中谷美紀が主演を務める「ドラマスペシャル 宮部みゆきサスペンス『模倣犯』」（テレビ東京系列、2016年放送予定）に、満島真之介、山本裕典、清水富美加、濱田龍臣、杉本哲太、吉田鋼太郎、室井滋、高畑淳子、岸部一徳、橋爪功が出演することがわかった。

『模倣犯』は、第52回芸術選奨文部科学大臣賞や、第5回司馬遼太郎賞など六冠を達成し、これまでに単行本と文庫本あわせて累計420万部を突破している大ベストセラー小説だ。2002 年に映画が公開されて以来、14 年ぶりに映像化され、テレビドラマとしては初。“劇場型犯罪”を徹底的に描いた現代ミステリーの金字塔とも言われており、未曽有の連続誘拐殺人事件をめぐり、被害者家族、加害者家族、警察、マスコミ、そして犯人等々、多くの視点から重層的に見つめた、いまなおミステリーファンを魅了し続ける名作となっている。

橋爪が演じるのは、事件を追うルポライター・前畑滋子（中谷）が出会うことになる、連続誘拐殺人事件の被害者の祖父・有馬義男。出演にあたり、橋爪は「宮部みゆきさんの本は、なかなかよく考えられている、面白い本ですよね。宮部さんの作品に出演するのは初めてで、今回結構楽しみにしていました。撮影していく中で皆さんの演技の邪魔をしないように、結構気を遣っています。変に芝居がかって突出するのも変だし、かといって豆腐屋のジジイ役だからといって、わざと地味に演るというのも……。そこの兼ね合いが難しいですね」と、苦労している点を明かした。

演じる役柄については「“有馬義男”という人も大変な人で、娘は家庭の問題を抱えているし、孫が事件に遭ってしまうわけだから、そういうのが必要十分に腑に落ちてくればいいと思っています。大変な状態にある義男さんだけど、ことさらヒロイックになっちゃうよりも、義男のような普通の人がそういう残酷な事件に巻き込まれていくというところにこの作品の残酷さがあるから、そういったところの兼ね合い、さじ加減を“ああでもない、こうでもない”と監督にけなされながら、苦しんで演っています。暑い夏にいい経験をさせてもらっていますよ（笑）」と語った。

また、「このドラマは、観ている人の方がめちゃくちゃ面白いんじゃないかな。観ている人がいろんな風に気持ちが満たされるというか……そういうところが、“俺もドラマに出ないで観ている方がいいな”と思っています（笑）」とコメントした。

このほか、事件に巻き込まれる兄妹の兄・高井和明役を満島。和明の同級生・栗原浩美役を山本。和明の妹・高井由美子役を清水。滋子と共に事件を追うことになる、連続誘拐殺人事件の第一発見者・塚田役を濱田。滋子の夫・前畑昭二役を杉本。義男の幼馴染みで、何かと義男を気に掛ける木田隆夫役を吉田。義男の娘で、自身の娘が誘拐殺人事件に巻き込まれる古川真智子役を室井。滋子を叱咤激励しながら、総合雑誌「サブリナ」で事件について原稿を書かせる編集長・板垣雅子役を高畑。事件を追う警視庁捜査一課・武上悦郎刑事役を岸部が演じる。