サッカー育成年代、コーチの選び方が変われば日本の未来も変わる

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9日に放送された、勝村政信と皆藤愛子がMCを務めるテレビ東京のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週日曜11:00~)に都並敏史、福田正博、北澤豪、秋田豊、藤田俊哉、三浦淳寛といった元日本代表のレジェンドたちが番組アナリストとして出演。「Jリーグがするべきこと」について議論を繰り広げた。

まず、都並が挙げたのは、日本代表とベストイレブン以外に明確なステータスがないという問題点。以前はJリーグにオールスター戦があり、更に昔は日本リーグ選抜が海外のチームと対戦している時期があり、それも1つのモチベーションになっていたという。現状にはない新たなステータスを作ることで、選手のやる気を喚起することができるのではないかと提案する。

そして、日本がレベルアップするために避けては通れない育成の話題になると、日本と世界では育成年代の指導者の人選が根本的に違うことが明らかに。日本では、選手上がりの若いコーチが安い給与でコーチをしていることが多いのに対し、海外は人生経験豊富な大人のコーチが請け負っているのだという。更に都並は、自身の経験から「将来自分が上のカテゴリの監督になったときのシミュレーションとしてやってしまう」と問題点を語り、「育成年代に“心技体”を持って臨む指導者がいないと上手くいかない。経験豊富な指導者がお金をしっかり貰えるようにJが分配金などの使用用途をハッキリさせた上でサポートすることなどが必要」と提案。三浦も「ドイツがW杯を優勝したのは、育成の力」と語るなど、その重要性がクローズアップされた。

続いて福田は端的に「お金」をテーマに掲げる。自国リーグのレベルを上げないことにはW杯優勝はなく、そのためにはレベルの高い選手の獲得は不可欠だと語り、秋田も、現役時代にエムボマやカレカといったW杯に出場してくるトップレベルとJリーグで対戦できたことは重要だったと振り返る。また、選手が集まることでリーグの価値も上がり、観客も増え、それで更に大きなスポンサーを呼ぶことができると語った。

北澤は更に発展した考えを示し「アジアと連携し本当に強いクラブだけで争うようなリーグの設立」を提案。アジア全体の水準を上げない限りは、アジア大陸からW杯優勝チームは生まれてこないと力説。藤田も、凄まじい勢いで進歩しているサッカー界の流れに取り残されないように、日本も環境改善のスピードアップは急務だと話した。

また勝村は、スペインやドイツが優勝できて、ベルギーが優勝できないのは自国クラブの強さがあるからだと語り「バルセロナやバイエルンといったクラブチームで練習したメンバーが代表になっているが、ベルギーはそれができない。どうやってJリーグが上に行くのかを考えることが課題」と語った。

この模様は、BSジャパンで16日26時10分から再放送。次回は、岩政大樹がゲスト出演し「1つに固執しない選択と生き様」をテーマにトークを展開する。

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