北野武監督、次回作は恋愛もの?「バイオレンスを見直したい」

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裏社会の男たちの抗争を描いた『アウトレイジ』シリーズの最新作『アウトレイジ 最終章』の初日舞台あいさつが7日、都内で行われ、北野武監督が出席。監督としての次回作について「次の映画は息抜きの意味でも恋愛ものとかにしてバイオレンスを外から見直したい」とコメントした。

北野監督にとって18作目となる本作は、2010年の『アウトレイジ』、2012年の『アウトレイジ ビヨンド』に続く三部作の最終章。北野監督も「自分なりにうまいまとめ方をしてあるなって。わたしの場合はいつも評論家とケンカばかりしていますが、今回はあまり評論家に文句垂れているやつもいない。かなりの自信作」と満足げ。

その上で次回作はラブストーリーにしたいという構想を明かし、その後バイオレンスに再び取り組む際は「日本の役者オールスターズで、全員追い込んで撮りたい。西田(敏行)さんとさっき楽屋でも話したんだけど、仲代(達矢)さんにも500円くらいで出てもらおうって」とニヤニヤ。

壇上には北野監督ほか、西田敏行、大森南朋、ピエール瀧、松重豊、大杉漣、金田時男も出席。西田は初日に撮ったという塩見三省との絡みのシーンを振り返り、「塩見は脳出血の後遺症があり、わたしも頚椎をやって歩行が確かではなくて、2人とも足下がおぼつかなかった」と述懐。

「でも、監督が気遣いをしてくれて、“大丈夫だよ。本を変えちゃおうか”って言ってくれたりしてね。監督に恩を感じました」としみじみ。また、司会者から役者世界の生き残り術を問われると、「風が吹く方に向かって、尻尾を振りながら元気に歩いていくこと」と茶目っ気たっぷりに答え、北野監督ら共演者を笑わせた。

大杉は9年ぶりの北野作品出演。「夢にも思っていなかった。もう9年も経つのかって。いい緊張感の現場でした。光栄に思いました。北野組は僕にとって独特。帰ってきたんだっていう、そういう気持ちで一杯でした」とこちらも感慨深げ。ピエールのほうは北野作品初参加だったが、「初めてなのでどんな風にやるのかわからないまま現場にいて、わからないまま終わってしまった」と笑顔。続けて「最高のシリーズに出させていただいて感謝もしておりますし、ありがたかったです。変態ヤクザという役柄で、自分としてはいつも通り。プライベートを出しすぎないようにやるのが大変でした」と話していた。

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