池松壮亮&石橋静河主演、石井裕也監督最新作『夜空はいつでも最高密度の青色だ』ベルリンで大絶賛

公開: 更新:
池松壮亮&石橋静河主演、石井裕也監督最新作『夜空はいつでも最高密度の青色だ』ベルリンで大絶賛

石井裕也監督最新作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が、現在開催中の第67回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門にて、現地時間2月13日(月)17時~(日本時間2月14日(火)13時~)に公式上映が行われ、ワールドプレミアとなった本上映の舞台あいさつに、石井監督と主演の石橋静河池松壮亮が出席した。

2016年に発売され、現代詩集としては異例の累計27,000部の売り上げを記録している、最果(さいはて)タヒによる詩集を原作にした本作は、詩集の映画化というチャレンジングな試みでありながら、現代の東京に生きる若い男女の、優しくて愛おしい、震えるように繊細な恋愛映画として、生きづらさを抱えながら東京で暮らす男女の姿を描いたラブストーリー。ヒロインの石橋は、看護師をしながら夜はガールズバーで働く美香、池松は、工事現場で日雇いの仕事をしながらひたむきに生きる慎二を演じる。

本作を手掛けた石井監督は、第37回日本アカデミー賞で『舟を編む』が最優秀作品賞他最多6冠を達成した奇才。この日は、上映会場に入れない観客も出るほど大盛況で、多くの観客から大きな拍手を浴びた。石井監督は「今日は来てくれて本当にありがとうございます。今日はワールドプレミア上映ということで、文字通り世界で最初のお客さんということになります。最後まで楽しんでいただければと思います」と。池松は「日本からはるばる来たのですが、今の東京を感覚的に切り取った映画でどのくらいこの感覚が遠く離れた地のみなさんに届くのかとても楽しみです。楽しんで下さい。ありがとうございました」とそれぞれ感謝と喜びの思いを語った。また海外留学経験のある石橋は全て英語で「今日は来ていただいてありがとうございます。今回ベルリン映画祭に来ることができて本当に幸せです。この映画に関わったすべての人のおかげです。楽しんで戴けたらうれしいです」と笑顔を見せた。

上映後、温かな拍手に包まれながら再び登壇した3人。石井監督が描こうとした現代の東京が持つ閉塞感を「素晴らしく繊細なテーマを素晴らしくオリジナルな手法で描いた映画」などと絶賛の感想が多くの観客から寄せられ、質疑応答では、この映画で描かれている日本の現状についての質問が重なった。最も際立ったのは、まるで自らのことのように、現代社会に生きる2人について、主人公2人への強いシンパシーと、感動が会場に伝わり、監督も言葉を探すような場面が多々見られ、この映画が如何に普遍的に大都会に生きる若者を描き切っていることを印象づけた。また、映画初主演となった新人の石橋へ、手探りながら堂々と演じた本作に「とてもデビュー作とは思えない素晴らしい演技!」と賞賛の言葉が多く掛けられた。「主役の2人が必死に生きる世界は、東京だけではなく世界を覆う閉塞感でもある」など、ワールドプレミア上映らしい感想が多く寄せられた上映となった。

本作は、5月13日(土)より新宿ピカデリー・ユーロスペースにて先行公開、5月27日(土)より全国公開される。

【ストーリー】
看護師として病院に勤務する傍ら、夜はガールズバーで働き、言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香(石橋)と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年、慎二(池松)。2人は、空回りする言葉や死が溢れる都会の夜に、偶然に出会う。絶望と希望のはざまで、2人は少しずつ前へ進もうとする----。

PICK UP