【インタビューvol.1】ケラリーノ・サンドロヴィッチ監督の真髄に迫る!『怪奇恋愛作戦』が生まれたきっかけとは?

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2015年1月9日(金)よりテレビ東京系列にて放送中の、ドラマ24『怪奇恋愛作戦』は、麻生久美子、坂井真紀、緒川たまきが演じる愉快なアラフォー3人娘が、恋に仕事に友情に、さらに恐ろしい妖怪や謎の怪奇現象との戦いに、遅すぎた青春を燃やすホラーラブコメディだ。本作で監督を務めるのは、“演劇界の奇才”ケラリーノ・サンドロヴィッチ。ゲスト監督として参加した「時効警察」以来、8年ぶりにオリジナルテレビドラマの脚本・演出も手掛ける。

この度、テレビドガッチではKERA監督にインタビューを敢行。初めてドラマのシリーズ監督を務めることとなった経緯や、3年前から考えていたという本作のストーリー制作秘話、主演を務める女優陣の魅力のほか、KERA監督の作風のルーツなどをたっぷりと語っていただいた。

<インタビューvol.1>
――「ドラマ24」枠で監督を務めることとなった経緯は?

もともと、女性3人をメインにした、ホラーとラブコメを組み合わせた「ナンセンスコメディ」のようなものをやりたいという具体的な企画があって、これをテレビ東京のプロデューサーに話したところ、「ドラマ化したいね」という話になって。それで、「ドラマ24」枠に決まったと聞いたときは、一番ベストマッチングだなと思いましたし、GOが出た時は嬉しかったですね。

――初めてドラマのシリーズ監督を務めるということですが、苦労した部分は?

ドラマ自体は全12話で構成されているのですが、ストーリーは前編・後編に分かれていて2話完結なので、連ドラと言っても1話から最終話に向かって起承転結で構成されているものではないので、そういう意味では気負いはありませんでした。毎回どうバリエーションを作っていくかを考えるのが楽しかったです。

――脚本を書く上でこだわった部分や工夫した点は?

今回、セクシャルなシーンを書くのはやめようと思いました。もっとイノセントな少女漫画っぽいかわいい感じの恋愛でいいんじゃないかなって。セックスが絡んでしまうと、どうしてもドロドロしてしまうので、いい歳して中学生みたいな恋愛をやっているっていうのがいいんじゃないかな~と思いました。

――「婚期を逃したアラフォー3人組」を主人公にした理由は?

「女の子3人をメインにする」という事を僕の中で決めていたのですが、その女の子3人をどういう設定にしようかなと考えていた時に、20代の方だと技術的に僕のやりたいことはできないだろうなと思ったんですよ。僕の舞台でも、若者と一緒にできる芝居は限られているな、と感じることがあって。だったらやっぱり30代後半の設定が良いだろうということになりました。舞台でも、「この人ならいける」と思う人は、それなりのお年なんですよね(笑)。

――深夜帯のドラマだから自由に出来た部分が多かったのでは?

僕はテレビの仕事をめったにしないので、どういうことが深夜で許されているのかなど線引きがまったくわからないんですよ。だから逆に、好き勝手に書かせていただきました。「やってはいけないこと」などを考えなくていい分、好きなことができたんだと思います。でも、結果的に、そんなにアウトなシーンはなかった気がします。深夜帯の番組って結構危ないやつ多いじゃないですか(笑)。

――「KERA監督の書く脚本が面白い」と出演者の皆さんが大絶賛していました。

僕は、仲村トオルくんの、「テレビで“うんこ”って言ったのは初めてだ」というコメントを聞いてびっくりしました。「うんこ」ぐらい言ったことあるんじゃないのかなと思ったんですけどね。どちらかというと、坂井真紀や緒川たまきの方が「うんこ」って多く言っていますよ。って僕がそういう台詞を脚本に書いたからなんですけど(笑)。

――仲村さんがかなり振り切った役を演じられるそうですが、どうしてこういう役柄にしようと?

以前、「黴菌(ばいきん)」という舞台をやったときに、まったく空気が読めない大真面目なキャラクターをトオルくんに演じてもらったことがあって、“こういう役を演じるとこの人は面白くなる”っていうのが僕の中で確立してしまったんです(笑)。恐らく、本人も自覚してると思います。今年の秋にまた一緒に舞台(『グッドバイ』)をやるんですけど、バカな役はやり尽くした感があるから、そうじゃないのが良いのかな~と思っています。でも、トオルくんには「“無自覚なバカ”役」がハマるんですよ(笑)。

――おバカ役が!?

いや、おバカなんていう可愛いもんじゃない。どバカですね(笑)。

■ドラマ24『怪奇恋愛作戦』
毎週金曜24:12~24:52(テレビ東京系列)
※テレビ大阪は毎週月曜23:58~24:40

【出演】麻生久美子、坂井真紀、緒川たまき、犬山イヌコ、山西惇、水澤紳吾、今野鮎莉、池谷のぶえ、岩崎う大・槙尾ユウスケ(かもめんたる)、大倉孝二、仲村トオル ほか
【脚本】ケラリーノ・サンドロヴィッチ/関谷崇、田中眞一、小峯裕之
【監督】ケラリーノ・サンドロヴィッチ/白石和彌、濱谷晃一(テレビ東京)
【音楽】鈴木慶一

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