高原直泰「南米のストライカーは絶対にしない」日本人に足りない“我慢強さ”とは?

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勝村政信皆藤愛子がMCを務めるテレビ東京のサッカー番組『FOOT×BRAIN』(毎週土曜24:50~)が3月18日に放送。今回、ウルグアイでのプレー経験のある番組アナリストの松原良香が、国内外でプレー経験のある高原直泰と鄭大世にインタビューを行い「メガクラッキの宝庫! 南米に学ぶストライカーの極意」に迫った。

まず、テーマに掲げたのは「ストライカーに求められるゴールへの動き」。高原は、日本と南米のストライカーの違いについて聞かれると「南米の選手はペナルティエリアの幅から絶対に動かない」と述べ、彼らはゴールが奪えるエリアで我慢して、一瞬の隙を見逃さない。日本人はどうしても動いてしまうが、ゴールを意識してそこにポジションをとりながらプレーできるのは一つの能力だと語った。

一方の鄭は、昔は、ボールを持った時のゴールへの意欲が大事なものだと思っていたが、今は、ボールがない時のゴールへの意欲が大事だと考えるようになったと明かす。例えば、カウンターで長い距離があっても、ゴールへの意欲がある選手は走り切る。するとゴールに近い位置にいるために必然的にパスをもらえるし、ボールが転がってくる。そこへたどり着くことがストライカーとして一番大事と語った。

さらに、ストライカーに必要なメンタルの話題に。高原は、判断ミスをして「どうして空いている選手に出さなかった?」と味方に怒鳴られたからといって、それでパスばかり出すようになっては怖さがないと断言。ビッグチャンスを逃しても試合はそれで終わりではなく、1回のミスで気落ちしないメンタリティは必要だと語った。

それに対して「平常心」をキーワードに上げた鄭。練習のパス交換でトラップミスはしないのに試合ではミスをしてしまう。ペナルティエリア内はそれが顕著で、良いパスが来ても力んでトラップが流れてしまう。その理由を考えた先に「シュートを打たない」という驚くべき考えに至ったと明かす。

鄭は、川崎時代は気合いを入れれば入れるほど結果を出せると思っていたが、実はそうではなくて、どれだけ平常心でやれるかが大事だということに気付いたという。練習でミスをしないのに、プレッシャーが来るとミスをするのは自分の心の問題で、大事な試合でも落ち着いたメンタリティを維持し、ゴールしたいという欲を敢えて捨てることで、平常心でトラップを行い、良いシュートが放てるようになったと語った。

これらの話を聞いた都並は「プロになる選手は、みんなお山の大将で入ってきますからプライドがあるんです。“自分のプレーを認めろ”とまず考えるから。本当はチームに貢献するというのが一番大事なプロ意識なんだけど、そこに気付くのに少し時間がかかる」と語り、勝村は「テンションを上げれば上げるほど、すごいことができると若い頃は思いがちだけど、様々な経験を経てそこに行きつくんですね」と感嘆の声を上げていた。

そのほか番組では、元ウルグアイ代表選手で、現在は上海申花で手腕を発揮しているグスタボ・ポジェ監督にもインタビュー。ストライカーの条件や必要なメンタリティについて語った。次回3月25日の放送では、DeNAベイスターズ前社長・池田純と「プロスポーツチームのあり方」について語り合う。

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