森に育てられた少年はピアノの不思議な運命によつて、天才的な才能に目覚める。

単調な音階のレッスンを続ける海は不満で爆発しそうになるが、ふと“ピアノの森"の情景を思い浮かべて“自分の音"を見つけ出す。ついに《子犬のワルツ》を弾く事ができた海は、「今度は自分が阿字野の望みを叶える」と言う。その阿字野の望みは、修平も出場するピアノコンクールへ海が出る事だった。課題曲は、モーツァルトの《K310》。そして、修平が海の家を訪ねた事をきっかけに再び心を通わせた二人は、お互いにベストを尽くすべく練習に励む。だが海は、聴かされた“阿字野の音"に心を乱され、自分のピアノを弾く事ができない。そして、そのままコンクール当日を迎える。
くすぶった気持ちの海はコンクール会場で丸山誉子(タカコ)という少女と出会う。ピアニストの息子である修平が優勝するに決まっていると語る誉子に、「雨宮が優勝するのは雨宮の実力だ!」と一喝する海。その後、落ち着かないままホールをうろつく海が見たのは、階段脇でこっそり泣いている誉子の姿だった。“極端な上がり性"なのだと語る誉子に語りかけ、落ち着かせる海。その不思議な雰囲気に心を許し、誉子は落ち着きを取り戻し始める…。修平と誉子が演奏を終え、ついにやってきた海の出番。果たして海は、“自分のピアノ"を弾く事ができるのだろうか!?―



