『加トケンごきげんテレビ』名物コーナー米版、放送28年目で長寿記録更新

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海外で現地制作版が放送されているTBSの人気バラエティ番組『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(1986年1月から1992年3月まで放送)。この度、名物コーナー「おもしろビデオコーナー」のアメリカ版『America's Funniest Home Videos』(アメリカズ・ファニエスト・ホーム・ビデオズ:以降『AFV』)が今秋で放送開始28年目に、イギリス版『You've Been Framed!』(ユーブ・ビーン・フレイムド:以降『YBF』)が27年目に突入することがわかった。

両番組は、1988年にTBSがアメリカのBellon Entertainment社と共同で、「おもしろビデオコーナー」をフォーマット番組販売したことで放送に至ったもの。現地スタッフとキャストによって制作され、日本のオリジナル映像は一部の投稿ビデオを除いて一切使われていない。

『AFV』は、アメリカの4大地上波ネットワークABC(現Disney/ABC)で1989年から放送開始。放送17年目となった2006年秋には、60年超の歴史を誇るABCのエンターテインメント(バラエティ)番組史上、最長寿の番組となった。以降も記録を更新し続けているが、今秋28年目を迎えることで、さらなる記録更新が決定。視聴率競争が激しいアメリカの地上波ネットワークでは長寿番組は極めて珍しく、28年間に及ぶ放送継続は金字塔と言える。また、2012年にゴールデン帯での放送500回を達成しているが、これは70年を超える米テレビ史上、『Gunsmoke』(ガンスモーク)、『Lassie』(名犬ラッシー)、『The Simpsons』(ザ・シンプソンズ)の3番組に次ぐ快挙となる。

また、 放送開始の1989年から現在まで『AFV』に寄せられたビデオは100万本を超えており、Facebook公式ページのファンは1,350万人を突破(※2017年5月現在)。番組はすでに世界100ヵ国以上に輸出されており、世界的な「視聴者ビデオ投稿番組」のきっかけを作ったとされ、「YouTube beforeYouTube.」(YouTube 以前から存在する YouTube)とも称されている。

さらに、『AFV』のプロデューサーであるVin Di Bona氏は、エミー賞を4回獲得しているほか、アメリカで放送界における最高の栄誉とされるジョージ・フォスター・ピーボディ賞を受賞。さらに2007年にはハリウッド殿堂入りも果たしている。『AFV』も、2009年にスミソニアン博物館入りを果たした。

一方の『YBF』は、イギリス最大民放地上波ITVで1990年から放送開始。今回の再発注で30シーズン目を迎え、昨シーズンまでに放送500回(内、特番67本)を超えている。

両番組とも、アメリカ人やイギリス人、また両国の在住者であれば誰でも知っている番組といえるだろう。

「おもしろビデオコーナー」は、これまでの世界展開が評価され、毎年カンヌで開催される世界最大規模の国際テレビ番組見本市「MIPTV」(ミップ・ティービー)が、2013年に開催50周年を迎えた際、テレビ史に功績を残すとともに、世界的にも影響を与えたテレビ番組として厳選された「世界のテレビを変えた50作」にも選出されている。

<フォーマット番組販売(番販)>
クイズやバラエティー番組などのコンセプトや制作ノウハウを販売する方法で、TBSは世界の大手に先んじてこの販売方法を手掛けた「世界的老舗」。1980年代半ばに『わくわく動物ランド』を韓国に販売したのを皮切りに、これまでにBellon Entertainment 社と共同で、世界約160ヵ国で200種類近く、数千話に及ぶ「フォーマット番販」によるTBS番組の各国版制作を実現しており、各国で国民的人気を博した(博している)番組も多数。代表作には『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』の「おもしろビデオコーナー」のフォーマットや、『風雲!たけし城』、『SASUKE』、『しあわせ家族計画』、『わくわく動物ランド』など。なお、『風雲!たけし城』『SASUKE』はそれぞれ販売実績が150以上の国と地域に達している。

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