
ハワイ島にある小さな街で、夏の数カ月を過ごした日本の男の子と現地の人たちとの心温まるふれあいを描いた映画『ホノカアボーイ』。スクリーンから伝わってくるほのぼのとした雰囲気に感動した女子力Step up lessonでは、ハワイ島にある"ホノカア"という小さな街の魅力を探ることに。どこか懐かしく、素朴な美しさにあふれた街並みをご紹介します。

一歩踏み入れると、初めて訪れた人も初めてのような感じがしない、 懐かしさにあふれ、子どもの頃を郷愁させる街"ホノカア"。 やさしく温かな空気がのんびり流れているその街は、 どうして私たちをそんな思いにさせるのか……。 そんな素朴な思いから、ホノカアの歴史を含め、街の魅力を探ることにしました。
映画『ホノカアボーイ』の登場人物たち。ホノカアの人たちは、いつでも笑顔で迎えてくれます。

ホノルルがあるオアフ島でおなじみのハワイは8つの島から成り立つ諸島で、中でも最大の面積を持つのがハワイ島。通称"ビッグアイランド"と呼ばれ、東海岸に位置するヒロは、ホノルルに次ぐ第二の都市です。その街からハイウェイ19号を北上すること約45km、1時間ほどのドライブで、小さな小さな街・ホノカアに到着します。1930~40年代、サトウキビ産業が盛んだったこの街に、仕事を求めた多くの日本人が移民してきたとのこと。そのためか、そこかしこに漢字で書かれた看板が立っていたり、着物が売られていたり。古き良き日本の姿が今なお残り、懐かしさと親しみやすさを感じさせる街です。
サトウキビ産業で栄えた当時の様子を描いた絵。「ホテル・ホノカア・クラブ」に飾られていました。

ルート240上の街のメインストリートは300mほど。その短い通りの中でランドマーク的存在なのが、「ホノカア・ピープルズ・シアター」。このレトロで小さな映画館は、日系人であるタニモト氏が1930年に建てたものです。昔も今も娯楽の少ないこの街で、ハリウッドの最新映画を上映し、唯一人々に楽しみを提供し続けています。戦後間もない50年代には美空ひばりのコンサートや黒澤作品の上映もあり、また近年では「もののけ姫」や「ポケモン」なども公開。その作品群は日系人とともに栄えてきたこの街の歴史を語っているようです。
1930年創業。現役で活躍するこの小さな映画館は、今も昔もホノカアの人々に愛されています。

歩いて15分ほどのメインストリートには、映画館以外にも市役所や裁判所、図書館、消防署など、レトロな建物が等間隔に並びます。そんな街並みをのんびり散策した後は、街で唯一のホテル「ホテル・ホノカア・クラブ」へ。創業1908年と歴史あるホテルで、その昔サトウキビ畑の労働者たちの宿泊施設になっていたところ。その面影は駐車場にある、畑で働く人々を描いた絵からも感じられます。古い木造建築ですが意外と客室は広々、窓からはハマクアコーストの海が一望でき、特に朝は絶景タイム。豊かな緑と海が朝日に照らされ、まばゆいばかりの眺望が目の前に広がります。
古い街並に小ぢんまりと佇んでいるホテル。歴史の重みを感じさせる味のある木造建築です。

ホノカアの街を過ぎ、ルート240を北上した突き当たりにあるのがワイピオ渓谷の展望台。王の楽園だったこの場所は「王家の谷(Valley of King)」と呼ばれ、ハワイアンにとっては特別な存在。神話も数多く残り、ハワイ島では最南端にあるサウスポイントと並んで、パワースポットにも挙げられています。雄大な眺めに圧倒される展望台の傍らには、渓谷を下る道が。25度の急勾配で、4WDのクルマしか進めない道の先を行くと、ハワイアン・ソングにもなった390mのヒイラヴェ滝やカルアヒネ滝など、幻想的な景色に出会えます。さらに谷を降りると、田んぼのように清らかな水が引かれたタロイモ畑やグアバの木などが茂る美しい平地となり、今なお昔のままのライフスタイルを貫く現地の人たちの生活を覗くことができます。
上の写真は、展望台の入り口の看板。下の写真は展望台から眺めたワイピオ渓谷の壮大な景色。
写真提供:Hawaiian Towns
ほかにも家具からジュエリーまで扱うアンティークショップ「ホノカア・トレーディングカンパニー」やミツコさんという日系2世が営む「C・C・ジョンズ」というレトロな雰囲気のカフェなどがあり、人なつこい笑顔で現地の人たちが迎え入れてくれます。時間が止まったような懐かしい景色、話し好きな人たち。子どもの頃、おばあちゃんの家に遊びに行ったような気分になれるのが、ホノカアの魅力なのかもしれません。