×小芝風花×小池栄子・鼎談!共演して意外だったことは?『美食探偵 明智五郎』

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小芝風花、中村倫也、小池栄子
小芝風花、中村倫也、小池栄子

――この作品は“食”が大事。ご自身の中での食の位置づけやこだわりはありますか?

小芝:私は食と睡眠が大切で、多少嫌なことがあっても美味しいご飯を食べられたら頑張れるので、なくてはならない存在です。

中村:僕は30歳過ぎてから健康面を気にするようになりました。若いころは野菜は全然とらなかったんですが、野菜が全然とれてないなというときは、ちゃちゃっと買ってきたものをがっと鍋に入れて作ったり。“体を作る”という意識が大きいですね。あとは、家族や仲間と一緒にご飯を食べたらきょう一日幸せだったなと思いますし、生きる上でもちろん大切なことですが、人生が豊かになる場なのかなと。

小池:そうですよね。私も食は本当に大事で、一つのコミュニケーションツールとして、同じものをみんなで突っつき合って食べることが、豊かな時間を与えてくれるんだろうなと。それと、今回ドラマの中では、千葉からシェフの方が参加してくださって、本当に美味しい料理を劇中で食べることができるので、そういう意味でも見ていて楽しいと思います。

中村:あと、テーブルマナーが大変です、美食家の役なので……。毎回、監修の方に確認してもらいながら、はじめは不慣れで時間がかかっていたものが、みんなスキルアップしてスムーズになって、結束が固まってきてますね。なので、撮影が終わる頃には、僕はマナーに厳しい男になってますよ(笑)。

――ちなみに、中村さんご自身は美食家ですか?

中村:美味しいものはもちろん好きですし、母の手料理を食べて育ってきたので味覚バカではないと思うんですが、「これじゃないとダメ」とか、「あそこのコレが食べたい!」といったこだわりは強い方ではないですね。そんな中で、唯一こだわりがあるといえば蕎麦かな。「最後の晩餐候補は?」と聞かれたら、蕎麦と答えています。変わり種は受け入れがたいところもあって、蕎麦はシンプルに食べたい。最初に何もつけずに1本だけ食べて風味を味わい、次につゆにつけて空気を含ませてすする……と自分なりの作法はあります。実は父が同じように食べていたんです。それを見て育ったんだと、血を感じる瞬間ですね(笑)。

――それぞれ共演されて意外だったことはありますか?

小池:風花ちゃんはどっしりしている子だと勝手に思っていました……。もちろん本番に入ると度胸があるんですが、普段はふわふわしていて、緊張しいというのは意外でしたね。

小芝:そうなんです、緊張しいで(笑)。でもこの人には甘えて大丈夫だと思うと、すぐ甘えてしまってダメなんです(笑)。お二人はとにかく優しくて面白くて遊んでくださるので、ついつい甘えてしまってます。

小池:倫也と風花ちゃんはすごくいいコンビだと思いますよ。

中村:ずっとふざけてるもんね、俺ら。

小芝:メイキングがこわいくらいにふざけてしかなくて……。

中村:最近はふざけすぎてスタッフさんに無視されてるもんね?(笑)

小池:倫也がいじって……みたいなのはよく見かけるんですが、2人は「兄妹みたいだな」「昔から共演してたのかな」というくらい仲が良いよね。

小芝:カメラを向けられると、すぐ変な顔しちゃったり……。

中村:昨日はずっと座頭市ごっこしてましたね(笑)。

小芝:あはは(笑)。

中村:誰が一番、勝新さんの座頭市っぽくできるかと。北村有起哉さんがやったら写楽の浮世絵みたいな感じでしたね。そんなことして遊んでます(笑)。

小芝:小池さんはイメージ通りの方で、男性ぽくって、さっぱりされているのも、周りに気を使わせないためなのかなって、気配りも見えたりしてすごく素敵で……。

小池:おぉ……うれしい! 気づいたのね?(笑)

小芝:(笑)。中村さんは、変な顔や変なモノマネして遊んでくださったり、こんなにおちゃめな方だと思ってなかったです。

中村:変しか言ってないじゃん(笑)。

小池:クールな印象あるもんね。「俺は同年代でもひと味違うぜ」みたいな、斜に構えるところあるじゃん?「俺はあいつらみたいに騒がねー」みたいな(笑)。

中村:ねーわ!(笑)。出たてじゃないんだから、そんなとこで差つくんないわ(笑)。

小池:たぶん「俺は群れねぇぜ」みたいな印象を持たれるんじゃ……?

中村:逆に群れられないですね……。

小池:だから、風花ちゃんと楽しそうにしてるのが意外だったんですよね。座長の意識なんかはある?

中村:あんまりないですね。普段からこんな感じだし、考えないようにもしてるし……。でもどこかしらで、「みんな楽しんでるかな?」という意識は常にありますね。

小池:頼もしいよね、芝居オタクですしね。

小芝:ドライをやる度に毎回違うことをされるので、どこにそんなにたくさん引き出しがあるんだろうって。

中村:それは多分、発作だ……記憶がないもん、台本通りやってるし……(笑)。

小芝:嘘だー!

中村:(笑)。風花ちゃんは初対面で初共演なので、もともと先入観もなかったんですが、意外だと思ったのはアドリブが苦手なところかな?

小芝:それは本当にすみません(笑)。

中村:いつもこんな感じで誰に対しても明るい方なんですけど、一回だけ演出家の指示に「いやだ!」って言ったときがあって、それも突発的だったので面白かったですね(笑)。

小池さんとは、20代前半のときに『バンデラスと憂鬱な珈琲』という舞台でご一緒させていただいて、僕がこの世界に入って初めて「この人天才だ!」と思った方です。

小池:いやいや……。

中村:あとでいっぱい褒めてもらおうと思って……(笑)。自分がまさしく無名若手俳優だったときから見てくださっていて。今回、映像でのお仕事は初めてなんですが、小池さんについて知らなかったなと思ったのは、本番になったらオーラが5回りくらい大きくなることかな?

小池:(身を乗り出して)本当?

中村:それまでは手を抜いてるんですよ(笑)。でも、その小池さんの本番のテンションにぐぐっと乗っていけるようにと、非常に刺激をいただいてますね。何も考えなくていいくらいの安心感、信頼感、それに、その場その場で目を合わせたら生まれるものが、毎回確実にあります。もちろん、小池さんだけでなく、風花ちゃんや、毎話出てくださるゲストの方、スタッフの方と、とても恵まれた現場で「幸せだ」と噛み締めています。

――明智はそんな小池さんが演じるマリアに惹かれていきますが、その理由は?

中村:ミステリーなので、何も言えないというのが率直なところです。作品を作る上で、それぞれがバックボーンや、介在する思いを一つひとつほぐし理解したつもりになって演じると、色々な発見や腑に落ちることなどがあって、それらを積み上げていくんですが、それを言葉で説明する気は一切なくて……。そこを自由に楽しんでもらえることが、お客さんの特権のような気がしているので、思い込みでもいいですし、「私だけが発見したココ」と思ってくれても、「これはこうだよね」と一緒に見た人と話し合ってもいいですし、そんな風に自由に楽しんでもらえるような余地を残して、芝居をしたいなと心がけています。

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