斎藤工、テレ東に感謝『最上の命医2016』で恩返し「ここに帰って来られて良かった」

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テレビ東京系で2011年1月クールに放送された、累計200万部を突破した医療マンガの実写化ドラマ『最上の命医』が、5年の年月を経てスペシャルドラマとして復活。タイトルを『最上の命医2016』と改め、2月10日(水)の21時から放送される。スペシャルは、前作から5年後、アメリカから帰国した主人公・西條命(さいじょう みこと)が臨時職員として働くことになった慶良総合病院が舞台。命が子どもたちを救うために挑む姿と、その奇跡が描かれる。

この度、前作に引き続き、“無限の樹形図”(子供のいのちを救うことはたくさんの未来を救うこと)という信念を持った小児外科医・命役を演じた斎藤工さんにインタビュー。5年ぶりに命を演じてみての手応え、作品の見どころ、さらに「テレ東で再び主演を務めるとしたら……」という自身の展望などをたっぷり語っていただいた。

――続編制作のお話を聞いたとき、どのようなお気持ちに?

番組公式ホームページの掲示板に、『最上の命医』の放送終了後もずっと「この作品に出会って小児外科医を目指すことにしました」「続編を希望します」などのメッセージが書き込まれ続けていて、僕は苦しい時にそのメッセージを見るようにしていました。“無限の樹形図”という言葉のように、僕らの思いを受け取って掲示板に書き込んで下さったり派生していくのを見て、この作品に関われて良かったと思っています。そして、続編が決定したことによって、掲示板に書き込んでくれた方にやっとお礼ができる機会をいただけました。

――5年ぶりに『最上の命医』の現場に戻ってきての感想は?

キャストは非常にフレッシュですが、制作チームの3分の1以上が前作と同じ人だったので、撮影現場は5年前と同じ匂いがしました。今は現場を離れてしまった方も顔を出してくれて、僕にとっても大切な作品だったんですが、スタッフさんたちにとっても大事な作品になっているんだなと実感しました。ロケ地も、泉谷しげるさん演じる神道護先生の病院が、5年前と変わらずそのまま残っていたんですよ。でも、ロケ地付近のお家で、5年前は元気にキャンキャン鳴いていたワンちゃんがお年を召して元気がなくなっているのを見て、時間の経過も感じました。

――5年前と比べて、自分の中で変化・進化したと思う部分はありますか?

それを探したんですけど、なかなか見つからなくて。むしろ、退化しているんじゃないかな? 5年前は無我夢中で、余計なことを考えていなかった。“知らない”ということが、すごく強みだったと思います。でも今は“こうしたらこうなるんじゃないか”と色々と予測してしまうんですよね。なので、進化していないかもしれないです。むしろ、滑舌とか悪くなっている気がする(笑)。

――5年前と変わらず大事にしたことは?

命はこの5年の間、アメリカでガンの治療をしていたんです。子どもの頃にも大病を患い、神道先生に治してもらって、今回も命が紡がれたので、“まだ自分にはやるべきことがたくさんある”という使命感が倍増して帰ってきていると感じました。それが命の強さでもあり、その部分はパワーダウンしたくないなと思いました。そんな命の強さに触れてみて、優柔不断な自分と比べてしまってしんどい時もありました。

――自分を「優柔不断だ」と思うのはどんな時ですか?

テレビ東京さんにいるときは「自分、テレビ東京さん好きです」みたいな顔をしているんですけど、生田スタジオでは「日テレでしょ、やっぱり」みたいな顔をするし、湾岸(スタジオ)に行ったら「フジテレビ」の顔をする(笑)。そういう……浅ましいといいますか、いやらしさはありますよね。「ここですから」という顔を、どこでもしちゃうんです。

――でも、それは大事な事ですよね(笑)

しかもそれを自然とやっちゃっている所が「ずるいな」と思います。俳優って隙間産業だと思っているので……。芸能界は、引き上げてくれる人がいないと広がっていかない厳しい世界だと思っていて、5年前の僕に白羽の矢を立ててくださったテレビ東京さんに、本当に感謝しきれない。“いつか恩返しをしなきゃいけない”と思っていたので、ここに帰って来られて良かったです。……こうやって良い話で終わらせようとするところも、自分のずるい所ですね。記事になることを意識した発言は、5年前はしなかった。打算というか、薄汚れたなと思います(笑)。

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