
2007年8月10日
個室の広さは2畳弱(3平方メートル)、台所、トイレ、居間、食堂は共用、外の人間と話すのにも無線で20分以上かかる、外気の入らない閉鎖された空間・・・そんな環境で520日間暮らせ、って言われたら、あなたならどうします?
というのも今、ESA(欧州宇宙機関)が火星飛行のための模擬実験の被験者を探しているんです。つまりこれは全て宇宙船の話ってわけ。月への飛行なら往復で1~2週間程度なんですが、火星となると、少なくとも1年半は宇宙船に乗っていないといけないそう。
そこで、密閉された空間で人間が長期間暮らすと肉体や精神にどのような影響があるのか、ということを調べるのが今回の模擬実験の目的。被験者対象は25歳~50歳の健康な男女で、応募者の中から6人が選ばれる。無重力と宇宙放射線がないほかは実際の環境と変わらない狭い宇宙船の中で1年半も生活をするという。
密閉された空間で1年半・・・。そんな苛酷な環境で生活すると、人間ってどうなっちゃうんでしょうか?
「一般的に言えるのは、刑務所などで自由を奪われた人間にときに見られる『拘禁反応』的な症状が生ずることが考えられます。密閉された空間で慢性的なストレスを負った人間は、幼児的な退行を示したり、精神的な反応をほとんど示さなくなったりしてしまいます」(東京都立中部総合精神保健福祉センター広報援助課/I氏)
げ、それって・・・危なくないですか?
「密閉空間に対する耐性というのは、生まれながらにして大きな個人差がありますし、一概にそうなるわけではありません。それにこの場合6人での共同生活ですから、コミュニケーション能力に難のある人がいた場合に、孤立化を招いてしまうということが予想されます。むしろそういった精神的な危機の方が心配かもしれません。人間関係を険悪にせず、良好な『空気』をつくっていく能力のほうがより必要となるかもしれませんね」(同)
閉鎖空間という悪環境で生活するストレスよりも、そこでつくられる人間関係のほうが精神に影響を与えると。ストレスの原因は宇宙でもやっぱり人間関係か・・・。地球を出てもコミュニケーション能力って大事なんですね。
この実験の参加資格には「欧州15ヶ国かカナダ国籍」とあるので、残念ながら(?)日本人は参加できないけど、この究極の環境でコミュニケーションすることを思えば、職場の苦手な人と話すのなんて軽い軽い!?(UNGLER DOGATCH編集部 T)
■関連リンク
ESA…文中のESA(欧州宇宙機関)公式Webサイト
http://www.esa.int/esaCP/index.html