「パニック障害」に悩み続けた女優・川上麻衣子を救ったもの

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数々のドラマ、映画、舞台などで活躍しているベテラン女優の川上麻衣子(50歳)が、2月4日(木)に放送された『ヨソで言わんとい亭~ココだけの話が聞ける(秘)料亭~』(テレビ東京系列、毎週木曜23:58~)に出演。現代人の100人中、3人が発症すると言われている「パニック障害」に悩まされた辛い過去を明かした。

■不安による発作でパニックに
川上は、1980年に女優デビュー。ドラマ『3年B組金八先生』や、北野武監督の映画『その男、凶暴につき』など数々の名作に出演してきたが、「パニック障害」の兆候が現れたのは海外から帰国した時だったとか。激しい頭痛に襲われた川上は「空気が悪いところに帰ってきたからかな」と思っていたが、その直後に嘔吐したという。そんな自分にびっくりして、どんどん呼吸が上がっていく中、手がしびれてきて救急車を呼べない状態に。これが初期段階で、その後も舞台の開演30分前のベルが鳴ると呼吸がコントロールできなくなり、また“あの発作”が起きるかもしれないと不安に陥ることがしばしば。その頃は、病気だとは思わず、指摘してくれる人もいなかったため、仕事を休むことができなかったという。そんな彼女の話を聞いていたゲストの中川家剛もパニック障害と闘っていた一人。「全く同じです。僕も舞台前でした」と、当時を振り返った。

体に悪いところはないが、精神的不安に襲われると、めまいや呼吸困難などを発症する「パニック障害」。症状が出ていない時は日常生活に支障をきたさないため、周囲の理解を得られにくい。しかし、特定の場面で突然症状が表れ、“心臓が止まるかもしれない”“このまま死んでしまうのでは?”とパニックを起こしてしまう。川上と剛の共通点は乗り物。「混雑している電車はダメ」(川上)「エレベーターは閉まった瞬間にドキドキして、開いたらふぅ~っとラクになる」(剛)と、ある一定の時間だけ逃げられない状況に追い込まれると苦しくなるらしい。パニック障害には、電車や街中で発作が起きることに対して不安にかられる“予期不安”という症状があり、さらに進行すると人が多い場所に出掛けられなくなる“広場恐怖”へと発展。川上自身も貧血などの発作に襲われることが増えてしまい、仕事以外は家に引きこもるような生活が続いたという。

■症状の改善は登山
パニック発作に悩まされる日々が続く中、川上は30歳の時に富士山登山を計画。不安に打ち勝つべく挑戦しようとしたが、実際に登るまでは、やはり発作に苦しんだとか。それでも何とか頑張って登り切った彼女は、最後までやりきったことで「体力も大丈夫だったし、少し楽になった」という。さらに、芸能界の大先輩である“オヒョイさん”こと藤村俊二と舞台で共演した時に「舞台は緊張するけど、倒れても逮捕されないからいいじゃん」と言われて「なんか、フワ~って抜けたんです」と、精神的に楽になったことを告白。その頃から、舞台も怖くなくなってきたという。

結局、病院に行かず自力で治した川上。同じ病気で苦しんだ剛も「薬を飲んでいたけど、かなりキツイからフラフラするんです。そんな時に、少しずつ病気のことを周囲の人から理解してもらって気持ちが楽になったし、舞台で失敗したらアカンというプレッシャーも坂田(利夫)師匠の“そんなんテキトーでエエで”のひと言で救われた」と語った。

この日は他に、元プロボクサーの竹原慎二が膀胱がん、女優の吉井怜が白血病と闘った壮絶な日々について衝撃の告白をした。

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