内山高志の練習が異次元!? 800mダッシュ×12本にサッカー元日本代表が衝撃

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プロボクシングの前WBA世界スーパーフェザー級チャンピオン・内山高志が、7月23日放送の『FOOT×BRAIN』(テレビ東京、毎週日曜11:00~)にゲスト出演。番組MCの勝村政信、番組アナリストの都並敏史秋田豊と共に「世界と戦うための“メンタル”と“フィジカル”」について語り合った。

内山は、プロ戦績27戦24勝(20KO)2敗1分を誇り、11度の王座防衛、日本人最長となる6年3か月にわたり世界の頂点に立ち続けたボクシング界のレジェンド。実は、小学生の頃からサッカーが好きで、中学校3年間はサッカー部に所属し、スピードとスタミナを武器にフォワードとしてピッチに立った。さぞ活躍していたのかと思いきや、「一番大事な点を取る嗅覚がなかったんです(笑)」とユーモラスな一面を見せ、スタジオの笑いを誘った。

そんな内山に対して都並は、「中央を攻めるために外に広げていくなど、ボクシングとサッカーは試合の組み立てが似ていませんか?」と語り、試合前にどの程度までシミュレーションしているのかと質問。すると内山は、サッカーとの戦術の共通点は同意しながらも「1ラウンドが始まったら(何が起こるか)わからないじゃないですか?」と事も無げに話し、試合中やラウンドインターバルで状況を見て戦術を組み立てていることを明かす。

そして、プロデビューから12年にわたり現役でいられる秘訣について迫ると、内山は「心が折られなくて良かった」と告白。今では考えられないが、高校の頃は50戦13敗の並みのボクサーで、同級生にも負けてレギュラー組の荷物番をするなど挫折も多く経験。しかし、「絶対にこいつらより上に行ってやる」という強い気持ちで頑張ってきたという。また、プロになって最初の頃は、趣味でお金がもらえて良いなと思っていたが、世界チャンピオンになり、防衛するようになるとスポンサーや応援も増え「負けちゃいけない」というプレッシャーに襲われるようになったと明かし、その一方で、「負けられないからもっとやれる」とプレッシャーを力に変えてきたという。

その強靭なメンタルは最初から持ち合わせていたのかと聞かれると、「サッカーは上手い奴が出てきてレギュラーを取られちゃったら“なんだよ、もうやる気ない”みたいな感じだった」と笑い、「ボクシングは本当に好きだったので、絶対に負けたくないと思ったし、だからこそプロになれたと思う」と、好きだからこそ頑張れるという素直な心境を明かした。

そして、フィジカルの話題になると、内山は「どんなハードパンチャーでも、足のスタミナがなければ終盤は弱いパンチャーになる。最後まで疲労しない足を作ることが大事」と基礎の重要性について言及。しかし、その練習量が尋常ではなく「800メートルダッシュ(3分以内)を12本やる時もある」と言いのけ、かつて日本代表として活躍した都並でさえも「え? 12本? キャンプでもやらないくらいの本数」と驚きを隠せないでいた。

また、今の日本サッカーに必要とされる“強い個”を育てるにはどうするべきかを尋ねると、「“もうやりたくない”と思うようなキツい練習をするべき」と提言。限界の限界まで練習をしていれば、お互いキツい状況になった時に、絶対に相手よりキツいことをやってきたと、精神的に上回れると話した。また、「世界と戦った際に“メッシと同じグラウンドだ”という気持ちでいては、その時点でちょっと臆している。常に相手は同等というか、“この試合に勝てば俺たちはヒーローだ”とか、気持ちで負けないことが大切」と相手への過剰なリスペクトを危惧していた。

そして、体操の内村航平が、全日本選手権で10連覇を達成した時に発した「勝ってしまったので地獄」という言葉が紹介されると、内山もその思いに感銘。「とにかく勝たなくちゃいけない。ちょっとでも抜かされたりしたら“もう終わった”と思われる。周囲の絶対に勝つだろうなっていう気持ちが強すぎて、本人は負けるまで地獄が続くんじゃないですか。負けた後、意外にすっきりしちゃうかもしれないですよね」と話した。最後に、今後について聞かれると「まだ決まっていないですが、色々と考えている状態です。試合をしようと思った時に体力が落ちているとダメなので、トレーニングは続けています」と現在の心境を語った。

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