
2003年に公開されたハリウッド映画「サイドウェイ」を日本人キャストで新しく生まれ変わらせた『サイドウェイズ』。ハリウッド版も日本版も主人公は、ピノ・ノワールを偏愛。アメリカでは封切り直後からピノ・ノワールが大ブレイク!日本でも、もしかしたらそんなブームが起こるかも!? そんなとき、ちょっと違った1本を自慢したいなら、今脚光を浴びている日本ワインがおすすめ。第二回目は、国内でピノ・ノワールの栽培・醸造に成功したワイナリーをご紹介します。

キャリアも私生活もいまいちパッとしないシナリオライター・斉藤道雄(小日向文世)。親友・大介(生瀬勝久)の結婚式のために訪れたアメリカで、20年前の片思いの女性・麻有子(鈴木京香)と再会……。そんなアメリカ旅行で、今までの人生をみつめ直すことになった道雄が愛するワインとは「ピノ・ノワール」。この品種は、道雄が語っているように、扱いが大変難しいと言われているもの。冷涼な土地を好み、栽培適地は世界中でもごく限られた場所のみ。わずかな気候や土壌の違いに味や香りが左右され、栽培面でもとても神経を使う品種です。作り手の苦労も含め、その繊細さが、道雄をはじめとするワイン通の心を虜にするのかもしれません。

▲ピノの頑固さ(!?)がお気に入りの道雄

ピノ・ノワールの原産地といえばブルゴーニュ。その最高峰として知られるロマネ・コンティをはじめ、本場ブルゴーニュのピノ・ノワール100%のワインは、とても可憐で透明感があり、壮麗な香りが特徴。世界中を魅了してきたブルゴーニュ産ですが、ここ20~30年で新勢力が誕生。カリフォルニアやニュージーランドなどの世界各地でも、ピノ・ノワールにチャレンジする醸造家が現れ、その土地土地の個性を表現しています。ワイン愛飲家のなかには、この新しいピノ・ノワールの支持者も急増中とか。そんな新潮流のなか、日本でもピノ・ノワールに従事するワイナリーが。今回はこの映画に主演する小日向文世さんの出身地である北海道・三笠市で、極上のピノ・ノワールを造っている「山崎ワイナリー」に注目します。
「山崎ワイナリー」のある北海道三笠市は、小日向文世さんの出身地。彼自身もここを訪れたことがあるのだそう。映画のワンシーンが思い浮かぶような壮大なブドウ畑は、広大な7ヘクタールの「一枚畑」。

「山崎ワイナリー」は、千歳・旭川両空港から車で1時間、札幌から北東に50kmに位置する三笠市にあります。この地で4代にわたり米や麦、果実などを栽培する複合農家であった山崎さん一家が、ワインでの自立をめざしてブドウの栽培を始めたのが1998年のこと。それから2002年に酒造免許を取得し、ワイナリーとして誕生しました。 新鋭ワイナリーながら、北海道では例のなかったピノ・ノワールの栽培に見事成功。その秘訣とは、南向きの斜面にあるブドウ畑です。1年を通して南南西の風が吹く、石灰粘土質の土壌はまさに好適地。そこで家族5人の愛情たっぷりに育てたブドウを、フレンチオーク樽で8カ月間熟成させ、瓶詰めします。その味わいは、酸味と果実味のバランスがよく、時間とともにサクランボやイチゴの香りが表れてきます。色は透明感のある鮮やかなルビー色で、畑のミネラルを感じられる上質なワイン。ここではピノ・ノワールのほか、メルローやシャルドネなども栽培し、高い評価を得ています。ワイナリーは、土日に限り、見学(要予約)や直売所で無料テイスティングが可能。ブドウを愛する一家の話に耳を傾けながら、豊穣なワインとの出会いを楽しんでみては。

住所:北海道三笠市達布791-22
TEL:01267-4-4410
HP:http://www.yamazaki-winery.co.jp/
交通:電車の場合/JR「峰延駅」からタクシーで約5分 車の場合/道央自動車道「三笠IC」より約10分
直売所の営業:土・日・祝日のみ 午前10時〜午後6時(冬期休業)
試飲:営業日に無料で試飲可能(ドライバー不可)
見学:土・日・祝日のみ予約制

▲今年で11年目のピノ・ノワール。果実はやや小粒で果皮は赤紫色。房のままゆっくり搾ることで、美しいピンクに色づく。

▲山崎ワイナリーが誇るピノ・ノワール。主人公の中年2人は、このワインをテイスティングして、どんな風に表現するだろう。

ワインというとヨーロッパのものと思いがち。しかし日本でも素晴らしいワイン用のブドウ種を生み出し、世界で認められているものもあります。ここでは日本が誇る品種を一挙紹介!
ベリー種×マスカット・ハンブルグ種を交配してできた、日本の赤ワインを代表する品種。そのまま食べても美味しい。タンニンが少なく、まろやかな味わいと芳醇さが特徴。
ベリーとゴールデン・クイーンから育種した品種。マスカット・ベリーAよりも野性味の強い赤ワインとなる。
1990年、山梨県果樹試験場で開発。カベルネ・ソーヴィニョンとブラック・クイーンの交配種。スパイシーで果実の風味がたっぷり。
山梨大学が開発した山ブドウとカベルネ・ソーヴィニョンの交配種。色が濃く、果実味を含む、酸のしっかりしたワイン。
中国を起源とし、日本のワイン史を語る上で欠かせない存在で、日本を代表するワイン品種。代表産地は山梨県勝沼町。やわらかくフルーティな軽めだが、後味はしっかりしている。
代表的産地は長野県。中国の竜眼種を系統選抜した品種。生食もワイン醸造も兼用。繊細な香りと、熟成したやわらかで上品な風味が特徴。
マンズワインが独自に育種した、シャルドネ×リースリングの交配品種。ブドウの持つ華やかなアロマを生かした、フルーティなワインに仕上がっている。