セルジオ越後「立場を上手く利用しても良い」日本代表がW杯で結果を残すには?

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サッカー解説者のセルジオ越後が、9月24日放送のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(テレビ東京、毎週日曜11:00~)にゲスト出演。番組MCの勝村政信と皆藤愛子、番組アナリストの都並敏史と共に「日本代表がロシアワールドカップで結果を残すために必要なこと」をテーマに具体的に語り合った。

まずは、各地域のロシアワールドカップ予選の状況を確認。南米ではブラジルが出場権を獲得し、ウルグアイ、コロンビア、ペルー、アルゼンチンが4位までの出場枠(5位はオセアニアとのプレーオフ)を争っている。セルジオは「アジアの4か国(日本、イラン、サウジアラビア、韓国)が南米の予選に出たらどこもワールドカップに出られてない」とレベルの高さについて言及。さらに、チッチ監督が就任して以来、公式戦無敗と好調なブラジルについて、「チッチ監督は、リオデジャネイロオリンピックで優勝したU-23代表を練習から見続け、大会終了後に多数の選手をA代表に抜擢した」と紹介し、オリンピック代表のロジェリオ・ミカーレ監督と一緒にチーム作りをしてきたことで、ブラジルサッカーは上手くいったと分析した。

続いて、戦術ボードを使いながら、2010年W杯南ア大会で決勝トーナメントに進出した岡田ジャパンとハリルジャパンのシステムの違いを都並が分析。岡田ジャパンは、4-5-1で守る形を取り、サイドを攻めてくる選手にサイドハーフが付いて守備を固めていたのに対して、ハリルジャパンは前線からのプレッシャーのかけ方に違いがあると説明。「相手のセンターバックにボールが落ちた時に、フォワードがプレッシャーをかけ、ウィングの選手もサイドを使われないようにコースを切るなどしてピッチ中央に追い込む。その時高いディフェンスラインを保つことで、ボランチの選手がハーフラインより前で刈り取るような動きを見せている。一方で、ハーフラインを超えられた場合は全体的に下がって対応するという2面性を持っている」と語り、岡田ジャパンの時は基本的に全て下がって対応していたので、攻撃に移行するのにパワーが必要だったが、現在のスタイルはその効率も良くなっていると解説した。

しかし、これはアジアレベルを相手にした時の戦いで、相手のレベルが違った時にどうなるかは未知数。「仮に相手サイドバッグがマルセロ(ブラジル代表)だったら、一瞬の遅れで一気に前線までパスを出されることも覚悟しなければならない。その時にどういう対応をするかを考える必要が必ず出てくるので、そういった細部の戦術が肝になってくる」と警笛を鳴らした。

一方のセルジオは、日本ならではの戦い方を提案。「0-0では強い方が焦ってくる」と語り、「ワールドカップ本大会では、日本が相手を認めた戦いをするということから考えれば、同点の間は日本が有利。格上の相手が慌ててくるということを武器として戦術を組んでも良い」と語り、昨年のクラブワールドカップで鹿島アントラーズが決勝でレアル・マドリードと対戦した時のことを例に挙げ、「間違いなくレアルは慌てたんだから。そういうところでもう少し日本の立場を上手く利用しても良いんじゃないかなと思う」と話した。

さらに、一足早くワールドカップメンバー23人についての議論を展開。FWには大迫勇也、乾貴士、原口元気らの名前が挙がるが、セルジオは「本田圭佑や香川真司がベストコンディションの時に彼らは出番がなく、彼らのレベルやコンディションが落ちたから名乗りを上げてきた。岡崎慎司も含めて、年齢的に一番良い時期なので、もう1回コンディションを上げて、やっぱり俺らだっていうのを見せて欲しい」と発破をかけ、ハリルホジッチ監督に対しては「“結果を出してない人はもう呼ばないよ”という一言をどこかで言って欲しい。そうしたら本当のサバイバルになると思う。今は、活躍してないのに呼んでいるからサバイバルにならない」と選手選考の問題点を指摘した。

また、都並がサイドバックの選手層について語ると、セルジオは、日本代表に必要なワンピースとして、柏レイソルの右サイドで活躍する伊東純也を推薦。「何試合か見たけど、足が速くて、守れるし、技術もしっかりしていて、点も取れる。カウンターの選手に持ってこい」と期待を寄せていることを明かしていた。

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