西田敏行「幸せな時間でした」寺尾聰との念願の共演に感激

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テレビ東京系列にて9月15日(金)に放送される、浅田次郎ドラマスペシャル『琥珀』(21:00~)の完成披露試写会及び記者会見が4日、スペースFS汐留にて開催。主演の西田敏行をはじめ、寺尾聰鈴木京香が登壇し、作品をアピールした。

本作は、歴史小説から現代小説まで幅広く執筆し、多くの読者を魅了し続けている直木賞作家・浅田次郎の同名小説が原作。“蜃気楼”で有名な北陸・魚津を舞台に、不器用な大人たちが織りなす、サスペンスフルな展開が時に切なく、心に迫るヒューマンドラマとなっている。

米田勝己(西田)は、存在感の極めて薄い巡査部長。定年を目前に控えているが、年下の上司に「退職日まで来ても来なくてもいい」と言われてしまうほど。そんな時、小冊子に掲載された富山県魚津にある「琥珀」という喫茶店の記事を見た米田は、25年前の未解決事件「吉祥寺・放火殺人事件」の資料を持ってそこへ向かう。「琥珀」のマスターは、どこか哀しげな目をした荒井敏男(寺尾)。さらに港の漁協で働く人妻で、唯一の常連客・平井幸子(鈴木)が加わり、3人でひとときを過ごすことに。そんな3人には、“ある事情”があった。それぞれが抱える闇を感じながら、3人は徐々に交流を深めていく。

記者会見では、会場に集まった観客から質問を募集。物語の舞台となった魚津からわざわざ見に来たという観客から「魚津は“暗い所だな~”など思いませんでしたか?」と問われた西田は「決して暗い町ではない。大好きな町です。“ついてるな~”と思ったのが、カメラを据えてちょうど京香さんと撮影するときに、パーンと花火がなって、“今蜃気楼が出ました”という放送があったんです。地元で何年も住んでいても蜃気楼を実際に見たことないという方がいる中で、撮影で見ることができて“この番組ついてるな~”と思いました」と、感動したことを告白。一方の寺尾は、「そんなに長い期間(富山に)いなかったので、ひとりだけ蜃気楼も見れずに……」と残念がっていた。

さらに、西田と寺尾は本作で初めて“シーン共演”を果たしたということで、お互いの芝居の印象について、西田は「絡んだ芝居をやってみたかったので、幸せな時間でした。寺尾さんはキャリアを積んできているのに、撮影に入る時は“ゼロ発進”で(キャリアを)感じさせない。別の作品でご一緒しても、別の寺尾さんに会えるんじゃないかな」と絶賛。寺尾も「(共演を)とっても楽しみにしていました。同い年なので、ずーっと意識して何十年も生きてきた。俳優ってたぶん、同じ世代の俳優にみんなそう思うと思うんですけど。特に西田さんはそういう思いが強くて、いつかご一緒したいと思っていました。今回は“やっぱり西田敏行すげーな”って思いました。米田という役は西田敏行にしか出来ない。また一緒にできれば良いな」と、再共演を熱望した。

また、劇中では荒井に思いを寄せる役を演じた鈴木に「自身だったら米田と荒井どちらを選ぶ?」との質問が飛び、「これは……10人女性がいたら、10人が悩む。とてもむずかしい質問」と困惑の表情を浮かべるも、「幸子を演じてしまったものですから、私は幸子と別には語れない。幸子の思いになってしまい、荒井さんを選ぶんだろう。でも、もしもこの撮影をしていなかったら……」と西田の表情を伺い、「どの女性もみんな悩む素敵な男性2人とご一緒できて、私の役は最高に幸せだった」と満足気な表情を浮かべていた。

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