
2007年9月24日
今年の夏、街を徘徊していると、冷凍室で見かけるような、霧状の激しい冷気のけむりのようなものが出ている空間を目にしたことはありませんでしたか? 側を通ってみると、あの冷気自体はそんなに激冷ッ!ってわけじゃないけど、その空間だけちょっと涼しいような・・・。あれはいったい何なんだろう?
調べてみるとあれは、ニュータイプの冷房装置だそうな。微細な水の粒子で人工的に霧を発生させ、「気化熱」を利用して、空気の温度を下げるという仕組みだ。気化熱とは、液体物質が気体になるときに周囲から熱を吸収すること。その人工的な霧はとても細かく、素早く蒸発するので、触れても肌が濡れることはない。
この画期的な人口霧が本格的に世間にお目見えしたのは、2005年に開催された愛・地球博。都市のヒートアイランド現象緩和のために作られたそうだ。経済産業省が公募した「地域新生コンソーシアム研究開発事業」(テーマ名:ドライミスト蒸散効果によるヒートアイランド抑制システムの研究開発)として採用され、現在この人口霧のシステムを「ドライミスト」として登録商標している能美防災をはじめ、名古屋大学、清水建設などで共同開発されたのだとか。
愛・地球博公式サイトの「エコロジーレポート」によれば、この人口霧(レポートされているのは「ドライミスト」について)、涼効果として気温が2~3度下がるだけではなく、エネルギー消費が普通のクーラーの20分の1という、かなりの省エネ効果を持っている模様。また天候によって噴霧を自動制御して、無駄な電力の消費を避けることもできるのだとか。人口霧が世界中に広がれば、ヒートアイランド現象だけでなく、ゆくゆくは地球温暖化にも待ったをかけてくれそうだ。
人口霧に力を入れているのは「ドライミスト」の能美防災だけでなく、「セミドライフォグ冷房装置 涼霧システム」の『株式会社いけうち』という会社も。「涼霧システム」のほうは、電気消費は通常のクーラーの10分の1とされているが、温度を2~5度も下げる効力を持っている。ちなみに「ドライミスト」は新丸の内ビルディングや秋葉原クロスフィールドの「冷んやリフト」、「涼霧システム」は渋谷ロフト前の歩道などに設置された。
地球温暖化が想定されていたより30年早いスピードで進行しているというし、都市部のヒートアイランド対策・熱中症対策に関わる事業は、さらに盛り上がっていきそうな予感? (UNGLER.DOGATCH編集部 E)
■関連リンク
能美防災株式会社(ドライミストについて)…文中で紹介した能美防災株式会社のWebサイト
http://www.nohmi.co.jp/drymist/index.html
霧のいけうち(涼霧システムについて)…文中で紹介した株式会社いけうちのWebサイト
http://www.kirinoikeuchi.co.jp/lyoum2.html
画像提供/能美防災火部式会社